7.お金を支払った後に石材店が消えた

この事例は、建墓費用の持ち逃げという、
極めて悪質な詐欺行為の被害にあった事例です。
【事例.2】建墓費用を全額支払った後、石材店が消えた?
ある石材店を通じて、数年前に霊園の墓所を購入いたしました。
建墓費用を全額前払いで支払った方が、料金が割安になると言われたので、
墓地永代使用料を含めた、合計300万円を業者に振り込みました。
その後一年ほどが経過し、そろそろお墓を建てたいと思い、
石材店に連絡をしたところ、全く連絡が取れず、その会社自体も無くなっており、
お墓を建てることができず困り果てています。(60代・男性)
【解説】全額前払いを要求する業者には要注意!
「全額を前払いしていただければ、その分お安くします!」
これはよく耳にするセールストークの一つです。
手間や気持ちの問題で、依頼する側から前払いを申し出るケースもあると思いますが、
業者側から、全額前払いを要求するとしたら注意が必要です。
今回のケースは、施工工事をせずに代金を持ち去るという極めて悪質な詐欺の手口です。
通常、石材店では契約時に手付金(着手金)を受け取り、
工事完了後の引き渡し時に、残金を精算するという方法が一般的です。
手付金の額に厳密な決まりはありません。
契約金額によっても異なりますが、契約時1/3、中間金1/3、完成引き渡し時1/3、
という三分割による支払い、もしくは、契約時1/2、完成引き渡し時1/2、
という二分割による支払い方法が一般的な支払方法でしょう。
いずれにしても、契約時に支払う金額としては、
おおむね総額の半分以内の額が一般的です。
もし、契約時に全額の支払いを要求するような業者であれば、
前述等の方法でしか契約できない旨をはっきり伝え、
それでも全額要求するようであれば、他の石材店を探した方がよいでしょう。
それによって、もし納期に間に合わなくても、それは一時的なこと。
後々まで悩むことを考えれば故人もきっと納得してくれるはずです。
【参考文献】
・「霊園ガイド・2011上半期号」(株式会社六月書房発行)
・ お墓選びは石材店選び「石材店に行く前に読む本」
(日本石材産業協会・基準策定委員会発行/非売品)