4.営業マンの、「ご見学ですか?」に要注意!

「ご見学ですか?」と声をかけられたら要注意!
過去に民営霊園の見学をされたことのある方なら、
きっとご経験がおありかと思いますが、お客様が霊園へ見学に訪れると、
指定石材店が陣取った、詰め所や管理棟から、
霊園の資料を持った営業マン(女性の場合もある)が現れ、
「ご見学ですか?」などと声をかけてきます。
そして「チラシはお持ちですか?」などと聞かれます。
何故このように尋ねるのかといいますと、
「見学の際には必ずこのチラシをご持参下さい」と記された、
チラシやDM等を持参されたお客様が、見学に来られた場合、
そのお客様の担当は、自動的にチラシ等を発行した石材店となる、
というふうに定めている民営霊園が数多く存在するからなのです。
この時に、お客様側から石材店を指定したり、
特定の業者のチラシを持って行かなかった場合には、
声をかけてきた担当者の石材店が、
自動的に見学者のお墓のすべてを担当することになります。
(これを仮に「A石材店」とします)
この決定にはお客様側の意思は関係ありません。
極めて一方的に決定されてしまうのです。
一旦、担当の石材店が決まってしまうと、
お客様がその霊園にお墓を建てる際には、
お墓の施工を請け負うのは必ず「A石材店」となります。
墓石の建立費用や、デザインなどが気に入らず、
担当の石材店を変更したいと思っても、
指定石材店制度が採用されている霊園では変更は認められません。
A石材店と他の石材店を比較するために、
相見積り(※)をとることも認められないのです。
お客様がどうしても「A石材店」ではお墓を建てたくないと考えた場合、
もう、その霊園に墓所を購入することは実質的に不可能になります。
「A石材店」と縁を切るためには、霊園そのものを変更しなければなりません。
これはとても不自然なことと思われるでしょうが、
これが、民営霊園の大多数で行なわれている、
「指定石材店制度」の本当の現実の姿なのです。
※相見積り…複数の業者に同条件で見積りを提出させ比較すること。
「あいみつ」とも呼びます。
【参考文献】「霊園ガイド・2011夏号」(株式会社六月書房発行)