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8.大阪で起こった墓石の産地偽装事件

8.大阪で起こった墓石の産地偽装事件
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これまでのブログでは、中国の石材加工工場で日常的に行なわれている、
お墓の"ごまかし加工"や、日本で販売されている外国産石材の墓石に、
墓石販売業者が、独自の名称を付けて販売している件についてお話ししてきました。

これらに関しては、建築基準法や食品衛生法の様な規定法律が無いため、
現行の法律では取り締まることが出来ないのが現状です。

しかし、法的に問題はなくても、消費者に対して粗悪な製品を販売することや、
消費者が国産墓石と錯覚するような独自の名称を、あえて付ける必要があるのでしょうか?

売り手側とすれば、「どうせ素人には判らないだろう」という考えで、
中国の石材加工工場でつくられた"ごまかし加工"による墓石を、
うすうすは、分かっていながら販売している卸売業者や小売業者が、
数多く存在すること自体、業界全体として問題があると思います。

マスコミにも大きく取り上げられた、墓石の産地偽装事件

そして、今回のブログでは、前述のようなモラルに欠ける問題ではなく、
れっきとした犯罪行為である「墓石の産地偽装事件」についてお話しさせていただきます。

墓石の産地偽装事件の記事

平成22年5月7日・讀賣新聞に掲載

ここにご紹介するのは、2009年(平成21年)に大阪府で実際に起こった事件で、
2010年2月25日に、テレビ朝日系列のNEWSゆうにて「ウラドリ新たなる産地偽装」として、
また、同5月7日の讀賣新聞にも「墓石販売 信用にヒビ」として大きく取り上げられました。

この「墓石の産地偽装事件」のあらましについてご紹介しますと、
大阪府豊中市の会社員Aさん(当時32才)は、亡くなったお父様を供養するために、
大阪市内の業者から350万円で墓石を購入いたしました。

Aさん:「特に(父を)早く亡くしたので、できるだけお墓くらい良いのを…」

Aさん夫妻が選んだのは国産の高級石材「大島石」。

その中でもトップクラスの極上品を購入したはずだった…。

「大島石」とは、愛媛県の北部、瀬戸内海に浮かぶ"大島"で採掘される御影石で、
墓石だけに限らず、国会議事堂や赤坂迎賓館などの有名建築物にも使われている銘石です。

そして、墓石建立後に花立が外れる、霊標(墓誌)もぐらついているなどの不具合が続き、
施工不良に不信感を抱いたAさん夫妻は、(社)日本石材産業協会に調査を依頼しました。

同協会の当時の副会長・射場一之(いば かつゆき)氏がA家の墓石の鑑定した結果、
「大島石」ではなく、韓国産の石材「陰城(いんじょう)」であることが分かりました。

本物の「大島石」の石目は、「陰城」よりキメが細かく色目も違います。
価格も「大島石」と比べると半額程度と、大きく異なります。

調査にあたった射場一之氏は、「知識がなければ見分けるのは難しいが、
専門家が見れば一目瞭然。『マグロ』と『カツオ』ほどの違いがある」とのこと。

「墓石の産地偽装だ!」そう確信したAさんは、
墓石の販売業者に産地証明書を送るよう求めました。

しかし、届いた産地証明書には採石業者や加工業者の名前は無く、
墓石を販売した小売業者の名前のみが記されたものでした。

さらに、その産地証明書の原石名の欄に書かれていたのは、
『日本を代表する銘石の一つ大島石』という形容詞付きの原石名です。

通常の証明書に、こんな「日本を代表する銘石の一つ…」なんて付けないですよね。

Aさん夫婦は大阪府警に被害を届出ました。

大阪府警が鑑定した結果、石はやはり「大島石」ではなく韓国産であることが判明しました。

大阪府警は2009年(平成21年)12月に不正競争防止法違反(産地偽装)容疑などで、
墓石を販売した業者の事務所を捜索しました。

朝日放送の記者のインタビューに答えた墓石販売業者の社長はテレビに向かって…

「長いことやってましたけど、てっきり騙されましたわ。
その時に大島石の一番良いものでお願いしますということでお願いしたんですよ。
結果的に彼を信じきってたもんですから」

社長が言う『彼』とは、取引があった墓石の卸売業者のことです。

しかし、これは「石材店が石を知らない」と言っているようなもので、
本物か偽物かを見分けられるのがプロなのではないでしょうか。

また、社長自らが発行した産地証明書についても…

「原産地証明は取引した小売店が印鑑を押して出すものだという
(卸売業者からの)説明だったので、私の印鑑で出した」

産地証明書についても、卸売業者に言われるままに書いたと説明する社長。

その卸売業者は、朝日放送の取材で次のように語った…

「その石材店と石の種類について話をしたことは一度もない。石を運ぶ注文を受けただけ」

石材店と卸売業者、はたしてどちらの言い分が正しいのやら…

最終的には、Aさんは墓石を販売した業者に、
購入代金の全額を月々返済させる約束を取り付け、
2010年(平成22年)1月、捜査書類を大阪地検に送付し捜査を終えました。

Aさんは墓石を撤去し、改めて建立する予定とのことでした。

讀賣新聞の取材に対しAさんは、
「示談はしたが、お墓を使ってだますような行為は今でも許せない」と憤っていました。

国民生活センターによると、墓石に関する苦情・相談は、2000年度は686件だったが、
2005年度には1308件と倍増。その後、高止まり状態が続き、
2008年度には1414件、2009年度は1364件だったとのことです。

内容は「建立してすぐに石が欠けた」といった品質に関するトラブルのほか、
「内金を支払った後、業者に電話がつながらなくなった」、
「相場より数百万円も高く購入させられているようだが返金してもらえるのか」、
といった購入代金に絡むものが多いとのことです。

墓石を巡る偽装疑惑は「産地偽装」だけにとどまりません。

石材の「等級偽装」や、墓地での「施工偽装」とさまざまです。

『先祖供養のために少しでもいいお墓を建てたい』
そんな思いにつけ込む、お墓に絡むさまざまな「偽装」や「ごまかし加工」。

消費者の知識が少ないことを逆手にとり、利益を得ようとする業者。

満足のいくお墓を建てるためには、墓地選び、石材選び、デザイン選びよりも、
先ずは、信頼できる石材店選を選ぶことが最も重要です。

【参考文献】「讀賣新聞」2010年(平成22年)5月7日号

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