お墓の真実
石材店が秘密にしていること
「お墓のことはよくわからない」とみなさんがおっしゃるのはごもっともだと感じます。
ただでさえ、購入する機会が少なく商品として馴染みが薄いうえに、お墓自体、良し悪しが非常に判断しにくいものなのです。
それに加えて
- 販売する側が積極的な情報提供をしてこなかった
- 消費者が石の知識やデザインに関する要望を持たなかった
このような状況もありました。
昔、一家に1台白黒テレビがあれば満足という時代があったように、少し前まではお墓も持っているだけで十分と考えられていたからです。
墓石業界はその時代のまま、現在もなお閉ざされ続けています。
意図しているかどうかは別として、石材店が一般消費者に“わざわざ言わないこと”が、実はたくさんあります。
その中から、後悔のないお墓づくりをしていただくために、これだけは絶対に知っておいていただきたいことを2つご紹介いたします。
知らない人が損をする「指定石材店制度」
あなたは「指定石材店制度」というものをご存知ですか?おそらく初めて聞くという方も多いことでしょう。
現在、多くの民営(民間)霊園では、墓地・墓石販売のための「指定石材店制度」というシステムが採用されています。
簡単にいうと、
A霊園にお墓を建てる人は、「A霊園が指定するB石材店、C石材店、D石材店でお墓を建てなければならない」
という決まりです。
洋服を買うときに、もしお店を制限されたらとっても不便ですよね。ハイブランドしか選べなかったり、デザインが好みではないお店ばかりを指定されたら、おそらく納得できる買い物はできません。
お墓も同様に、「誰(どこのお店)にお墓づくりをお願いするか」という選択はとても重要なことです。
しかし、指定石材店制度では本来自由に決められるはずの石材店選びが制限されてしまいます。
そして、この制度の一番の問題点は、制度自体があることを知らないまま霊園に申し込みをして、墓地取得費用を支払ってしまう方がいるということ。
つまり、消費者があらかじめその不自由さを納得して申し込んでいるわけではなく、あとからこれらの制約に気がつく、ということなのです。
なぜ指定石材店制度があるの?
そもそも、なぜこんな、いかにもトラブルの元になりそうな厄介な制度があるのでしょうか。
実は、墓地や霊園の経営は誰もができることではありません。
公営墓地(市営墓地など)を除き、墓地や霊園の経営を許されているのは自治体から「経営許可」を受けた公益法人(宗教法人、財団法人など)のみ。
私たちのような一般企業の営利法人は、墓地の経営に携わることができないと法律で決められています。
とはいえ、霊園の開発や造成には、億単位の多額の費用が必要です。実際につくろうと思ったら、経営主体である宗教法人(通常は寺院など)や財団法人だけでは資金がまかなえず、複数の業者(石材店など)から援助を受けて、なんとか開発が進むという場合がほとんどです。
さらに、霊園開発後も、宗教法人であるお寺の住職は自ら霊園の販売・運営・管理に携わることができないため、それらの業務のサポートも石材店などの業者に任せます。
こうして資金面・運営面で協力してくれた業者には、多大な”恩”が発生するわけです。
その見返りとして、良くしてくれた業者にきちんと儲けのチャンスを与えるために「指定石材店」という権利を与えているのです。
消費者は石材店を選べない
指定石材店制度を採用している民営霊園に申し込んだら、その霊園が指定した業者の中から、お墓のデザインから施工まですべてを請け負ってくれる石材店を選ばなければなりません。
たとえ、お知り合いが良い石材店を紹介してくれても、親戚に石材店の方がいても、いかなる理由があっても指定業者以外の石材店でお墓を建てることは原則認めらないのです。そればかりか、相見積もりや墓石デザインの優劣を他社と比較することすらできないのです。
こんな風に一方的に買い物をさせられるのは、なんだかちょっと怖いですよね?
選択肢を制限されるというのは、暗黙の押し売りです。
ちなみに、指定業者の数は霊園の規模によっても違いますが、数社から、多いと二十数社に及びます。
この数を聞いて「そのくらい選択肢があるなら、まぁいいか!」とホッとされる方もいるかもしれません。
しかし、この制度の本当の怖い話はここから。
実は、ほとんどの霊園では、消費者の意思に関係なく、見学に訪れた時点で、案内から営業までを担当する石材店が自動的に割り振られます。霊園を売り出している最中に設置された園内のプレハブでは、指定石材店の営業スタッフが見学に来るお客様を順番に待っています。
これは、霊園開発にあたって協賛金等の協力してくれた業者を差別なく公平に扱い、儲けるチャンスを平等に与えるためです。
ですから、結局は指定石材店が数十社あったとしても、消費者は石材店を選ぶことができないのです。
※ 指定石材店の中の特定業者のチラシなどを持参した場合のみ、その業者が担当できます。
なお、指定石材店の中にも序列があります。ご想像の通り、貢献度の高いところが優先的にお客様を獲得できるように霊園側が配慮するわけですね。
そういう場合は、霊園に常駐し案内を担当する業者を1社に絞っていることもあります。
いずれにしても、消費者が知らないところでこのように自由な選択を奪う仕組みが働いているというのは、なんとも不公平な話ですね。
問題点だらけの指定石材店制度
ざっくりとした説明ではありましたが、これだけでも十分、この制度が消費者にとってあまり歓迎できないものであることをお察しいただけると思います。
制度自体が販売者側の都合ばかりを優先しているうえに、この制度の存在そのものが消費者に知られてない(あえて知らせていない?)ことがさらに問題を大きくしています。
実際に「指定石材店制度」をめぐるトラブルは多く、当社にもご相談に来られる方が多いです。その一部をご紹介いたします。
【Case 1】 石材店が不満だが変更できない!
霊園見学の際に、一方的に割り振られた担当石材店の社長と営業マンの接客態度が悪い。
時間の約束を守らないなどの不手際もあり、石材店を変更したい旨を申し出たら、「それは無理だ!どうしても嫌なら、もうここでお墓を建てることはできない」と担当石材店から一方的に言われた。どうしても納得できません。
40代 女性
この方は、指定石材店についての知識が無いまま(大半の方がないです)、見学のためにふらっと霊園を訪れたところ、その「態度が悪い業者」を担当にされてしまったとのこと。
その後、彼女はその霊園にお墓を建立することをあきらめたそうです。
能島
【Case 2】 霊園指定業者の見積もりが高額でびっくり!!
石材店に勤めている親戚がおり、自分のお墓はその会社で建てようと考えていた。しかし、霊園の管理者から「指定業者以外は工事をしてはいけない」と言われた。指定の業者で見積りをとったところ、とんでもなく高額なので驚いている。
男性
この男性の場合、事前に親戚が勤める石材店でお墓の見積りをしてもらっていたそうですが、霊園の指定業者が見積もった金額は、その二倍近い金額だったそう。
なぜ金額にこんな開きがあるのか理解ができず、また、他の指定業者との比較もできないので困り果てておられました。
能島
【Case 3】 自分の好きな「デザイン墓石」が建てられない!
オリジナルデザインのお墓を建てたいと考えていたが、一方的に割り振られた霊園の指定業者から、「お墓の形はカタログに載せている3種類の中からしか選べない」と言われた。
自分なりのお墓のイメージを伝えたが、「うちではできない」の一点張り。指定された他業者の中には、要望に応じてくれるところもあるようだが・・・。
主婦
この女性の場合は、後になってから同じ霊園指定の他業者が「デザイン墓石」の製作を得意としているということを知ったそうですが、時すでに遅し。
担当となった石材店の変更は一切認められず、事前に下調べをして行かなかったことを心から後悔しているということでした。
能島
消費者のメリットとは?
もちろん、指定石材店制度にも消費者のメリットになることはいくつかあります。
1 業者と霊園がともに責任を負ってくれる可能性があります
お墓の契約から完成までの間に何か問題が生じた場合、当事者である業者だけでなく、その業者を指定した霊園にも責任を問うことができます。
揉め事になっても当事者のみの話し合いではなく、霊園側も巻き込んで三者で協議ができます。
2 長期のアフターサポート対応
お墓が完成したあとも、納骨や追加刻字など、石材店に頼みたい作業がしばしば発生します。
この依頼を受けるのも指定石材店となるため、その手続きを円滑に進めるために、霊園側は20年、30年と安定的に任せられる業者を指定していることがほとんどです。
つまり、指定石材店になっている業者であれば、経営面やアフターサポートの心配は概ね不要です。
上記が消費者にとってはメリットと言えるでしょう。
お客様の考え方や何を望むか、どんなポイントを優先するかにもよりますが、とはいえ「指定石材店制度」があることによって、霊園か石材店のどちらかを自由に選べなくなるというのはとても不便であることは間違いありません。
ここで今一度、指定石材店制度のメリットとデメリットをまとめておきますので、ご参考ください。
- 業者と霊園がともに責任を負ってくれる可能性がある
- 長期のアフターサポート対応
- そもそも制度そのものの認知度が低く、誤解が生じやすい
- 指定業者が明示されていない
- 担当する石材店はすべて売り手の都合で決定され、消費者が選ぶことはできない
- 指定業者の実力にバラツキがある
- 担当になった石材店はいかなる理由があっても変更できない
民営霊園でトラブルに遭わないために…
もし、民営霊園を申し込んでしまったあとに、どうしても指定された石材店でお墓を建てたくないと考えた場合は、残念ながらその霊園にお墓を建てることをあきらめるしかありません。
支払ったお金ももう戻ってくることはなく、新たに墓所を探すことになります。
とても不自然なことと思われるでしょうが、これが「指定石材店制度」の本当の現実です。
しかし、ご安心ください。
これを読んで「指定石材店制度」を知ってくださったあなたなら、このような事態を招かないために事前に準備できることがあります。
トラブル回避のために、ぜひご参考ください。
①霊園に参画している指定業者を事前にチェックしておく
霊園見学に行く前に、電話やインターネットにて霊園の指定業者を調べておきましょう。
指定業者の中に気になる石材店があれば、まずはその石材店を訪問し、任せられるかどうかを判断してください。
もしそのままお願いしても良いと判断できたら、霊園見学に同行をしてもらうか、霊園内で待ち合わせるようにしましょう。
②霊園見学では名前・住所・電話番号などの個人情報を教えない
霊園見学に行くと必ず、対応した業者の営業担当者が、あなたの名前や住所等を専用用紙に記入するよう求めてきます。
個人情報を教えてしまうと、その対応した業者が担当石材店として決定されてしまいます。
※気に入った墓所を仮押さえする場合は名前・住所・電話番号等の記入が必須となりますので、ご注意ください。
③「おかしい」と感じたら、とりあえずは霊園管理者側に相談する
指定石材店各社の墓石の品質や工事内容、デザイン提案力、営業スタッフの力量等にはバラつきがあります。
担当石材店と建墓を進めていく過程で、少しでもおかしいと感じたら、すぐに霊園側に相談して解決を図りましょう。
ただし、相談をしても石材店を変更してくれる保証はありません・・・。
上記の対策をすれば、大きなトラブルには巻き込まれにくくなることでしょう。
もし「どうしてもここの霊園がいい!」という希望がないお客様であれば、一番安全な方法は、霊園や墓地を探す前に建墓を任せる石材店を見つけるということです。
その石材店が出入り可能な霊園を案内してもらえば、指定石材店制度に邪魔されることなく、ご要望に沿ったお墓づくりができることでしょう。
【参考文献】「霊園ガイド・2011夏号」(株式会社六月書房発行)
さて、続いて石材店が秘密にしていることの2つ目。カロート(納骨室)にまつわるお話です。
まるで野ざらし?のカロート(納骨室)
この写真をご覧ください。これ、なんだと思いますか?
これは、水が溜まってしまっているカロート(納骨室)です。
それでは、こちらの写真はいかがでしょう?
こちらは、カロート内にスズメバチが巣を作っていた様子です。
他にも写真こそありませんが、同業者と話をすると、過去にはカロートにヘビがいたとか、クモの巣が張り巡らされていたという話もよく耳にします。
もしあなたの大切な方のお骨がこんな野ざらしのような状態に置かれていたら、どう思いますか?
ゲリラ豪雨、台風、大雨・・・あなたのお墓は大丈夫?
かつて、夕方に突然降る雨は「夕立」と呼ばれていました。しかし最近では、その雨の激しさが増し、「ゲリラ豪雨」として全国各地で大きな被害を与えています。
ゲリラ豪雨が増えた理由は、地球規模の気候変動やヒートアイランド現象など複数の要因により、日本の気温が上昇傾向にあることと関係があります。
また、2018年は西日本豪雨や台風による被害も大きく、「雨」の恐ろしさを改めて感じさせられました。
さて、あなたのお墓は大丈夫でしょうか・・・
実は、富山県などのごく一部の地域を除いて、全国の多くのお墓がカロートに水が入ってしまう構造であるという事実をご存知でしたか?
そして、私たちの地元神戸市を含む関西地方のお墓は、和型・洋型・デザイン墓石などお墓の形に関係なく、ほぼ全てと言っていいくらいカロート内に水が入るつくりになっています。
きっとあまり知られていませんよね。
それもそのはず、石材店はこうした事実を教えてくれません。
なぜなら、水が入るのは昔から当たり前のことだと思っているし、水が入らないようにお墓をつくるなんて無理だ、と思っているからです。
なぜ水が入るのか?
お墓が完成し、カロートにご遺骨を納めた後、石材店は、単にふたを閉めるだけか、モルタルやシーリング材で目地止めをするかのいずれかです。
しかし、お墓というのは亡くなる人が出るたびにカロートを開けて納骨を行うので、完全に接着してしまうと、次に開けるとき大変苦労します。
それゆえ、目地止めをきちんと行わないことから、その継ぎ目から水が入ってしまうわけです。
仮に、きちんと目地止めをした場合でも、恒久的な効果があるわけではないので、いずれは水が入ってしまいます。
ちなみに、ゲリラ豪雨のように短時間にバケツをひっくり返したような雨量を記録すれば、カロートに入る水の量も半端ではありません。
当社に「お骨がプカプカ浮いていた」とご相談をしてくださったお客様がいらっしゃいましたが、おそらくこのお客様だけでなく、多くの方のお墓で同じようなことが起きているはずです。
なお、先にご紹介した通り、昆虫もこの目地の隙間から自由に出入りできるため、居心地が良いなと感じれば、あっという間に巣を作ってしまうのです。
一般消費者が気がつかない理由
石材店にとっては当たり前のこの事実ですが、一般消費者で知っているのはご自分で納骨をされたことがある方だけです。
というのも、納骨をする場合、通常はその業務を石材店に依頼しますよね。
依頼を受けた石材店は、前日までにカロートのふたを開けて、内部に問題がないかを確認しています。
水が溜まっていたら納骨日までに汲み出しますし、虫がいたり汚れていたら簡単な掃除をします。
こんな風にいうと、まるで隠蔽工作をしているようで心苦しいのですが、業者側も決して悪意でこうしているわけではなく、これがこの業界の昔からの“常識”なのです。
恥ずかしながら、私たち第一石材も、数年前までは他の業者さんと同じようにしていました。
ですから、納骨を石材店に依頼された方は、普段のカロート内の状況を知るきっかけがないのです。
水や虫からお墓を守るために・・・
お墓はご先祖様の大切なお骨を保管しておくところ。
そして、いずれは自分自身も入るかもしれない場所です。
そう考えると、お墓の中でもっとも重要な部分は、このカロートではないでしょうか。
“お墓づくり”といえば、ついつい目につきやすい「墓石」に気をとられてしまいますが、本来はお骨を適切な状態で保管できてこそ、初めて高級な石で立派なお墓を建てる意味があるように思います。
さて、それではどうすれば水や虫からお墓を守ることができるのでしょうか。
その方法は、お墓の従来の構造を変えるしかありません。
そう考えた私たちは、水が入らない新構造を開発いたしました。
おそらく現時点では、このような施工ができる石材店はそう多くないと思います。
もしカロートの状態が気になる方は、第一石材が開発した『信頼棺®』をご覧になってみてください。