お墓と宗旨・宗派⑬黄檗宗/万福寺(京都府宇治市)
■お墓と宗旨・宗派①宗派について
https://daiichisekizai.com/200808/
■お墓と宗旨・宗派②法相宗/興福寺・薬師寺(奈良県)
https://daiichisekizai.com/220902/
■お墓と宗旨・宗派③華厳宗/東大寺(奈良県)
https://daiichisekizai.com/241430/
■お墓と宗旨・宗派④律宗/唐招提寺(奈良県)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/08/281614/
■お墓と宗旨・宗派⑤天台宗/比叡山延暦寺(滋賀県・京都府)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/09/221247/
■お墓と宗旨・宗派⑥真言宗/高野山・金剛峯寺(和歌山県)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/09/271004/
■お墓と宗旨・宗派⑦浄土宗/知恩院(京都府)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/10/031034/
■お墓と宗旨・宗派⑧浄土真宗/西本願寺・東本願寺(京都府)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/10/110945/
■お墓と宗旨・宗派⑨時宗/清浄光寺(遊行寺)(神奈川県藤沢市)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/10/211111/
■お墓と宗旨・宗派⑩融通念仏宗/大念仏寺(大阪市)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/11/091431/
■お墓と宗旨・宗派⑪臨済宗/建長寺派(鎌倉)南禅寺派(京都)など14派
https://daiichisekizai.com/blog/2012/11/101304/
■お墓と宗旨・宗派⑫曹洞宗/永平寺(福井県)・総持寺(横浜市)
https://daiichisekizai.com/blog/2012/11/111654/
上記のコラムからのつづきです。
9世紀、中国福建省福州府の黄檗山という聖山を拠点に、
希運という禅僧が開いた一派です。
この山には、染料や薬用にする黄檗(キハダ)という
樹木が多いことから黄檗山の名前で呼ばれていました。
希運の門下には臨済義玄があり、
臨済宗の祖となったことは周知の通りであります。
▲黄檗宗初伝の寺、長崎市の崇福寺
日本には江戸時代のはじめに、長崎の華僑の人たちが超然という
中国の禅僧を招いて崇福寺を建立したのが黄檗宗の初伝であります。
その後、承応3年(1654)、インゲン豆を伝えたことで知られる、
隠元隆琦(いんげん・りゅうき 1591〜1673)禅師が、
崇福寺の逸然らの懇願により、長崎にやって来て伝えました。
63歳で来日した隠元は長崎の諸寺に留まり、
後に江戸に招かれて徳川綱吉に謁見して信任を得ました。
綱吉は隠元の学徳を高く評価し、山城国宇治に寺領を賜り、
ここに黄檗宗の大本山を創建するよう命じました。
▲京都府宇治市にある黄檗宗大本山・萬福寺
以降、隠元の采配のもと8年の歳月をかけて
寛文3年(1663)に伽藍の竣工を見ました。
隠元の後も江戸時代の後半まで万福寺の住職は中国僧がつとめ、
純中国式禅風を根付かせました。
その宗風は臨済宗に近いが、明代の念仏禅を加味した
浄土信仰と禅との融合を説くところに特徴があります。
読経は中国南部の福建語の発音で行うため、
他宗の読経とは異なる独特の響きがあります。
▲屋根上左右に乗る摩伽羅(マカラ)という想像上の生物
また、建物などは中国式の独特のもので、
屋根の上に鬼瓦の代わりにマカラという空想上の魚が乗るのが特徴です。
さらに、行事や法要も他宗に見られない独特なものが少なくありません。
9月には普度勝という中国式のお盆が行われるほか、
海上交通の守護神として信仰されている媽祖を本尊とする媽祖祭、
関帝祭や元宵祭などの中国の行事が行われます。
現在は宇治万福寺を大本山として、
全国に400ヵ寺ほどの末寺があります。
~つづく~
※引用文献:日本石材工業新聞 第1927号
【墓石建立可能地域】
・兵庫県・神戸市及び関西地方
・東京周辺の首都圏
・関東地方
・東海地方
・近畿地方
・中国・四国地方