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「娘しかいない」など跡継ぎ問題で悩む現代社会のお墓の在り方

「娘しかいない」など跡継ぎ問題で悩む現代社会のお墓の在り方
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娘しかいないので自分たちのお墓をどうしようかと考えている・・・

 

現代社会では、このような悩みを抱えている人は少なくありません。

 

こんにちは。(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」の能島孝志です。

兵庫県神戸市で、“カロート(納骨室)に水が入らない特許構造墓石”『信頼棺®』を販売する、(株)第一石材の代表を務めさせていただいております。

能島

先祖代々受け継いできたお墓をどうするか?

自分たちの終の棲家をどうするか?

 

少子化ならびに核家族化の影響もあり、近年ではお墓をどうするかで悩んでいる人が数多くいます。

 

その要因の一つが、

 

  • 娘しかいない
  • 息子はいるが結婚していない

 

など、お墓の跡継ぎ問題です。

 

今回の記事は、そんな悩みをお持ちの方に、お墓の跡継ぎ問題が起こる背景と現代社会に沿ったお墓の提案についてお伝えいたします。

 

1.お墓の跡継ぎ問題は「家督相続制度」のなごり

お墓の跡継ぎ問題は「家督相続制度」のなごり

お墓といえば、その昔から親から子、そして孫へと代々受け継がれていき、基本は長男が継ぐものでした。

 

この”長男が継ぐもの”というのは、今から120年以上前の明治31年(1898年)に制定された「家督相続制度」によるものです。

この制度は、戸籍上の戸主が持っていた地位・財産などのすべてを、嫡出長男が相続するというもので、もちろんお墓の祭祀権も含まれます。

 

そして、家長を中心とした大家族制でした。

 

この制度は、第二次大戦後の昭和22年(1947年)に廃止され、今では、家は必ずしも長男が継ぐ時代ではありません。

また、財産も法律に基づき、きちんと相続される時代になりました。

 

しかし、制度廃止から70年以上経った今日でも、お墓に関しては、いまだにこの「家督相続制度」の考え方が色濃く残っています。

 

  • 長男が結婚しない
  • 長男には男の子がいない
  • 娘しかいないので跡継ぎがない

 

などの理由がそのなごりなのです。

 

2.現代社会に合わせたお墓を提案するべき

現代社会に合わせたお墓を提案するべき

現在、夫婦別姓の問題が議論されていますが、現時点では日本は結婚すると、どちらかの姓を名乗らないといけません。

 

しかし、隣国の韓国や中国は、結婚しても元々の姓は変わりません。

結婚しても、金さんは「金」、王さんは「王」のままなのです。

 

結婚すると姓が変わる(ほとんどは夫の姓を名乗る)ということが、夫婦の結婚とは別に家との繋がりを色濃くしているのが日本の結婚です。

 

しかし、現代社会に多くみられる、

 

  • 夫婦二人だけ
  • 子供はいるが娘だけ
  • 息子はいるが未婚

 

といった親と子を中心とした核家族社会においては、「家」という繋がりよりも自分たち家族という意識が強い傾向にあります。

 

そのような現代社会においては、これまでの時代ように、代々継ぐことを前提としたお墓という考え方だけにとらわれず、夫婦二人だけのためのお墓や、娘が継ぐことを前提にしたお墓など柔軟な対応で消費者に提案していくべきです。

 

従来のお墓ならば、墓石の正面に「○○家々之墓」や宗旨・宗派のお題目などを彫刻するのが当たり前でした。

けれども、娘さんしかいないお家ならば、将来、娘夫婦が使えるように両家の名を刻んだり、洋型の墓石にお好きな言葉を刻み、姓を問わず誰でもが使えるお墓にしたりすることもできます。

 

また、転勤など一地域に定住することが難しくなった今日においては、雑草の手入れが要らないように墓所内を石張り仕様にするなど、現代の時代背景に応じたお墓を考えていく必要があるのではないでしょうか。

 

3.まとめ

お墓は大切な家族のお骨を納め、お祀りするところです。

 

つまり、故人を偲びお参りをするところなのです。

 

  • 日々の出来事を報告する
  • 大きくなった孫の顔を見せに行く
  • 誰にも相談できない悩みを打ち明ける

 

など、お墓の持つ意味はたくさんあります。

 

お墓は、亡くなられた人のためにあることは事実ですが、一方では、残された者のためでもあるのです。

そう考えると、お墓は「継ぐ」ものではなく「参る」ものではないでしょうか。

 

嫁いだ娘であってもお墓参りはできます。

 

結婚していない息子であってもお墓参りはできます。

 

今一度、シンプルにお墓の存在意義を考えてみるべきではないでしょうか。

 

 

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