10分でわかる!満足できるお墓と石材店の選び方
こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。
(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。
のじま
いざ、お墓を建てるとしても、一般消費者にはわからないことだらけ。
というよりも、そもそも「わからないことが、わからない」のではないでしょうか?
インターネットでいろいろと調べてみても、
- 石材店によって書いてあることがバラバラ。どれが本当なのかわからない。
- 墓石の値段にバラツキがあり、実際の価格相場がわからない。
- 石材店の情報を見比べても、自社の良いことしか書かれていないので、正しい石材店の選び方がわからない。
など、悩みは募るばかり。
お墓は一生に一度購入するかどうかの買い物。
そして、決して安い買い物ではありません。
価格相場もわからない。品質の違いもわからない。
そうなると、残念ながら「よくわからないまま」値段の安さだけで契約してしまう人が出てきます。
高齢者の方ですと、自宅から近い石材店だからとか、営業マンが親身になって話を聞いてくれるからとか、お墓の品質となんら関係ない理由で契約してしまうことも少なくありません。
でも、ちょっと待ってください!
お墓は「契約してから」では手遅れですし、買い替えのきく商品ではありません。
とにかく、お墓は「よくわからないまま」で購入すべきものではないのです。
「では、どうしたらいいの?」という方のために、今回は“10分でわかる!満足できるお墓と石材店の選び方”をお伝えしたいと思います。
その前に、なぜこんなにお墓は選びは難しいのか?ということをご理解しておいていただく必要がありますので、しばらくお付き合いください。
目次
1.お墓は特殊な商品である
お墓は、ある意味極めて特殊な商品です。
何が特殊かと言うと、お墓はスーパーやコンビニで欲しいものを自分で選んで買うようなわけにはいきません。
通販サイトで「買い物カゴに入れる」をクリックして購入するようにもいきません。
また、いくら手先が器用だからといっても、ホームセンターで材料を買って日曜大工をするように、採石業者から石を買ってきて自分でお墓をつくるのは至難の業かと思います。
つまり、お墓を選ぶといっても、最終的にはどこかの石材店に委ねるしか方法がないということです。
そこで、難しいのが、
- 誰しも(ほとんどの方)が、お墓購入の経験がない。
- 天然素材である石を一つひとつ人の手でつくり上げていくものだけに、二つとして同じものはない。
- クルマやパソコンのような工業製品と違って、メーカーとグレードやスペックを選ぶようなわけにはいかない。
- お墓に関する正しい情報の判別ができない。
などなど、お墓選びは「ないない尽くし」だらけなのです。
ここからは、お墓は難しい商品であるということをご理解いただいた上で、墓石選びの基本的な手順についてお伝えしておきます。
“10分でわかる!満足できるお墓と石材店の選び方”はもう少し先ですので、このまま先に読み進んでくださいね。
2.墓石を価格・予算で選ぶ
「中国産石材の墓石はいくら位からあるのか?」
「大島石の墓石のおおよその値段を知りたい」
このような内容のお問い合わせを数多くいただきます。
こういったお墓の値段に関する質問は、必ずしも予算で墓石を選ぼうとしている方ばかりではありません。
何を基準にお墓を選べば良いのかわからないだけに、とりあえず誰でもがわかる値段が知りたいのです。
しかし、墓石といえども特別な商品ではありません。
住宅やクルマと同様に値段はピンからキリまで。
値段が違えば当然ながら内容も異なります。
ただ、どんなものにも相場というものがあります。
お墓も同じです。
値段の高いものを選ばなければダメ!ということではありませんが、極端に値段の安いものには何らかの理由があると考えておいたほうがいいでしょう。
3.墓石を石で選ぶ
お墓の素材である、石を基準に墓石を選ぶ方は意外と多いのです。
- お墓はやっぱり国産の「大島石」で建てたい
- インドの「アーバングレー」が吸水率が低くて良いと聞いた
このような感じで、石種を指名して墓石を選ぶ方も結構いらっしゃいます。
しかし、「大島石」の原石の多くは中国の石材加工工場に送られ、今や大島石の墓石の大半が中国でつくられている時代です。
「アーバングレー」にもピンからキリまであり、色目も大きく異なります。
そうなると、石に関する知識がない中で、墓石を石の種類だけで選ぶのはリスクが高すぎます。
同じ名前のクルマであってもグレードがあるように、石にもランクがあります。
ランクが違えば当然ながら価格も品質も違ってきます。
また、いくら良い石を使ったとしても、つくり手の腕が悪ければ良い墓石になりません。
いくら良い素材を使っても、料理人の腕が悪ければおいしい料理にならないのと同じ理屈です。
つまり、どんな石をどこの石材加工工場でつくるかによって、墓石の出来栄えが大きく違ってくるということです。
4.墓石をデザインで選ぶ
「昔からあるようなお墓はイヤ!見た目にカッコイイお墓にしたい」
近年では、自由な発想のもと、家族や故人の想いをカタチに表した「デザイン墓石」と呼ばれるお墓が数多く見られるようになりました。
ところが、意外と多いのが、お墓のデザインに関するトラブルです。
その中でも特に多いのが「想っていたイメージと違う」というものです。
しかし、石材店側の言い分としては「お客様の要望通りにつくったまで」というわけです。
まさに堂々巡り・・・
このようなトラブルの最も大きな原因は「石材店選び」にあります。
石材店といっても、様々なタイプがあります。
飲食店にも和食や中華、フレンチなどがあるのと同じで、石材店にも従来型の和形墓石を得意としているところもあれば、プロのデザイナーとコラボして洗練されたデザイン墓石を提供しているところもあります。
それゆえに、「カッコイイお墓が欲しい」と考えている方は、そういうスタイルのお墓づくりが得意かどうかを事前に調べておく必要があります。
下手をすると、お蕎麦屋さんにフレンチを頼むような結果になりかねません。
5.お墓を工事・施工で選ぶ
昭和の頃までのお墓の工事といえば、四角い石をモルタル(セメントに砂を混ぜたもの)を使用し、単に積み重ねている程度のものが大半でした。
1995年(平成7年)に、私ども第一石材の地元である兵庫県神戸市で起こった「阪神・淡路大震災」では多くの住宅や建物が倒壊しました。
お墓も例外ではありません。数えきれないほどのお墓が被害を受けました。
「阪神・淡路大震災」以降も全国のあちらこちらで大きな地震が頻繫に発生していることが、お墓の工事・施工を見直すきっかけになったのは事実です。
しかし、お墓の工事には「建築基準法」のような規定や法律はありません。
住宅やビルを建てるのとは大きく違います。
お墓の基礎工事にしても石材店ごとに様々です。
- 基礎工事をまったく行わない
- ワイヤーメッシュとモルタル使用の気休め程度の基礎工事
- しっかりと鉄筋を組んで生コンを用いた基礎工事
つまり、どの程度の基礎工事をするかは石材店の考え方次第というわけです。
そして、お墓の場合は、どんな手抜き工事をしようとも罰せられることはありません。
規定法律がないのですから当然ですよね。
その他にも、墓石にどのような地震対策を施しているのかも重要な部分です。
あなたがお墓を購入しようと考えている石材店が、どのような工法でお墓を建てているのかを事前に確認しておいた方がいいですね。
6.墓石を構造重視で選ぶ
家を建てるときには、「木造」「鉄筋コンクリート」「ツーバイフォー工法」など、構造は気になるものです。
ところが、お墓を構造で選ぶ人は、ほんの一握りしかいません。
でも、本当に気にしてほしいのが「墓石の構造」です。
特に、大切な人のお骨を納めるところであるカロート(納骨室)です。
何故って!?
それは、何のためにお墓をつくるかを考えていただければ、答えは簡単にわかります。
お墓は亡き人を祀るところですよね。
ご先祖様を供養するところですよね。
つまり、お墓は亡くなった大切な人やご先祖様のお骨を納め供養するためのものです。
何かの記念碑やモニュメントではないのです。
そう考えると、お墓のカロートがいかに重要なところかがおわかりいただけると思います。
しかし、日本全国のほとんどの地域のお墓は、カロートの中に水が入ってしまう構造なのです。
ひどい場合には、カロートの中に水がたまり、骨壺が水没しているケースもめずらしくありません。
でも、この事実を消費者のほとんどは知りません。
その理由は、石材店が言わないからです。
というよりも、ほとんどの石材店は、これといった解決方法がないため、「あえて言わない」と言った方がいいでしょう。
ちょっと、想像してみてください。
あたなの大切な人のお骨が水びたしになっているとしたら、あなたは耐えられますか?
お墓をつくる際には、ぜひ構造にも目を向けてください。
7.お墓を石材店で選ぶ
「おいしい料理を食べたければ、おいしいお店に行くのが一番!」
誰しもが考える、ごく当たり前のことかと思います。
そう考えるなら、「いいお墓をつくるには、いい石材店選びがすべて」と考えるのは正しいと言えるでしょう。
問題は、どのようにして「いい石材店」であるかを見極める?かです。
誰しもがお墓の買うのは初めての経験だけに、レストランを選ぶときのように「あの店はおいしい!」なんてわけにはいきません。
それゆえに、「石材店紹介サイト」や「一括見積もりサイト」などのポータルサイトに頼ってしまいがちですが、あまりお勧めできません。
その理由は、こういったポータルサイトの多くはIT関連会社が運営しており、「お墓のプロ」ではないからです。
墓石工事の契約成立時に一定の手数料を支払うという条件でサイトに登録した石材店を紹介しているのであって、実際に良い石材店かどうかを厳選しているわけではありません。
では、次のような石材店の選び方ならどうでしょうか?
- テレビのCMなどでよく見かける大手石材店
- 地元に古くからある老舗石材店
- 墓地の近くにある石材店
- 家の近くにある石材店
これらも、「石材店選び」の基準としては必ずしも正しいとは言えません。
大手石材店、老舗石材店だからといって、すべてがいいとは限りません。
墓地の近くにある石材店というのは、「行きやすいから」という理由だけで選んでいるのではないでしょうか?
観光名所の付近に軒を連ねている土産物店でお菓子を買うのとはわけが違います。
また、日々の買い物をするスーパーやコンビニじゃないので、家から近くの石材店である必要もありません。
私は、事あるごとに「お墓選びは石材店選び」と言い続けてきました。
そのくらい、石材店選びは重要です。
ただし・・・
- 「○○があるから、この石材店にお願いしたい」
- 「○○が良いから、ここにしよう」
といった、明確な理由と根拠を持って「石材店選び」をしなければ意味がありません。
さて、次はいよいよ“10分でわかる!満足できるお墓と石材店の選び方”をご紹介いたします。
まとめ/10分でわかる!満足できるお墓と石材店の選び方
ここまでは、基本的なお墓の選び方について、様々な観点から、ごくごく簡単にお話しさせていただきました。
しかし、お墓選びは極論すれば「石材店選び」に尽きます。
後悔しないお墓をつくるためには、それしか方法はないと言っても過言ではありません。
家族のよりどこであるお墓の満足度は、石材店選びで変わります。
でも、具体的にどうすればいいのかわかりませんよね。
そこで、一般社団法人日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」資格を有する、私、能島孝志が、満足できるお墓と石材店の選び方に関する記事を以下のページにまとめました。
普通に読めば10分程度で読める内容です。
じっくりと読めば、もう少しかかるかもしれません。
「えっ!読むのに10分もかかるの?」と言われるかもしれませんが、お墓は何十年、もしかすると百年以上と長く使うものです。
そして、決して安い買い物ではありません。
そのためなら、10分なんて短い時間だと思ってください。
お墓は一生に一度購入するかどうかの買い物であり、買い替えがきくものではありません。
面倒だと思わずに、最後まで読んでくだされば、きっとあなたのお墓選びのヒントになるはずです。
おなたが素晴らしい石材店と出会い、心から満足のいくお墓ができることを願ってやみません。
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