天山石墓石の価格差の真実|等級・品質・流通のすべてがわかる完全ガイド

NHKやテレビ朝日「マツコ&有吉の怒り新党」など、多くのメディアで紹介された、神戸市兵庫区の株式会社第一石材です。
「お客様にとって、正直で信頼できる石材店であること」を信条に、(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」能島孝志が、あなたのお墓づくりを心を込めてお手伝いします。
のじま
「国産の石でお墓を建てたい」というご要望をいただいたとき、石材店によっておすすめする石が違います。
関西方面では圧倒的に「大島石」が多いのではないでしょうか・・・
そんな中で、私が自信を持っておすすめするのが佐賀県産の「天山石」です。
その理由は、
- 硬い
- 水を吸わない
- 変色しにくい
という、「理想の墓石材3条件」をすべて兼ね備えているからです。
ところが、この天山石がこのところ、ブランド化によるランク分けなどで大きく様変わりしています。
つまり、「天山石」といえども、色目や石目は大きく異なり、価格も違うということです。
同じ「天山石」でも等級やランクによって価格に大きな差が生まれています。
この記事では、天山石の品質・価格・流通のすべてを徹底解説いたします。
天山石でお墓づくりを考えている方には必見の内容です。
読み終わる頃には、あなたも天山石選びのプロになっているはずです(笑)
目次
1.天山石の採石場現地取材|理想の墓石材3条件を満たす九州の銘石
まずは天山石がどのような石なのか、その特徴と優れた品質について詳しく見ていきましょう。
実際に採石場を訪問して分かった天山石の魅力をお伝えします。
1-1.天山石採石場での現地取材
いいお墓を提供するには、まずは素材である石をよく知っておく必要があります。
お寿司屋さんが自ら魚市場に足を運ぶのと同じです。
そこで私は、2019年11月に天山石の採掘元である天山石材株式会社さん(田中義人社長)の採石場を直接訪問し、現地で詳しく取材してまいりました。
1-2.理想の墓石材3条件を兼ね備えた石「天山石」の歴史と特徴
佐賀県唐津市七山の天山~背振山系の山奥で産出される九州屈指の銘石「天山石」。
その歴史は古く、江戸時代の初め、1602年~1608年にかけて築城された唐津城の城壁にも、この天山石が使われています。
しかし、お墓の材料として本格的に採掘が始まったのは、1970年(昭和45年)代からと、国産の墓石材としては比較的新しい石種なのです。
天山石は玉石状の形で採掘されるため、多くの墓石材のように岩盤から切り出されるというよりも、山肌からはがし取るといったイメージです。

▲玉石状の形で採掘される天山石
ただ、「はがし取る」と言っても、巨大な石ですので簡単な作業ではありません。
写真で人と大きさを比べると、いかに大きな石であるかがわかります。
西日本で圧倒的な人気を誇る「庵治石」や「大島石」と比べると、少し紫色がかった重厚感のある濃い深みのある色目が特徴です。
そして、天山石の最大の特徴は、何といっても“0.059%”という、「浮金石」「備中青みかげ」に次ぐ国産墓石材の中で第3位の極めて低い吸水率です。
ただし、岩石分類上、浮金石は黒みかげ石系の「斑レイ岩」、備中青みかげは深緑系の「閃緑岩」に分類されます。
そのため、通称“白みかげ石”や“青みかげ石”と呼ばれる「花崗岩」の中では天山石が最も低い吸水率ということになります。
そのため、降雨後の水シミもほとんどなく、変色には無縁の石と言えるでしょう。
それに加え、硬い圧縮強度と曲げ強度を誇り、表面剥離や風化にも強く、艶持ちもよく、50年近く経過した石でも輝き続けています。
- 硬い
- 水を吸わない
- 変色しにくい
という、墓石に使用する石の「理想の3条件」のすべてを兼ね備えたのが天山石なのです。
庵治石や大島石と比べても、重厚感ある深い色味が天山石の大きな魅力。
見た目も格好いいですよ!
のじま
1-3.いったいどこまでが「天山石」なのか?混乱する流通事情
元来より、「天山石」は、天山石材株式会社さん(田中義人社長)と、隣接するもう1社、有限会社田中直実石材さん(田中直実社長)の2社の採石場のみで採掘されるものだけのはずなのですが・・・
しかし、実際に消費者のもとに流通される際にはどうも違うようです。
天山石が産出される天山・七山・背振山系には、天山石以外にも「七山みかげ」「富士みかげ」などの良質の石材が産出されます。
いずれも、一見すると天山石と色目や石目もよく似ています。
おそらく、一般消費者では区別がつかないでしょう。
また、見た目だけではなく、品質も天山石に負けず劣らず硬質で吸水率の低い良質な石材なのです。
実は、これらの石も「天山石」として市場に流通しているのです。

▲「七山みかげ」「富士みかげ」=「天山石」なのか?
実際に、私たち石材店向けに販売されている墓石用石材カタログにも、「七山みかげ・富士みかげ=天山石」のごとく掲載されています。
類似の石が「天山石」として流通されていることの是非についてはともかくとして、一般消費者にとってまぎらわしいことは事実です。
天山石に負けず劣らずの高品質の石なら、本来の名前で販売すればいいのではと思うのですが、そうはしない業界事情があるのです。
1-4.類似石種が「天山石」として販売される理由
「七山みかげ」や「富士みかげ」が天山石として販売される理由はただ一つです。
他社との競合に勝つためだけが目的なのです。
「天山石」として販売する方が売りやすいということです。
いわゆるブランド力ですね。
「七山みかげ」や「富士みかげ」の方が、天山石より価格が安いのです。
つまり、天山石の墓石で他社と相見積もりになったときに、七山みかげや富士みかげを「天山石」として販売することにより安価で提案できるということです。
似てるからって”なんちゃって天山石”にされる「七山みかげ」もちょっとかわいそうですね(笑)
のじま
2.「天山石」の等級・ランクと品質の関係性
天山石には等級やランクがありますが、実際の品質とはどのような関係があるのでしょうか。
ここでは等級・ランクの本当の意味について解説します。
2-1.等級・ランクと実際の品質は無関係
最初に申し上げておきますが、天山石の等級・ランクと実質的な石の品質とは関係ありません。
最高ランクの天山石も、最低ランクの天山石も、高品質の石材であることに変わりありません。
違うのは見た目だけなのです。
具体的に言えば、色の濃さと石目の細かさの違いです。
色が濃くて、石目が細かくなるほどランクが上になります。
見た目は気にしないというのなら、低いランクの天山石を選ばれるのも一つの方法かもしれません。
2-2.採石元による違いと価格設定
天山石材株式会社さんと有限会社田中直実石材さんの天山石では、極めて良い石に当たれば天山石材さんの天山石の方が濃い色である確率が高いでしょう。
しかし、石は天然のものだけに、それも絶対とは言えません。
「良い石に当たれば」の話です。
価格は、天山石材さんの方が高く、田中直実石材さんの方が若干安めに設定されています。
天山石としての優れた品質は、どちらも同じですので、どちらを選ぶかは人それぞれ好みもあるでしょうし、石材店の取引状況にもよります。
いずれにしても、その時々で石の色目や石目が異なるということです。
きれいな天山石を入手できるルートを石材店が持っているかどうかも重要ですね。
3.天山石材産「天山石」の等級・ランク詳細解説
天山石材株式会社さんが導入した機器測定による等級分けについて、各ランクの特徴と注意点を詳しく見ていきましょう。
3-1.機器測定による等級分けの導入
近年、天山石材株式会社さんでは、人の目による品質管理だけではなく、色を測定する機器を用いて測定したデータによる天山石の等級・ランクを分類しております。
つまり、色を測定する機器を使って石の色目の濃さを判別し、等級・ランク分けをしているのです。
色を測定する機器を用いての等級・ランク分けに関しては賛否両論がありますが、このように分類された天山石材産天山石が石材商社や加工業者を通じてお客様のもとに届けられています。
これにより、これまで天山石材産の天山石の中でも上級ランクとして流通していた原石が、最高ランクの「紺碧(こんぺき)」とそれに次ぐ「銀剛(ぎんごう)」に分けられました。
そこから外れたものが「万葉(まんよう)」や、ランクのない天山石として販売されています。
3-2.天山石「紺碧(こんぺき)」の特徴と注意点
天山石の中でも、より青みの強い石を選りすぐり、色を測定する機器による判別でも合格した天山石のプレミアム最高級原石「紺碧」です。
ただし、計測するのは石の表面だけです。
石は自然のものだけに、切ってみないとわかりません。
玉ネギやジャガイモも、外から見ればきれいな状態でも、いざ切ってみると中が傷んでいるものもあります。
また、見た目は素晴らしい霜降りの神戸ビーフであっても、たいして美味しくないものもあります。
大間のマグロだからといって、すべてが美味しいわけではありません。
良い石に当たれば最高の天山石であることには間違いありませんが、「紺碧」を選んだからといって必ずしも希望通りの石に当たるとは限らないのです。
そこのところを覚悟して選ぶ必要があります。
高級ブランド品を買うようなイメージで「紺碧」を選ぶのはやめておくべきです。
天然素材に「絶対」はないのですから。
のじま
3-3.天山石「銀剛(ぎんごう)」の位置づけ
天山石「紺碧」と比較すると色目はやや薄く感じますが、正真正銘の天山石の高級原石です。
色を測定する機器を用いて天山石の等級・ランク分けがされる前までは、「紺碧」「銀剛」という区別なく流通していました。
その時であれば、運が良ければ今でいう「紺碧」並みの濃い色目の石に当たることもありましたが、「紺碧」が登場した今では、「銀剛」で極めて濃い色目の天山石を求めることは難しいと言えるでしょう。
ただ、「紺碧」より色が薄いといっても、大島石よりは濃い色目となります。
3-4.天山石「万葉(まんよう)」の実態
「紺碧」「銀剛」クラスとしては出荷できない石を、「万葉」という名称で設定された比較的廉価な天山石です。
また、前述の類似石種として紹介いたしました、天山石の採石丁場の近隣で採掘される「七山みかげ」の一部も、業務提携により「万葉」として販売されています。
つまり、七山みかげは、「七山みかげ」として販売されるものもあれば、「天山石」として販売されるものもあるということです。
ついに、石材業界も「OEM(オーイーエム)」の時代に突入か。
いずれにしても、消費者にとっては、ますますもってまぎらわしいことは事実です。
3-5.ランクのない天山石
「紺碧」「銀剛」「万葉」として出荷できない石も、天山石として安価に出荷されています。
天山石としての優れた石質は銀剛と同様のものを備えていますが、見た目に課題があるため格安で提供されているのです。
具体的には、石の色が白すぎるもの、石の模様の混ざりが均一でないもの、一部に黒い筋が入っているものなどです。
性能面では何ら問題ありませんが、外観上の理由でランク外とされた石材です。
見た目にこだわらず、天山石の優れた品質を求める方にとっては、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢と言えるでしょう。
4.高いランクの天山石を選んでも失敗する理由
高級な天山石を選んでも、必ずしも美しい墓石になるとは限りません。
その理由と加工技術の重要性について詳しく解説します。
4-1.ランクだけでは美しい墓石にならない現実
これまで、天山石の種類や等級・ランク、「天山石」として販売させている類似石種について説明してまいりました。
では、等級・ランクの高い天山石を選べば美しくきれいなお墓になるのでしょうか。
答えは「NO!」です。
それも、絶対に「NO!」です。
その理由としては、日本国内に流通している天山石の墓石の大半は中国でつくられているからです。
「国産墓石なのに中国でつくっている?」と不思議に思われた方もいるでしょうが、今や天山石だけにとどまらず、ほとんどの日本の石は中国で加工されているのです。
つまり、日本で採れた石を中国に輸出し、現地の石材加工工場で完全な墓石として加工し、再び日本に輸入されているということです。
俗に言う「中国加工の国産墓石」です。
4-2.中国の石材加工技術の限界
中国の石材加工技術では、本当に美しくきれいな天山石の墓石はできません。
それは、天山石特有の加工の難しさに加え、中国人と日本人のモノづくりに対するこだわりの違いによるものです。
ひとつは、天山石の優れた特長でもある艶持ちの良さです。
長い年月を経過しても、磨き上げた艶が保たれるといいますが、それはあくまでもきちんと磨き上げられてこそであって、研磨精度の悪い中国では決して艶持ちが良いとは言い難いでしょう。
また、天山石は切る方向によって石目が大きく異なるため、石目をきちんとそろえてつくる「天目(てんめ)取り」という工法をもってつくらないと、遠めから見ると石目や色目が違って見えます。
まるで、パッチワークのような感じです。
4-3.日本の加工業者でも技術力に差がある
では、日本の加工業者の手で加工すれば問題ないかというと必ずしもそうとは言えません。
磨きの技術は中国より上だとしても、加工に手間が掛かり原石の歩留まりが悪くなる「天目取り」の工法を用いて天山石を加工している工場となると、日本国内でもほんのごくわずかです。
高級食材を買ってきて家で調理しても、最高の料理に仕上がらないのと同じです。
素材の良さも重要ですが、つくり手の技術力があってこその等級・ランクであることを知っておくべきです。
のじま
5.失敗しない天山石選びの完全ガイド
ここまでの内容を踏まえて、実際に天山石を選ぶ際のポイントと注意点をまとめました。
後悔しない墓石づくりのために重要な情報です。
5-1.石材店の専門知識と経験を見極める
天山石選びで最も重要なのは、信頼できる石材店を選ぶことです。
天山石の特性を深く理解し、適切なアドバイスができる石材店かどうかを見極めましょう。
具体的には、
- 天山石の特性について詳しく説明できるか
- 等級・ランクの違いを正しく理解しているか
- 加工の重要性を認識しているか
などをチェックしてください。
天山石の墓石の取り扱い件数が豊富な石材店であれば、より深い知識を持っていると考えられます。
5-2.加工技術と工場との関係性
天山石の美しさを引き出すには、優れた加工技術が不可欠です。
石材店が信頼できる加工工場と提携しているか、特に「天目取り」工法に対応できる技術力があるかを確認しましょう。
可能であれば、墓地や霊園等で施工事例を見せてもらい、仕上がりの品質を確認することをおすすめします。
中国加工と日本加工の違いについても、具体的に説明してもらいましょう。
5-3.原石確認とアフターサービス
天然石である以上、同じランクでも個体差があります。
可能な限り、実際に墓石として使用する原石の状態を確認する機会を設けてもらいましょう。
また、天然石の特性や個体差について事前に十分な説明を受け、理解した上で選択することが大切です。
信頼できる石材店であれば、石の特性や仕上がりのイメージについて、豊富な経験に基づいた適切なアドバイスをしてくれるはずです。
6.まとめ|天山石は石材店選びが成功の鍵
いかがでしたでしょうか。
ひとくちに「天山石」といっても、奥が深いことをご理解いただけましたでしょうか。
色目や石目などの見た目を気にせず、優れた石質というだけで天山石を選ぶのなら簡単ですが、「見た目も大事」となると、かなり難しい石であることは間違いありません。
それを望まれるのなら、天山石に精通している石材店を選ぶしかありません。
なおかつ、石材加工工場と密接な関係があることが重要です。
私たち第一石材では、数多くの天山石の墓石を手掛け、特性を深く理解しています。
また、「天目取り」工法に対応できる信頼できる加工工場と長年にわたって提携しており、美しい天山石の墓石を提供できる体制を整えています。
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
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