お墓の中に水が入ることが消費者にバレない理由
こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。
(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。
のじま
あんまり良い話ではありませんが、実は、お墓のカロート(納骨室)の中には水が入ります。
えっ!信頼できる石材店でお墓を建ててもらったので、そんなはずはないかと思います。
木村さん
木村さんだけではなく、多くの方がそう言われますが、全国のほとんどの地域のお墓は、カロートの中に水が入ってしまう構造なのです。
ひどい場合には、カロートの中に水がたまり、お骨がプカプカと浮いていることもあるのですよ。
のじま
そんなひどいことになるなんて、石材店から聞かされていませんが・・・
木村さん
でも、本当なのです。
しかし、実際に、この事実を知っている消費者は、ほんの一握りです。
ほとんどの方は何も知らずに、お墓参りをしています。
どうして、こんな大事なことを、なぜ消費者は知らないのでしょう?
また、どうしてバレないのでしょうか?
理由は簡単です。
石材店があえて消費者に言わないからです。
それって、どういうこと!?
「1級お墓ディレクター」の能島さん、納得がいくように説明してよ!
京ちゃん
あら!?
お墓大好きの京ちゃんでも知らないことがあるんですね。
のじま
それでは、お墓の中に水が入る理由から順に説明させていただきます。
そして、解決方法についてもお伝えしますので、これからお墓を建てる方にとっては極めて重要なことですので、しっかりと覚えておいてください。
目次
1.お墓の中に水が入る理由?
全国のほとんどの地域のお墓は、カロート(納骨室)の中に水が入ってしまう構造です。
大手石材店で購入したお墓であろうが、地元の老舗石材店で建ててもらったお墓であろうが関係ありません。
石材店の立場としては、「仕方がないこと」として済まされてきた事実なのです。
ひどいときには、カロートの中に水がたまり、骨壺が水没してしまい、お骨がプカプカと浮いていることもあります。
どうして、「仕方がないこと」ってなるわけ?
京ちゃん
それには、次の3つの大きな理由があります。
(1)簡単に納骨できる構造
その昔の、土葬の時代のお墓は一人ずつの「個人墓」や、夫婦単位の「夫婦墓」でした。
しかし、近年のお墓は「○○家之墓」といった、家族単位のお墓です。
複数の方が入るお墓ということですね。
そうなると、お骨を納める作業は一回限りではありません。
次に亡くなられた方の納骨があるというわけです。
お骨をお墓に納める際には、重い石を動かさなければなりません。
それも、重機を使ってではなく、ご家族や僧侶等の前で石材店のスタッフが、1人で比較的簡単に納骨作業が行える構造である必要があります。
たしかに!
亡くなった母の納骨のときも、石材店のスタッフが1人で石を動かしていました。
木村さん
それゆえに、カロート(納骨室)の入り口をボンドなどの接着剤でガチガチに固定することはできないのです。
つまり、簡単に開け閉めできる構造になっているため、石の隙間からカロート内に水が入り込んでしまうというわけです。
(2)芝台が「四ツ石」構造
お墓の中に水が入るは、芝台が四ツ石構造であることも理由の一つです。
芝台?四ツ石?何それ?
京ちゃん
いきなり聞き慣れない言葉が出てまいりましたね。
「芝台」とは、3段、4段と積み重ねられたお墓の一番下の石のことで、和型墓石にも洋型墓石にもあります。
別名、「四ツ石(よついし)」とも呼ばれています。
「四ツ石」の名前の由来は、上の写真のように4つの部材に分かれているからです。
そして、四ツ石の下には、大切なお骨を納めるカロート(納骨室)があります。
- 4つの部材を組み合わせているということは、つなぎ目があります。
- つなぎ目があるということは、隙間があります。
- 隙間があるということは、水が入ってしまうということです。
水が入るのがわかっているのなら、「四ツ石」の構造にしなきゃいいのに・・
京ちゃん
これにも理由があるのです。
のじま
なんでもかんでも都合のいい理由があるもんですね!
京ちゃん
耳が痛いですが、その理由とは「コスト」です。
のじま
一塊の無垢材の石の真ん中をくりぬくと、上の写真の赤枠部分の石が無駄になってしまいますが、四ツ石にすることで、コストダウンできるというわけです。
お墓の中に水が入ってしまうのなら、別にコストダウンなんかしてほしくありません。
少々値段が高くなってもかまいません。
木村さん
消費者の立場からすりゃ、そう思われるのは当然ですね。
のじま
木村さんと京ちゃんから、きびしいご指摘がありましたが、芝台が四ツ石構造であることこそが、カロート(納骨室)の中に水が入ってしまう原因の一つでもあるのです。
(3)墓地での運搬上の問題
芝台を「四ツ石」にしている理由は、コストダウンだけではありません。
それ以外に、運搬上の理由もあるのです。
お墓に使用する石は、皆様が想像しているより重いものなのです。
墓地で普通に見かける、高さ1mちょっとのお墓でも500㎏ほどの重量があります。
そんな重い石を墓地まで運ばなければなりません。
トラックや重機を使えば簡単じゃない!
京ちゃん
たしかにその通りです。
しかし、すべての墓地がトラックが入れるところばかりじゃありません。
中には、人が一人通れるほどのけもの道しかなない墓地もめずらしくないのです。
のじま
そうなると、すべて人力で運ばなければなりません。
それゆえに、お墓はいくつかのパーツに分けられています。
先ほどの、四ツ石構造の芝台もその一つです。
四ツ石にせずに、一塊の石でつくった芝台にすれば継ぎ目がないので、少なくともそこからの水の侵入は防げますが、お骨を納める入口からも水が入るので完璧とは言えません。
このような3つの大きな理由から、お墓のカロート(納骨室)の中に水が入ってしまうのです。
お墓の中に水が入る3つの理由についてはわかったけど、なんか納得いかないんだよね。
どれもこれも、石材店側の都合のいい理由にしか思えないんですけど・・
京ちゃん
私も、京ちゃんと同感です。
木村さん
返す言葉もございません。
のじま
2.入るのは水だけではない
実は、お墓のカロート(納骨室)の中に入るのは水だけではないのです。
はあ!?
京ちゃん
他に何か入るというのですか?
木村さん
水が入る隙間があるということは、虫も入るのです。
のじま
お墓の中には、クモやムカデなどは、ごく当たり前にいます。
ときには、ミツバチやスズメバチが巣を作っていたりもします。
お墓のカロートの中は、暗くてジメジメしていて、外敵から襲われる心配がないので、虫たちにしてみれば格好のすみかなのです。
そんな環境の中で母が眠っているかもしれないと、想像するだけで胸が痛いです。
木村さん
・・・・・・・・・
のじま
3.石材店がわざわざ言わない理由?
全国のほとんどの地域のお墓は、カロート(納骨室)の中に水が入ってしまう構造です。
また、水だけではなく虫も入ります。
そして、この事実は石材店なら誰でもが知っていることです。
石材店の社長だけではありません。
営業マンも職人さんたちも知っています。
石材店関係者なら誰でもが知っている事実なのです。
知らないのは消費者だけというわけです。
私、だんだん怒りを覚えてきたわ・・
京ちゃん
石材店をかばうわけじゃないですけど、悪意があって言わないわけじゃないんです。
のじま
じゃあ、どんな理由があるのですか?
木村さん
お墓の中に水が入ることに関しては、これといった解決方法がなかったので、石材店もあえて言わないで済ませてきたというわけです。
たぶん納得されないでしょうが、正直に事実を伝えたところで解決方法がないので、「仕方がないこと」として、今日まで続いているということです。
4.何故!消費者にバレないのか?
お墓の中に水がたまっていることや、虫のすみかになっているかもしれないという事実を、ほとんどの消費者は知らないのです。
石材店があえて言わないというのもありますが、言葉は悪いですが、意外と「バレない」ということです。
その理由は、お墓参りに行って、わざわざお墓の中を確認する人なんて、そうそういないからです。
でも、納骨の際にはお墓の前を開けるのでわかるんじゃないですか?
木村さん
木村さん、たしかにその通りなんですけど、納骨のときには問題がないように、石材店が納骨日までに事前に確認をしているのです。
のじま
いったい、どういうカラクリなの?
京ちゃん
石材店のスタッフが、納骨日の前日や当日早くに、お墓の中を開けて点検するのです。
- 水がたまっていたらくみ出す。
- 骨壺がひっくり返っていたら元通りにする。
- クモの巣を取り除く。
など、カロートの中をきれいな状態にしたうえで納骨日を迎えるというわけです。
当日、お施主様とお寺様などを前にしながら、「今日は好天に恵まれて良かったですね」なんて通り一遍の挨拶をし、何事もなかったかのように納骨を行うというわけです。
なんか、すごい腹が立ってきたんですけど・・・
京ちゃん
京ちゃんの腹立たしい気持ちはよくわかりますが、石材店としても悪意があってやっているわけではないのです。
これといった解決策がなかったので、せめてもの気持ちで事前にきれいにしているだけなのです。
のじま
でも、その後も水が入るのなら、あまり意味はないですよね。
木村さん
・・・・・・・・・
のじま
5.もし消費者が知ってしまったら?
お墓に納骨をする際には、ほとんどの場合、石材店が立ち会います。
それゆえ、前述のように、事前に石材店がお墓のカロートの中をチェックできるのです。
しかし、石材店に頼むと費用が掛かるという理由から、近年ではご自分で納骨作業をされる方も少なくありません。
そうなると、石材店としても事前のチェックができません。
ご家族で力を合わせてお墓の石を動かし、開けたとたんにビックリ!
カロート(納骨室)内の現実を目の当たりにすることになるのです。
カロート内に水がたまっている状態を見て、平気な人はほとんどいないでしょう。
そりゃそうです。私なら、先ずは石材店に現状を話しますね。
木村さん
しかし、石材店に話したところで、構造上の問題なので根本的な解決方法はありません。
のじま
おおむね、石材店の回答は次のような感じです。
- 墓石の構造上、多少の水が入るのは仕方がないのです。
- 昨日まで雨だったので水がたまっていますが、時間が経てば自然と抜けていきます。
- お骨が土に還るには、多少の水が必要なのです。
(関西では「お骨を土に還す」という考え方のもと、骨壺から出して納骨する)
こんな適当な回答で、消費者が納得するとでも思っているわけ!?
京ちゃん
おっしゃる通りです。
しかし、恥ずかしながら、かつては私もそのように言っておりました。
のじま
6.水が入らないお墓はないのか?
ここまで、全国のほとんどの地域のお墓は水が入ってしまう構造であることや、その事実を石材店はわざわざ消費者に言わない理由についてお伝えしてきましたが、多くの方が最も知りたいのは解決方法かと思います。
結論から申し上げますと、解決方法はあります。
あるなら、さっさと教えてよ!
京ちゃん
それは、当社第一石材が開発した、特許・実用新案登録の独自構造墓石である“納骨室に水が入らないお墓”「信頼棺®」です。
「なんとしても、水が入らないお墓が欲しい」という、お客様の声をきっかけに開発したお墓です。
「信頼棺®」は、お墓の中に水が入らないだけではなく、虫の侵入も完全シャットアウト。
そして、地震にも強い段違いの強度を誇る構造となっておりますので、長期間に渡る修理不要の、極めて耐久性に優れた墓石です。
「信頼棺®」は、従来の和形墓石だけではなく、洋型墓石やデザイン墓石など、あらゆる形のお墓に対応できます。
また、新たに建てるお墓だけではなく、今あるお墓を「信頼棺®」仕様にリフォームすることも可能です。
じゃあ、うちのお墓も「信頼棺®」にリフォームしてもらうよう、建ててもらった石材店にお願いしてみます。
木村さん
ちょっと待ってください。
たしか、木村さんところのお墓を建てたのは○○石材店さんでしたよね!
申し訳ありませんが、○○石材店さんでは、「信頼棺®」へのリフォーム工事はできないのです・・
のじま
「信頼棺®」は、特許・実用新案登録構造につき、私ども第一石材と契約を交わした、全国の限られた石材店さんでしか取り扱いできません。
ご面倒でも、「信頼棺®」正規取扱店までご相談ください。
これから新たにお墓を建てられる方は、カロート(納骨室)の中に水が入らない構造のお墓を建てることができる石材店かどうかを先に確信しておく必要がありそうですね。
7.まとめ
今回の記事は、日本全国のほとんどの地域のお墓は、カロート(納骨室)の中に水が入ってしまう構造であることや、その事実を石材店が言わない理由についてお伝えしてまいりました。
石材店の立場としては、これといった解決方法がないまま、「お墓はこんなもの・・」という感じで、慣習的に済ませてきましたが、消費者には理解できることではありません。
お墓のカロートは、言うなれば亡き人の寝室です。
私たちが日頃寝ている寝室が雨漏りしているとしたら、どうでしょうか?
「雨が止めば、雨漏りも収まる」で納得されるでしょうか?
きっと、納得されないはずです。
とりあえずは、ブルーシートか何かで応急措置をしたらすぐに、ハウスメーカーや工務店に連絡するはずです。
現代人にとって、家の雨漏りや虫の侵入は、それほど嫌なものなのです。
では、亡くなった人なら良いのでしょうか?
文句も言わないので、かまわないのでしょうか?
おそらく、そんな想いでお墓を建てた人なんて、ほとんどいないはずです。
石材店は「仕方のないこと」で済ませても、消費者には通用しません。
「バレなけでばよし!」ではないのです。
大切な人のお骨が、水びたしになっているとしたら、あなたは耐えられますか?
私たちに30分の時間をください!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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