神戸市営墓地にお墓を建てる際に最も気になる墓石の価格と品質

神戸市では例年、神戸市民を対象に神戸市立墓園の募集を行っています。

 

近年は、遺骨がなくても申し込みができるようになったので、生前にお墓を建てることが可能になりました。

 

運よく当選すれば、次はいよいよ墓石選びです。

 

神戸市営墓地は民営霊園と違って墓石を購入する石材店を自由に選べます。

しかし、墓石なんて過去に買ったことがないので何を基準に選べば良いのかわからない、という方がほとんどでしょう。

 

「予算は気にしない」というのなら、いくらでも良いものを選べるのでしょうが、そんなわけにはいきませんよね。

 

そこで、今回の記事は、神戸市営墓地にお墓を建てる際に最も気になる、墓石の価格と品質についてお伝えしたいと思います。

 

1.墓石の価格・費用の相場

いざ、お墓を建てるとなったときに、多くの方が気になるのが墓石の価格や相場でしょう。

 

墓石業者の全国組織「一般社団法人全国優良石材店の会」（略称・全優石、会長・吉田剛、事務局・東京都品川区）が実施した「2019年版お墓購入者アンケート調査」によると、全国平均墓石建立費は160.7万円となっています。

墓石の価格は、墓地の広さによって大きく違ってきます。

 

神戸市営墓地の平均的な広さは3㎡～4㎡ですので、墓石の平均価格もちょうどこの全国平均墓石建立費の160.7万円位に当てはまるのではないかと思います。

もちろん、これより高い値段の墓石を選ばれる方もいますし、もう少し安価な価格帯を望まれる方もいます。

墓石の価格は、石の種類、墓石の大きさや構造、そして、工事・施工方法によって変わってきます。

 

当然のことですが、広い墓地を選べば墓石に使用する石の量が増えるので費用も多く掛かります。

 

2.墓石のどの部分にお金をかけるか

無尽蔵に予算があるのならともかく、限りある予算をどこにかけるかです。

 

すでに決まっているのが、神戸市営墓地の墓地代です。

3㎡墓地なら72万円、4㎡墓地なら96万円、6㎡墓地なら150万円です。

そうすると、残りが墓石の費用になります。

 

では、墓石の選ぶ際には、どの部分に費用をかけるのかを見ていきましょう。

 

2-1.墓石に使用する石材

墓石に使用する石には、国産の最高級石材から中国産の安価な石までピンからキリまであります。

 

「せっかくなら国産の石で建てたい」という方も少なくありません。

では、国産の石でなければダメなのかというと、そんなことはありません。

外国産の石でも良い石は数多くあります。

 

いずれにしても、長く使うものだけに、経年劣化がしにくく耐久性に優れた石を選ぶことが大切です。

そして、石に予算をかければかけるほど、他に回す予算が少なくなるということです。

 

また、値段の高い石を選んだからといって良い墓石ができるとは限りません。

山から切り出した原石を、どのように墓石に加工するかによって出来栄えが大きく違ってきます。

 

良い素材で作った料理であっても、必ずしも美味しいとは限らないのと同じです。

 

2-2.墓石の加工

加工地によっても品質や価格が異なります。

 

日本で墓石をつくるか、中国を中心とする海外でつくるかです。

今や、日本の市場に流通している80％以上の墓石が中国でつくられています。

 

どちらが良いのかと言えば、もちろん日本でつくる方が断然良いと言えます。

 

それならば、「安心できる国産の墓石にしておこう」という方もいますが、安心は禁物です。

なぜならば、国産墓石として販売されている墓石の大半は中国の石材加工工場でつくられているからです。

つまり、日本の石を大量に中国に送り、現地で完全に墓石として加工された製品を再び日本に輸入しているのです。

 

加工の善し悪しで墓石を選ぶのなら国内加工しかありません。

 

それも、石が産出される産地周辺に集まっている、墓石の加工を専門としている産地加工工場が最も高い技術力を誇ります。

関西方面なら、日本三大石材加工地の一つである、香川県高松市の「庵治・牟礼（あじ・むれ）」の加工ならひとまず安心ですね。

 

「庵治・牟礼」は、世界で最も高価な墓石材である「庵治石細目（あじいしこまめ）」が産出される町として有名です。

 

お求めやすい中国産の墓石を選ぶとしても、100箇所以上ある中国の石材加工工場の中ならどこを選ぶかによって、加工技術は天と地ほど違います。

 

やはり、お墓も料理も作り手の腕次第ということです。

良い素材を選ぶことも重要ですが、加工の善し悪しについても考えておく必要があります。

 

2-3.墓石の構造

多くの消費者が意外と見落としやすいのが墓石の構造です。

 

石の種類やデザインは気にされるのですが、意外と墓石の構造にはあまり関心がないようです。

関心がないというより、わからないと言った方が正解かもわかりませんね。

 

しかし、墓石の構造こそが何よりも重要なのです。

 

お家とまったく同じで、お墓の構造は耐久性に大きく影響します。

 

また、私たちの地元である神戸市はもちろんのこと、関西方面のほとんどのお墓は、お骨を納めるカロート（納骨室）の中に水が入ったり、ハチなどの虫が侵入したりする構造ですので注意が必要です。

 

見た目は立派なお墓であっても、構造がしっかりしていなければ良いお墓とは言えません。

 

2-4.墓地での工事・施工

お墓の施工には、お家を建てるときに適用される建築基準法のような法律がありません。

それゆえ、どんな工事・施工をするかは業者ごとに違ってきます。

 

念入りに時間を掛け、「ここまでするか！」と言われるほど丁寧な施工をする業者もあれば、わずか一日二日の突貫工事であっという間にお墓を建ててしまう業者もあります。

 

その違いは、価格の差であったり、石材店の考え方による場合もあります。

 

特に基礎工事は重要です。

 

しっかりとした基礎工事をしておかないと、上の写真のようにお墓が傾いてしまうこともあります。

 

それに加え、いつどこで地震が起こっても不思議ではない地震大国である日本においては地震対策も不可欠です。

 

見積書には詳しい施工仕様が書かれていないことが多いので、どのような施工内容なのかをきちんと確認しておく必要があります。

 

3.まとめ

お墓の価格や相場がわかりにくいといっても、特に複雑なからくりがあるわけではありません。

良い石を使って、きちんとした加工や施工をすれば当然それ相応の価格になります。

 

お家やクルマと同じように、高いものから安いものまでありますが、購入経験がないだけにわかりにくいだけなのです。

それだけに、ついつい価格優先で決めてしまいがちですが、見積書や図面を見ただけではわからない「落とし穴」がありますので十分な注意が必要です。

 

値段の高いものを選ばないといけないというわけではありませんが、極端に安すぎるものに良いものはないと言えるでしょう。

これは、墓石に限らず、あらゆるものに当てはまることです。

 

限りある予算の中で、どこにお金を掛けるのかを迷った場合には、絶対「構造」と「工事・施工」です。

石はそこそこのものを選んでおけば問題ありません。

 

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