お墓・墓石の値段・価格を決める4つの要素
いざ、お墓を建てるとなったときに、多くの方が気になるのが値段・価格でしょう。
とは言っても、「お墓の値段や価格相場なんて、さっぱりわからない」という方がほとんどかと思います。
こんにちは。(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」の能島孝志です。
兵庫県神戸市で、“カロート(納骨室)に水が入らない特許構造墓石”『信頼棺®』を販売する、(株)第一石材の代表を務めさせていただいております。
のじま
お墓は一般消費者にとって、価格相場や品質がわかりにくい商品であることは確かです。
でも、価格に関してよくわからないのは、お墓だけに限りません。
- 高級外車
- 高級腕時計
- 幸福の壺
3つ目の幸福の壺は冗談ですが、何千万円もする高級外車や何百万円もする高級腕時計など、何を基準に価格設定がされているのか、さっぱりわかりません。
要は、自分自身に馴染みのないものや購入経験がないものは、よくわからないということです。
というわけで、今回の記事は、お墓の値段・価格を決める4つの要素についてお伝えしたいと思います。
目次
1.石の種類と量で値段が変わる
お墓の値段・価格を決める要素の一つとして、墓石に使用する石の種類と量が挙げられます。
これは、「すき焼き」や「しゃぶしゃぶ」に使う牛肉とよく似ています。
- 100g@3,000円の神戸ビーフ
- 100g@1,000円の鹿児島産黒毛和牛
- 100g@500円のアメリカ産などの外国産牛肉
これらの、どの牛肉を何グラム買うかによって、すき焼きやしゃぶしゃぶの材料費が変わります。
墓石に使用する石も、国産の最高級品から中国産の安いものまで数多くあります。
最も高いものと安いものでは10倍以上の値段の差があります。
また、墓地の広さによって墓石の大きさが違ってきます。
墓石が大きくなれば石の使用量が増えるので値段も高くなるということです。
広い墓地で、値段の高い石を用いて、大きな墓石を建てる。
これが、最も高額になるケースなのですが、お墓の場合、必ずしも高い値段のものが良いとは限らないのです。
かと言って、安すぎるものに良いものはないことは確かです。
2.お墓の形やデザインで値段が変わる
お墓は自然の石を切って磨いて、一つひとつ人の手でつくり上げていくものだけに、複雑な形になればなるほど加工に要する時間や手間が大きく異なります。
また、日本でつくるのか?中国でつくるのか?によっても価格が違ってきます。
それゆえに、デザイン墓石に見られるような、複雑な加工を多用した墓石の大半が中国でつくられています。
しかし、仕上がりの美しさは、断然日本の方が上です。
値段は少々高くなりますが、出来栄えは天と地ほど違います。
また、中国の急激な経済発展による人件費高騰の影響で、日本でつくる値段と少しずつですが縮まってきています。
複雑な加工を望まなければ、そう大きく異なることはありません。
- シンプルな形で加工技術の高い国内加工の墓石にするか?
- 加工技術よりも、凝ったデザインにしたいか?
どちらを選ぶかです。
3.お墓の構造や施工で値段が変わる
一見すると、同じように見えるクルマであっても、
- 同じで車種でも内装が違う
- 同じ車種でもエンジンが違う
など、実は異なるところがいっぱいありますよね。
いわゆる、グレードの違いです。
グレードが違えば、当然、価格も違います。
お墓も同じで、外からパッと見れば、石も形も大きさも同じように見えるお墓であっても、内部の構造や施工は大きく異なるのです。
- 納骨室に水が入らない構造
- 建築レベルの頑強な基礎工事
- 大地震に対応した耐震施工
などの違いがあるのですが、一般消費者には分かりにくいのです。
それゆえに、ついつい見た目の値段の安さにひかれがちです。
ただ、お墓は長く使うものだけに建てた後のことも考えるべきです。
- 石のランクを一つ下げても
- ワンサイズ小さくしても
- 形をシンプルにしても
構造と施工を重視したお墓にするべきです。
人間と一緒で、見た目も大切ですが中身はもっと大切なのです。
4.墓地の場所で値段が変わる
お墓の値段は、墓地の場所によって変わります。
墓地には、トラック等の重機の乗り入れが可能なところや、山上にあり、人しか通れないような獣道しかないような墓地もあります。
墓石に使用する石は、一般消費者が想像している以上に重いのです。
関西方面の標準的な大きさの「8寸2重台墓石」でも500kg以上あります。
このような重量物を墓地まで運ぶのに、重機が使えるのと、人力で運ぶしか方法がないのとでは時間も手間も大きく異なります。
お家などの引っ越しでも、エレベーターの有る無しで料金が異なるのと同じです。
また、トラックの乗り入れが可能な墓地であっても、停めるところは、霊園入口の駐車場だけという場合もあります。
問題は、そこから施工場所までの通路条件と距離です。
地域の村墓地(共同墓地)などでは、通路がないところも数多くあり、他家の墓所の間をまたぐようにして搬入せざるを得ない場合もあります。
これら、墓地の立地条件によっても、お墓の値段・価格が違ってくるのです。
5.まとめ
今回は、お墓の値段・価格を決める4つの要素についてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。
誰しもが、限りある予算の中でお墓を建てるわけですから、どの部分を重要視するかです。
見た目も素晴らしく、構造も施工も文句なければ最高なのですが、予算の限りがある以上、そういうわけにもいきません。
そうなると、何を重視するかです。
- とにかく国産の墓石で建てたい
- 他にはないデザイン墓石を考えている
- 大切な人のお骨が水びたしなんて耐えられない
人それぞれ、選ぶ観点は異なると思いますが、よく考えて絞り込んでください。
その他にも、いろんな要素があるのですが、先ずはこの4つを覚えておいていただき、満足のいくお墓選びに役立ててください。
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