石材店は決して教えない!お墓づくりで失敗しやすい時期
野菜や魚など、食材には「旬」あることはもちろんご存知かと思います。
実は、お墓づくりにも旬があるのです。
いわゆる、お墓づくりに適している時期か?そうでない時期か?ということです。
こんにちは。(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」の能島孝志です。
兵庫県神戸市で、“カロート(納骨室)に水が入らない特許構造墓石”『信頼棺®』を販売する、(株)第一石材の代表を務めさせていただいております。
能島
「そんなバカな!石に旬などあるはずがない」と言われそうですが、ホントにあるのです。
実際に、時期を誤ってお墓をつくると、とんでもない製品に当たる可能性があります。
それは、中国の旧正月と雇用形態に起因しています。
今や、日本の市場に流通しているお墓の80%以上が中国でつくられていることを考えると、これは見逃すことはできません。
では、具体的にどういうことなのかをご説明いたしましょう。
1.日本と中国の文化の違いによるお墓づくりの「旬」?
お墓の「旬」とは、中国の石材加工工場で墓石製品をつくる場合には、加工をする時期によって「当たり外れ」があるということです。
この「当たり外れ」が生じる背景には、日本と中国の文化の違いが大きく影響しています。
その一つが、中国の「旧正月(春節)」です。
中国は旧正月(春節)を重んじる特有の文化があります。
日本の近年のお正月と言えば、通常より休みが多いという程度のことですが、中国における旧正月(春節)は、一家の特別行事なのです。
旧正月(春節)は旧暦のため、毎年日付が変わります。
1月21日~2月20日の間のある1日を指します。
簡単に説明すると、上記の範囲内で“新月になる日”がこれに該当します。
ちなみに、2020年の旧正月(春節)は1月25日です。
2021年は2月12日、2022年は2月1日となっています。
旧正月(春節)における大晦日から元旦を迎え、15日間の全てが旧正月なのです。
中国の旧正月(春節)は、家族全員が一同に集まり年越しをお祝いするのです。
中国の石材加工工場に従事する行員の多くは、中国内陸部の貧しい地域からの出稼ぎ労働者です。
そのため、旧正月(春節)の時期には郷里に帰って家族と過ごすため、1ヵ月近くの休みを取るのが当たり前となっています。
その期間はもちろん工場も休んでいるところが大半です。
旧正月(春節)が近くなると、行員たちの多くは「心ここにあらず」で、どうしても、加工ミスなど製品精度に影響が多く出てくるのです。
加工ミスと言うよりは「こんなもんでいいんじゃない!」…と言う方が適切な表現かも分かりません。
すなわち、旧正月(春節)近くに中国で墓石の加工をすると、「当たり外れ」に遭う確率がかなり高くなるということです。
日本では考えられないことかもわかりませんが、これは、文化の違いなのでいたしかたありません。
2.納期と雇用形態に起因する製品のごまかし
中国の旧正月(春節)の時期は、日本では春のお彼岸前にあたるため、数多くの注文が集まる時期でもあるのです。
いくら旧正月(春節)が控えているといっても、納期には間に合わさないといけません。
しかし、石は自然のものだけに、様々なリスクが潜んでいます。
それが、上の画像の「タマ」です。
人間に、ホクロやあざがあるのと同じく、石にも「黒タマ」「白タマ」と呼ばれるタマがあります。
ホクロ程度の小さいものは許容範囲としても、ある程度の大きさになるとクレーム対象となりかねません。
また、このタマも、石を加工する前の原石状態のときに見えていれば取り除けば済むことですが、原石を切り、手間暇かけて磨き上げていった最後の最後の行程で比較的大きなタマが出ることもあるのです。
こんなとき、日本の一流工場なら、当然、別の原石を使って作り直します。
「一流工場」ならですよ!
ところが、中国の場合はちょっと事情が違ってきます。
本来ならば、新たに作り替えをしたいところだが、旧正月(春節)も迫ってきており日本の石材商社や石材店と交わした納期もあります。
それに加え、中国の石材加工工場で従事する行員の雇用形態の問題も絡んできます。
日本の石材加工工場に従事する石職人の雇用形態は、その他一般の職種と同様に固定給制度というのが基本です。
それゆえ、タマが出て作り替えようが賃金に影響ありません。
しかし、中国の石材加工工場の場合はこれとは異なり完全歩合給で、なおかつ旧正月から翌年の旧正月までの1年間の雇用契約とういう特殊な形態です。
例えば、9寸サイズの墓石の棹石を加工して検品に合格すれば「○○元」、8寸型の花立て1対を加工して検品に合格すれば「○○元」という具合です。
このように、中国の石材加工工場の場合は完全歩合制のため、製品が検品に合格してはじめて賃金となるのです。
つまり、加工途中にタマなどが出て、検品に不合格となった場合には、それまでにかかった時間は賃金として見てもらえず無給となるのです。
納期に間に合わせるためには、一銭のお金にもならない残業をしてでも作り直す必要があります。
そんな馬鹿らしいことをするくらいなら・・・ということで、熱処理や薬品などを使ってタマを目立ちにくくするごまかし加工をするのです。
これが、中国の石材加工で「ごまかし」が頻繁におこる原因なのです!
なんとかごまかして、検品にクリアすれば賃金になるからなのです。
3.定着しない中国の石材加工の行員
家族から遠く離れた地から単身赴任で、工場の汚い宿舎で暮らし、旧正月から次の旧正月までの1年間が工場との雇用契約期間です。
ひと昔前の、貧しい中国の時代なら我慢ができたかも知れません。
しかし、今では誰でもがスマホを持っているくらい中国も裕福になりました。
わざわざ家族から離れ、完全歩合制という不安な賃金形態で、“きつい” “汚い” “危険”という「3K」の職種を選ぶ必要もなく、家族のいる郷里で、建設・土木などの作業員として働く方を選ぶ者も多く、近年では、旧正月が明けても工場に戻って来ない石職人が数多くいます。
工場としても、これでは困るので、行員の賃金を上げたり、工場や宿舎の環境整備を図ったりと企業努力に努めていますが、日本と同じく石材加工の仕事を選ぶ人は少なくなりつつあります。
そのため、他の工場から行員の引き抜きをしたり、新たな行員の養成など、工場側もいろいろと策を講じていく必要があります。
それが、ちょうど旧正月(春節)明けの時期にあたるのです。
毎年、旧正月(春節)明けの3月から4月頃の人の入れ替わり時期は、製品精度に大きく影響が生じ、当たり外れが出やすいのです。
私が思うには、当たりより「ハズレ」の方が多いのですが・・・
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
お墓づくりで失敗しやすい時期しやすい時期があるのことをご理解いただけましたでしょうか。
お正月明けに石材店に行って、春のお彼岸に間に合わせるというのはかなり危険です。
石材店の営業マンは、「大丈夫!なんとか間に合わせます」と言うでしょう。
たしかに、間に合わせことはできるでしょう。
ただし、製品の良し悪しを問わなければですが・・・
当社では、毎年1月中旬から4月あたりまでは現状の把握に徹し、中国での墓石加工は行わないようにして「ハズレ」を回避しています。
消費者の方々は、このあたりの中国事情も踏まえて、お墓づくりを依頼をする石材店と時期を考える必要があります。
お墓は「ハズレ」が当たってしまうと次はありませんよ!
私ども第一石材では、お墓に関するさまざまな疑問にお答えさせていただいております。
相談は「1級お墓ディレクター」の私、能島孝志が対応させていただいております。
もちろん、相談は一切無料です。
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