お墓の石の良し悪しはわからなくても文字彫りの違いは誰でもわかる!
一般消費者にとってお墓選びって本当に難しいものです。
特にお墓に使う石ですね。
「どれもほとんど同じじゃないの⁉」なんて声が聞こえてきそうです。
こんにちは。(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」資格の能島孝志です。
兵庫県神戸市で、“カロート(納骨室)に水が入らない特許構造墓石”『信頼棺®』を販売する、(株)第一石材の代表を務めさせていただいております。
能島
まさしくその通りで、黒みかげ石はともかくとしても、その他はどれを見ても同じように見えると言われても仕方ありません。
そのくらい、一般消費者にとって石の違いはわかりにくいものなのです。
ところが、お墓に彫り入れる文字の良し悪しは意外にわかるものなのです。
文字に関しては、お墓に彫刻した文字は別としても、誰しもがこれまで見たことがあるからだと思います。
そこで今回の記事は、お墓に彫刻する文字のいろいろについてご説明させていただきます。
これを知っておくだけでも、お墓選びの幅が一つ広がりますよ。
1.文字の彫刻方法の移り変り
お墓に使用する石材の質や加工精度・構造・施工の良し悪しは、一般消費者にとっては極めて分かりにくいものかと思います。
しかし、お墓に彫刻する文字の良し悪しは意外と誰でもわかるのです。
ひと昔前までの、お墓への文字彫刻といえば、書家直筆の文字を字彫り職人がノミでコツコツと彫り上げていく、いわゆる「手彫り」という手法がごく当たり前でした。
ところが、この彫刻方法を大きく変えたのが、コンプレッサーによる圧縮空気に研磨材を混ぜて吹き付け、文字を彫刻する「サンドブラスト」という工法です。
ちょうど、歯医者さんにある空気が出てくる機械のようなものから空気と鉄粉が混ざったものが高圧で吹き出してくるというイメージですね。
近年の文字彫刻において「手彫り」はほとんどなくなり、サンドブラスト工法にてお墓の文字を彫るのが一般的となりました。
手彫りにしても、サンドブラスト工法にしても、仕上りの良し悪しは、やはり職人の技術力によって大きく差が出ます。
2.書家直筆文字か?コンピューター文字か?
お石に彫刻する文字が、
- 書家直筆文字か?
- コンピューター文字か?
というのも、字彫り職人の技術力以前の問題として大きく影響してきます。
・・・と言いますのは、最近では、コストや手間の問題で、書家直筆の文字を使用する石材店はだんだん少なくなっています。
おそらく、半分以上の石材店が、墓石彫刻の文字専用ソフトで制作したコンピューター文字を使用してお墓に彫刻をしているでしょう。
別にコンピューター文字を否定するわけではありませんが、年賀状や暑中見舞いの宛名印刷ならまだしも、お墓に彫刻する文字は50年、100年とそこにあり続け、代々受け継がれていくものだけに、なんかもの悲しい気持ちになるのは私だけでしょうか?
でも、コンピューター文字を使用している石材店にはこんな返しのトークがあるのです。
書家直筆の文字は、書き手が代わると字も変わってきますが、コンピューター文字なら変わりません。
たしかに、もっともらしいトークですが、なんか好きになれない言い回しです。
3.日本で彫る文字と中国で彫る文字
コンピュータ文字だけでも、どうかと思うのですが、それに加え、近年では中国の字彫り専門工場による文字彫刻も数多く見受けられます。
お石に彫刻する文字も、石と同様に「どうせ素人が見ても違いが分からない」…と思っている人のために、どれほどの違うのかをご紹介しましょう!
上の写真をご覧ください。
左側は当社のお客様のお墓で、もちろん日本で彫刻したものです。
神戸市の書家・千葉正幸氏直筆の文字を、日本三大石材加工地の一つである、香川県高松市「庵治・牟礼」の中でも卓越した技術を誇る宮本力夫石彫石材様が彫刻した文字です。
右側は、たまたま視察に行った中国の字彫り工場で見かけた墓石です。
文字は、もちろんコンピュータ文字です。
さすがに、同じ「南無阿彌陀佛」の文字であっても、この違いはわかるでしょう⁉
文字は、一般消費者の方が見ても違いが分かるのです。
これだけの差があるのを石材店はわかっているはずなのに、なぜ、コンピュータ文字を使い中国で文字彫りを行うのでしょう?
それは、ただ単に値段が安いからです!
それ以外に何もありません。
また、それ以外にも、全自動字彫りロボットによる文字彫刻も行われています。
しかし・・・そんな中でも、
世の中には、サンドブラストで彫刻をした後に、さらにノミで仕上げていくといった匠の技で文字彫刻を極めている石材店もあるのです。
いくら良い石を選んでも、文字彫りが悪ければ墓石は映えません。
日本で彫刻する文字彫刻がすべていいとは言えませんが、中国とまだまだ差があるのは事実です。
4.まとめ
いかがでしたか。
お墓に彫る文字にも様々な手法があるのをご理解いただけましたでしょうか。
そして、文字彫刻には大きく差が出ることもわかっていただけたかと思います。
一般消費者的な常識としては、
- 手彫り…○
- 機械彫り(サンドブラスト)…×
という感覚かと思います。
しかし、今の時代、「手彫り」はほとんど行われていません。
「サンドブラスト」が主流です。
でも、いくら機械を使うといっても、それを操作するのは人間なんです。
手先の微妙な感覚と手間ひま掛ける時間によって、文字の良し悪しも決まってくるのです。
もう一度言いますが、
いくら良い石を選んでも、文字彫りが悪ければ墓石は映えません。
あなたが選ぶ石材店が、どんな文字を彫っているのかを見せてもらうのもいいかもしれませんね。
私ども第一石材では、お墓に関するさまざまな疑問にお答えさせていただいております。
相談は「1級お墓ディレクター」の私、能島孝志が対応させていただいております。
もちろん、相談は一切無料です。
当社では、
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