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第一石材が考える石材店としてのSDGs

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第一石材が考える石材店としてのSDGs
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こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。

(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。

のじま

近年は「サスティナブル(持続可能)」という言葉を聞く機会が増えました。

同じように感じている方も多いと思いますが、いかがでしょうか?

 

2016年から「SDGs(持続可能な開発目標)」として17の目標を掲げ、2030年までの15年間で達成を目指そうと広まりました。

そして、その中から近年は「サスティナブル(持続可能)」という言葉が独立して注目を集めるようになったと感じます。

 

持続可能とは、「将来の世代のために地球環境や資源が守られ、今の状態が持続できること」と定義されています。

 

そこで、今回の記事は、私たちが扱っている石でつくる墓石を「SDGs」の観点で考えてみたいと思います。

 

1.墓石とSDGsの関係

墓石とSDGsの関係

地球の環境問題として、よく挙げられる例に森林破壊がありますが、世界で1990年から2020年までの30年間で失われた森林面積は1億7750万ヘクタールだそうです。

わかりやすい例えにすると、たった1分間で東京ドーム2.5個分の森林面積が世界中で消えていることになります。

 

二酸化炭素を吸い酸素を出す森林がそれだけ減れば、それは地球の温暖化や気候変動などにつながってしまうと、素人ながら感じてしまいます。

 

人間は生きていくために地球の資源に依存しているわけですが、それが近代になり「ビジネス」という目的で資源利用が加速し続けており、「もう取り戻せないかもしれない時代に突入してしまっている」と言われています。

 

日本の人口は減少し続けていますが、世界の人口は1999年に60億人だったのが、2011年には70億人を超えて、2022年に80億人を突破しました。

国連は2050年に97億人、2100年頃がピークで110億人になると予想しているようで、今後は考え方や行動を変えないと将来人間が生きるのが難しい時代を迎えるかもしれないというわけです。

 

SDGsに設定されている17の目標を見ると、一人の人間としてはすべての目標が目指すべきと感じるのですが、石材店の経営者として17の目標を見ると複雑な気分になってしまうものがあります。

それは墓石を販売するということは、決して地球に優しいことをしているわけでもなく、また鉄やアルミニウムなどの金属と違いリサイクルして再利用ができるようなものでもありません。

 

墓石に使われる石は、何千万年から1億年とも言われる気の遠くなるような年月を掛けてできた自然の恵みであり、人類の歴史をはるかに超える時間がないと石はできないのです。

 

つまり、一度採掘されたら人間の力では今のところは戻せないわけです。

 

2.石材店としてSDGsに取り組めること

石材店としてSDGsに取り組めること

SDGsの持続可能な開発目標としては“17”あるのですが、石材店として最も関係が深いと感じたのは、12番目の目標である「つくる責任つかう責任」というものです。

 

お墓を建てるということは、繰り返しますが地球に優しいことでは正直ありません。

 

石を採石するには山を切り崩すわけですし、仮にお墓の重量を1トンとすると、国内加工で丁寧につくられる墓石の場合は良い部分を選んでつくるので、5~10トンほどの原石が必要となります。

しかも、国産最高級墓石材の「庵治石細目」ともなれば、墓石として使えるのはわずか数%ですので、大量の原石を何度もボツにしてつくり直すなんてことは日常茶飯事です。

 

もちろん墓石にできなかった原石は、建築資材などに再利用されたりするのですが、墓石の製作過程や厳しい品質の判断基準をご存じない方が見ると、「一つのお墓をつくるのに、ここまで厳しく多くの作業が必要なのか…」と感じられるに違いありません。

 

当社でご契約を頂戴したお客様を、香川県高松市「庵治・牟礼」の石材加工工場へ見学に見学にお連れした際に、工場の近くに大型ダンプカーが小さく見えるほどの石の山があり、「ほとんどが高級国産墓石の製作過程で出るものです」と説明すると、その量に唖然とされていました。

 

また、危険を伴う場所なので採石業者の許可なくお客様をお連れすることはできないのですが、石の原石を採掘している「丁場」と呼ばれる場所に行くと、そのスケールの大きさに圧倒されるに違いありません。

 

地球の資源である石を採掘して良い部分を選んで墓石に仕上げるわけですので、その作業は可能な限り丁寧で念入りに仕上げるべきであると考えています。

 

お墓は最も長寿命となる商品ですし、新たに同じ人が建て直すようなことはまずありません。

長きにわたり受け継がれていくものですので、可能な限り良い状態を維持できるように、原石の段階から細心の注意を払った作業の積み重ねが必要なのです。

何度も丁寧に研磨して仕上げられた墓石は長い年月を経ても美しいツヤが保たれますが、研磨回数を減らしてワックスなどでごまかした墓石は、数年もすると建てたときとまったく違うツヤのない姿になってしまいます。

 

当社は、お墓を建てるということは完成して終わりではなく、「少なくとも数十年程度は何も心配はない」という安心を同時にご提供することであると考えています。

世の中を代表する高額商品ですし、価格以上の価値をお客様に提供するためには、ベストを尽くしても尽くしきれないのです。

 

今の人間の力で二度と再生出来ない自然の恵みを利用する以上は、可能な限り良いものに仕上げて、可能な限り長く安心して良い状態を維持できる仕様を提供することが「つくる責任つかう責任」に該当すると言えるのではないでしょうか。

 

3.時代は変わっても変わらないもの

時代は変わっても変わらないもの

近年は「墓じまい」が盛んな時代でもありますが、その墓石はどうなるのでしょう?

きちんと定められた処分場以外に、不法に投棄されているも問題もあり、社会問題化している面もあるのです。

 

頭も心も痛む問題です・・

 

あるテレビ番組で「墓じまい」の特集をしていたのですが、その墓石が業者によって不法投棄されている場所があり、現地の人が迷惑しているという内容の番組がありました。

そして、その番組に出演していた比較的若い年齢の学者のコメンテーターの方が、「そもそもお墓に石なんてなぜ使ったのでしょうね?こんなに長持ちして他に再利用ができないものをわざわざ選ぶなんて最悪ですよね」と発言されたのです。

 

石材店の立場としては、かなり驚きましたし、時代の流れを感じる発言でした。

このコメンテーターの方が言う、「最悪」という理由が石が選ばれ続けた理由だからです。

 

お墓に石が選ばれ続けた理由は、劣化が遅く長持ちするからであり、ご先祖様や家族とのつながりの象徴として、最も変わらずに在り続けることができるものだからです。

 

核家族化が進み人口が減る時代になり、また地方から人が離れて都市部に人口が集中する傾向が顕著になれば、先人からの知恵の積み重ねである「お墓」という文化にも変化が生まれ、以前には少なかった問題まで発生する時代になっていると感じます。

しかし、石材店としては、お墓が人々の習慣や文化として残り続けてきたことが、近年になり出てきた問題から否定されてしまうことに、大きな違和感を感じたのです。

 

SDGsのように未来や次世代の問題を地球規模で考えようという流れは素晴らしいことですが、人が生きる上での知恵として残り続けている習慣や文化は、線引きは難しいですが、ある程度は分けて考えるべきではないのか?と感じています。

 

4.お墓の傾向は近年の日本人の特徴

お墓の傾向は近年の日本人の特徴

日本人は柔軟な一面を持つ民族だと思います。

昔からの伝統や風習など大切にする一方で、新しい文化や流行などにも敏感ですね。

 

例えば、「バレンタイン・デー」です。

 

当社と同じ神戸市にある洋菓子メーカーのモロゾフさんが、1935年(昭和10年)に「チョコレートを贈りましょう!」と広告を出したのが始まりとされています。

女性からチョコレートを送るのは日本独自の文化らしいです。

また、男性がお返しに贈るホワイト・デーも日本だけだそうです。

 

しかし、その流れも変化し続けて「義理チョコ」などいろいろとバリエーションが増えて、近年は女性が自分で買って自分で食べるという「自分チョコ」が増えているそうです。

 

10月末の「ハロウィン」も、なかなか日本での定着は上手くいかない印象だったのですが、いつの間にか仮装イベントとなり、テレビなどで渋谷の交差点で大勢の若者が集まり、海外の観光客がめずらしがるという不思議なことになっています。

 

どうも日本人は、熱しやすく冷めやすい面があるとも言えますし、独自の解釈で文化を進化させるのが得意なのでしょう。

 

現在のSDGsへの取り組みは、人間が地球で安心して暮らしていくための持つべき目標として素晴らしいものだと思いますが、この気運みたいなものは、いつまでも続けられるのか?と、どこかで思っていたりも正直するのです。

 

5.慎重に考えてほしい「墓じまい」

慎重に考えてほしい「墓じまい」

石材店として時代の流れを痛感しているのは、先ほども述べましたが「墓じまい」の先にある、お墓離れです。

 

少子高齢化で人口が減っていく事実が世間に広まると、将来の様々な不安な問題が出てきます。

空き家問題と同様に、お墓の問題もマスコミに取り上げられることが増えてきました。

 

そんな時に、「そうだ!墓じまい!」みたいな言葉がどこからともなく聞こえてきて、もうお墓なんて要らないと雰囲気が一変する時代になっています。

 

そして、永代供養や納骨堂が一気に注目を集めており、公営の墓地・霊園も合葬墓を設ける時代になりました。

 

お墓に対する考え方や風習の大きな転換期にあるのは間違いありませんが、お墓という文化が長年続いてきたのは、生きる上での先人たちの知恵の結晶であるわけです。

 

お墓は、一度建てると何代にも渡って受け継がれます。

特別な事情がない限り少なくとも数十年、長いと100年を超えることもめずらしくありません。

 

その長い期間で世の中の流行りすたりは数知れずあるでしょうし、時代の変化も想像できないほど大きなものでしょう。

 

最近は、株価が市場最高値を更新したりしていますが、比較される30年以上前のバブル期はどんな時代だったでしょうか?

お墓に関してですが、都市部の公営の墓地・霊園は申し込みが殺到して抽選が当たり前で、「お墓が足りない」と一種のブームのようになっていた時代です。

 

何事もブームには終わりが来て、その後には停滞が待っていたりするものですが、バブルが弾けて日本が一気に失速しましたが、お墓の販売は比較的緩やかな感じでした。

バブル期に今の日本を想像した人が少なかったように、お墓の今の変化を予想できた石材店も決して多くはなかったと思います。

 

今後も先のことはわからないことが多いのだけは確かだと思うので、お客様に石材店として提供させていただくものは、時代の変化や流行に左右されないことを重要視します。

 

SDGsが時間を経て、どのように未来で考えられているのか?は正直わからないですが、どんな時代でも「つくる責任つかう責任」を意識し続けることは、石材店に限らず必要な考え方であるのは間違いないでしょう。

 

6.まとめ

クラシックという言葉を聞くと、音楽のジャンルにもなっているので、古典的なものという印象を持つ方が多いと思います。

もちろん正しいのですが、英語の意味では「長い年月を経て広く認められているもの」を指すことが多いそうです。

 

音楽の父と言われるバッハやモーツァルトの作品は、300年という時間が経っても受け継がれているわけですね。

 

古いも新しいもなく、良いものは良いというわけです。

 

もちろん、日本も古典的なものといえば、江戸時代に生まれた歌舞伎は400年以上、能は室町時代からなので、600年以上の歴史があります。

2024年(令和6年)の大河ドラマの主人公に選ばれた紫式部の代表作である「源氏物語」は1000年を超えても、このように話題になり続けていますね。

 

つまり、クラシックという言葉や古典的という言葉には、芸術や文化などで多くの人々に愛され続けているものが当てはまるということなのだと思うのです。

時代の変化や流行に左右されないからこそ、残ることができているわけです。

 

お墓という文化や習慣も当てはまるのではないか?と私は思うのです。

 

地球の資源である石を、人間の生きる上での知恵で習慣に活かすという目的で使う以上は、「つくる責任つかう責任」として、長年の間に問題のない状態を可能な限り長く維持できる仕様で販売することが、当社の考える持続可能な目標であると考えています。

 

 

私たちに30分の時間をください!

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【実録映像】お客様インタビュー動画(00:03:33)

 

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