お墓のデザインはバランスが大切!絶対やってはいけない3つのタブー
近年人気の高いデザイン墓石ですが、どんなカタチにすればいいのか迷いますよね。
ネットで調べてみると、様々なお墓の画像が掲載されているので目移りもすることでしょう。
こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。
(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。
のじま
まず最初にお伝えしておきたいのが、多くの方が考えているよりはるかに、お墓のデザインを決めるのは難しいことなのです。
ほとんどの方はデザインのプロではないし、石材店の多くもデザインのプロではありません。
つまり、デザインに関してプロではないもの同士が打ち合わせをしながらデザインを決めていくことになるのです。
そして、最終的には、お客様が望む通りのデザインで進めていくのが無難となるわけです。
たとえ、それが格好が悪くてもです・・・
お墓は、洋服やクルマのように定期的に買い替える商品ではありません。
「あんなデザインにしなければ良かった」と後悔しても後の祭りです。
お墓のデザインを決めるにあたり、最も重要なのが全体のバランスです。
そこを無視すると、見た目に洗練されたデザイン墓石になりません。
そんなことにならないために、今回の記事はお墓のデザインにおける、絶対やってはいけない3つのタブーをご紹介いたします。
目次
1.お墓のデザインもコーディネートが必要
デザイン墓石を希望されるお客様とのやり取りでよくあるのが、
- 「墓石本体のカタチはこれでいいが、花立はこちらの方が好き」
- 「外柵もこのデザインより、あちらのカタチが良いわ」
というような流れです。
ネット内で集めた様々のお墓の画像の中から、お墓の各パーツをバラバラに選んで希望されるのです。
これらのご要望をそのまま受け入れ、合体させてお墓の設計をすると、ほとんどの場合「デザイン」とはほど遠いものになります。
着るジャケットに合わせて、ワイシャツ、ネクタイを選び、ベルトやくつなどの小物も合せてコーディネートをします。
ジャケットに帯を締めたり、袴をはいたりしませんよね。
お墓も同様で、デザインを考える際は墓石本体だけではなく、外柵や付属品を含めたトータルでコーディネートをする必要があります。
墓石本体に合わて、外柵や付属品の形を決めてこそのデザインです。
従来からの伝統的な和型墓石に使用してきた外柵や付属品では似合いません。
お墓のデザインで最も重要なのが全体のバランスです。
プロのデザイナーは、この「バランス」を最も大切にします。
いろんな墓石の各パーツを、むやみやたらに合体すると「福笑い」のようなお墓になりかねませんので気をつけてください。
2.「取る」と「付ける」で大きく変わる
お墓に何か一つ付けるだけで、ずいぶんとイメージが変わります。
たとえば「家紋」です。
伝統的な和型墓石ならば、家紋彫刻の場所は大体決まっています。
しかし、デザイン墓石にも家紋を入れて欲しいという方も数多くいます。
たかが、家紋一つと思われるかもしれませんが、彫刻する場所によっては、とんでもなく野暮ったくなるのです。
また、家紋の種類に応じて彫刻方法なども考える必要があります。
これは、家紋だけではなく、一つの付属品を付けるのと取るのとでは、全体のバランスが変わってくるのです。
たとえば、人間の顔から眉毛を取るだけでどんなイメージになるでしょう?
逆に、犬に眉毛を付けた状態を想像してみてください。
一つのパーツを「取る」と「付ける」だけで、こんなに変わるのです。
3.配置する位置が変われば大きく変わる
同じパーツであってもどこに配置するかで、洗練されたデザインにもなり逆にもなります。
たとえば、今では当たり前になっているドアミラー(バックミラー)ですが、1983年(昭和58年)3月に規制撤廃となる前までは、「フェンダーミラー」といって、ボンネットの前に付いていたのです。
皆様の中にはきっとご存知の方もいることでしょう。
このフェンダーミラーというのが、かなりブサイクなんです。
そのため、流行によりフェンダーミラーからドアミラーへの、交換を行う若者が取り締まりに遭うということも結構ありました。
実は、私も取り締まりに遭った一人です(笑)
お墓の付属品である、霊標(墓誌)やローソク立なども同じで、配置する位置で全体のイメージがガラッと変わってくるのです。
また、お墓の付属品の配置場所に関しては、見た目も大切ですが、安全性や使いやすさなど、機能面についても考える必要があります。
ここでもまた、全体のバランスが重要になってくるのです。
4.まとめ
お墓のデザインを決める際の3つのタブーですが、これって結構やりがちなのです。
とはいっても、デザインは感性のものだけに、お客様ご自身がこれが良いとなればそれまでです。
食べ物の味の好みと同じです。
最終的には、お客様の思い通りのデザインしておけばたしかに丸く収まるでしょう。
仮に、それが極めて違和感があるデザインであったとしても、文句を言われることはありません。
ただ、私たち石材店はお墓のプロである以上、専門家としてのアドバイスが不可欠ではないでしょうか。
たとえ、お客様と意見が食い違っても「NOはNO」とお伝えするべきです。
それこそが、専門家である意義だと思います。
「あんなデザインにしなければ良かった」と後悔することだけはないお墓づくりを目指してください。
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