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【実録】墓じまいの石材店を値段だけで決めては危険な理由とは?

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【実録】墓じまいを値段だけで決めては危険な理由とは?
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こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。

(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。

のじま

今回の記事は、

 

  • 墓じまいを依頼する業者を値段だけで決めてはいけない理由
  • 墓じまいしたお墓にお骨が残ったままの可能性がある

 

といった内容についてお伝えいたします。

 

この記事の結論
  • 墓石の解体だけが墓じまいではない
  • 価格ありきで墓じまいの業者を決めるのは危険
  • ✔墓じまいの現場には絶対立ち会うべき

 

近年では、今あるお墓を「墓じまい」するケースが増えています。

 

その「墓じまい」には、主に2つのケースがあります。

 

  • 新しくお墓を建てるため、郷里のお墓を墓じまい。
  • 納骨堂や合葬墓などの施設にお骨を移すための墓じまい。

 

いずれにしても、今あるお墓からお骨を出して墓じまいすることに変わりありません。

 

ただ、新たに建てるお墓や納骨施設を選ぶ際には、様々なことが気になるようですが、墓じまいに関してはそこまでのこだわりはないようです。

というよりも、「価格ありき」で選ばれる方がほとんどです。

 

そして、最安値で墓じまいの業者を選んだ後は、すべて業者任せというパターンが意外と多いのには正直驚きます。

 

しかし、ホントにそれで良いのでしょうか?

そこには大切なご先祖様のお骨が埋葬されているのです。

 

家でもきちんと遺品整理をしますよね。

 

墓じまいの最大の目的は、「お骨」の改葬(お引越し)です。

そこに埋葬(埋蔵)されている、大切なご先祖様のお骨をきちんと取り出すことこそが、私たち石材店の最も大切な仕事なのです。

 

墓石の解体工事は、その後の最終段階の作業しにか過ぎません。

 

価格ありきで墓じまいの業者を選んだ結果、お墓の中にご先祖様のお骨が残ったままになっているケースもあります。

 

今回の記事は、もしかしたら「お墓の中に大切なご先祖様のお骨が残ったままになっていたかも・・」というお客様のちょっと怖い体験談を、実況を交えてお伝えしたいと思います。

 

1.墓じまいする墓石の解体工事

墓じまいする墓石の解体工事

Eさんは、現在のお住いの近くに新たにお墓を建てるため、都市部から離れたところにある郷里のお墓を墓じまいすることになりました。

 

地元のお寺様にお墓のお性根抜きをしてもらい、お骨の取り出しから墓石の解体工事までを1日で済ませてしまうというスケジュールです。

 

朝の9時頃から始まった閉眼法要で、ご住職の読経と共に読み上げられる一人ひとりのご先祖様の名前を耳にしながら、Eさんは「安らかに眠っておられるところ申し訳ないです・・」と心の中で思われたそうです。

 

そして、いよいよお骨を取り出すための墓石解体工事が始まります。

 

工事には、クレーン車を使用します。

一般消費者から見ると予想外に大きな重機に思えるみたいですね。

 

墓地によっては、人が通るスペースもないような立地条件のところもありますので、遠くまでアームが伸びるクレーン車を用いたりすることもあります。

 

墓地の入り口付近にクレーン車を停めて、Eさんの墓地までアームを長く伸ばして、解体する墓石を運ぶのです。

 

こういったクレーン車の償却みたいなものもあるため、墓じまいの金額も人件費だけでは済まないのです。

 

見積もり時にいろいろと厳しい条件を石材店さんに言い過ぎたな・・

Eさん

工事風景を見て、Eさんは少し反省されたようです。

 

2.おじい様のお骨が出てこない!?

おじい様のお骨が出てこない!

主だった墓石の石を動かすと、次はいよいよお骨の取り出し作業です。

 

この地域は土葬の名残が残っている地域なので、火葬に切り替わっても、土の中にお骨を埋める風習が残っているそうなのです。

 

Eさんのお父様とおばあ様は、お墓に納めて10年も経っていないので、お骨はほとんどそのままで、少し掘ると出てきました。

当時、お骨を納めたのは、Eさんご自身でした。

 

それより前のお骨はおじい様で、昭和54年に亡くなられています。

 

その時代は、まだ土葬だったはず!

石材店

地元の石材店は強く言われますが、Eさんは火葬場でお骨を拾ったことを覚えていたので火葬だったと主張します。

 

そして、作業が進んでいくと、石材店が首をかしげて何やら言い始めたのです。

 

火葬だとしたら深く掘って埋葬しないので、経験上もう出てこないと思います・・・

石材店

もう土に還ったということですか?

Eさん

しかし、Eさんには「そんなはずはない!」という確信がありました。

この石材店のことを信用していないわけではありませんが、火葬されたお骨が土にそんなに早く帰るはずがないことをEさんは知っていました。

 

横で見ておられたご住職の考えもEさんと同じでした。

 

40年で土に還らないと思うけどなぁ・・

ご住職

本当に火葬でした?

石材店

少々疑ったように聞いてきます。

 

Eさんも反論します。

 

間違いないです!

骨壷を持って、そこの階段で転けて父親に怒られたの覚えてますから・・

土葬なら骨壷は必要ないでしょう?

Eさん

この石材店さんも代替わりしていて、割と近年のことしか知らなかったことや、今のご住職も昭和の終わりに他の地域から来られたということもあり、当時のことは自分しか知らないと考えていたので、Eさんもここは譲る気持ちはありません。

 

そして、この地域の火葬場のことをスマホで調べると、昭和40年に建てられたことがわかりました。

 

昭和40年に火葬場ができたのに、昭和54年に土葬をまだ続けているなんてあり得ないでしょう?

Eさん

でも、火葬ならここまで深く掘って埋葬しないですから・・

石材店

石材店もお骨が出てこないのが証拠とばかりに引き下がりません。

その時点で、ちょうど膝ぐらいまで墓地を掘っていました。

 

仮に土葬だと思うのなら、どれぐらいまで掘るのですか?

Eさん

1メートルは掘りますね。

石材店

じゃあ、土葬のつもりで掘ってもらえませんでしょうか。

Eさん

Eさんは当時小学生でしたが、近所の人たちが交代で墓地をプールの深さぐらいまで掘っていたのを覚えていたそうで、お骨は必ず出てくると確信してました。

 

しかし、石材店は「あり得ない!」と言いたげな表情のままです。

 

誰か別の方の埋葬と勘違いされてるのでは?

石材店

おそらく、この地域で様々な墓地の墓じまいをしているので、経験上そう思われているようです。

 

Eさんは土葬は見たことがないうえに、おじい様の納骨のことは鮮明に覚えていて、掘ればお骨が出てくるという確信がありました。

 

絶対に引き下がれないという思いです。

 

3.お客様の粘り勝ちです

お客様の粘り勝ちです

「掘れば絶対にお骨が出てくる」と主張するEさんに対し、経験上から「火葬ならこれ以上掘ってもお骨は出てこない」という石材店。

 

「これ以上掘っても出てこない」と、作業を終わらせようとしている石材店の姿勢にイライラしてきたのもあり、Eさんが行動に移します。

 

作業しないと言うのなら代わってくれ!俺が掘る!

Eさん

礼服と革靴のまま作業をしようとするEさんを見て、あわてたご住職が間に入りました。

 

土葬の深さまで掘ってあげてほしい。

ご住職

ご住職が石材店に依頼してくれたのです。

そして、何とか作業は再開されました。

 

1時間ほど経って、腰の深さぐらいまで掘った時点で石材店の手が止まります。

 

そして、Eさんの方を見て、小さくうなづきました。

 

やはり、おじい様のお骨は出てきたのです!

ここは、Eさんの粘り勝ちですね。

 

石材店は、驚きとも違う何とも言えない顔だったそうです。

 

火葬のお骨で間違いないな。

昭和54年頃は、こんな深さまで掘って納骨してたんやな。

しかし、昔の事やのに、よう覚えてたな・・

ご住職

と、驚いていたそうです。

 

Eさんには、遺影や骨壺を持った経験が3回あります。

そのうちの2回は、平成20年以降に亡くなったお父様とおばあ様でした。

 

残りの1回が可愛がってくれたおじい様で、人生で初めてのお葬式や埋葬だったこともあり、何もかも鮮明に覚えていたのです。

 

このお墓は、おじい様が建てたお墓でしたから、余計にホッとしました。

Eさん

どうしても譲れなかったおじい様のお骨が出てきて、ようやく安心して納得されました。

 

4.石材店のファインプレー

石材店のファインプレー

しかし、ここで石材店が意外な行動に出ます。

 

もう少し掘ってみます・・

石材店

と、作業を続け始めたのです。

 

昭和54年のお骨が土葬の時と同じ深さから出てきたことに驚き、石材店としてのプライドみたいなものに火がついたのでしょうか・・

 

昭和54年のおじい様の前には、昭和43年のひいおばあ様が埋葬されています。

 

昭和40年に火葬場が出来たのであれば、昭和43年には火葬になっているのが自然だと考えると、お骨が出てくる可能性があります。

石材店

石材店の言うことにも一理あります。

 

ひいおばあさんは、私が生まれる前に亡くなっているので、てっきり土葬で、お骨はもう出てこないと思い込んでいました。

Eさん

しかし、せっかく石材店さんが「もう少し掘ってみます」と言ってくれているので、Eさんも今度は従うことにしたようです。

 

ホンの少しだけ期待して見ていたら、30分程でひいおばあ様のお骨も出てきたのです。

Eさんも驚いたそうです。

 

ここは、石材店のファインプレーですね。

 

その前のご先祖様は、昭和20年にまで遡りますし、この場所にお墓を建てたのが戦後と聞いたことがあったので、もう出てこないと思う。

Eさん

と、石材店さんへ伝えるも、念のためにさらに少し掘り進めたのです。

 

結局、それ以上のお骨は出てきませんでした。

 

おじい様のお骨の件では石材店と少し衝突しましたが、ひいおばあ様のお骨を掘り出してくださったのには、Eさんも感謝です。

 

そして、お礼を言って出骨作業は終了となりました。

 

もし、

 

  • 価格ありきで墓じまいの業者を選んでいたら
  • 墓じまいにEさんが立ち会っていなかったら

 

すべてのお骨は出てこなかったかもしれませんね。

 

それに加え、やはりお寺様からのご紹介石材店であったことも、良い結果につながった大きな要因だと思います。

 

5.まとめ

最後に、今回の記事「墓じまいを値段だけで決めては危険な理由とは?」の重要ポイントをまとめます。

 

  • 墓石の解体だけが墓じまいではない
  • 価格ありきで墓じまいの業者を決めるのは危険
  • ✅墓じまいの現場には絶対立ち会うべき

 

墓じまいというと、ついつい「不要になった墓石を解体して処分するだけ」と考えがちです。

それだけに、価格ありきで業者を決めてしまうことが多いのです。

 

しかし、そこは大切なご先祖様のお骨が納められている礼拝物なのです。

 

お墓は地域によって風習や文化の違いがあります。

それゆえに、郷里の石材店に話が通じなかったり、希望を聞き入れてもらえなかったりすることもあり、予想外の苦労をされる場合もあるでしょう。

 

当社では、墓じまいだけのご依頼は承っておりませんが、新たにお墓を建てる場合の墓じまいについては、できる限りのご協力をさせていただいております。

それでも、どうしても立ち入れない分野については、お客様がご自身で交渉して解決してしただくしか仕方がないこともございます。

 

たとえ、墓じまいといえども、様々な問題を一緒に解決できる石材店を選んでいただきたいと思います。

 

 

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