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石材店のカタログや図面だけでデザイン墓石を選んではダメ!

石材店のカタログや図面だけでデザイン墓石を選んではダメ!
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こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。

(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。

のじま

かつてのお墓の形といえば、四角い石を数段積み重ねた「和形墓石」と呼ばれるものが定番でしたが今は大きく変わりました。

1990年代に始まった、自由な発想のもとに設計された「デザイン墓石」が、今ではすっかり市民権を得ています。

 

ただ、「想っていたお墓と違う・・」といったトラブルも少なくありません。

 

トラブルの責任の多くは石材店側にありますが、消費者の安直なデザイン墓石の選び方も原因の一つです。

 

どういうところが「安直」なんですか?

京ちゃん

あっ!京ちゃんもデザイン墓石でお墓建立を考えているのでしたね。

では、何が「安直」なのかを説明いたします。

のじま

実は、多くの消費者のデザイン墓石の選び方は、次のような感じなのです。

 

  • 石材店にあるカタログから選ぶ
  • ネットで見つけた墓石の写真を石材店に見せる
  • 「石材店にお任せ」で図面をつくってもらう

 

これらのどこが問題なんですか?

京ちゃん

お墓のデザインが他の商品の「デザイン」と大きく違うところは、必ずしもプロのデザイナーが出がけていないという点です。

そして、和型墓石と比べると加工が複雑であるにもかかわらず、大半が中国で製作されています。

 

また、ネットで見つけた墓石のデザインを安易に真似すると「意匠権の侵害」などの法的問題に発展する恐れがあります。

 

そして、最も大事なのが、見た目だけが「デザイン」ではないということです。

のじま

だんだん難しくなってきたんですけど・・・

京ちゃん

ですね!

では早速、どうすればこのようなトラブルに巻き込まれず、満足できるデザイン墓石になるのか?について解説していきます。

 

1.消費者と石材店との相性が重要

消費者と石材店との相性が重要

お墓のデザインをプロが手掛けようが、石材店の営業マンのような素人が設計しようが、最終的には消費者がそのデザインを気に入るかどうかです。

 

「ルイ・ヴィトン」や「エルメス」などの有名ブランド品に関しても、人それぞれデザインの好みが異なります。

また、これらの有名ブランド品はプロの一流デザイナーがデザインを手掛けていますが、「そんなことはどうでもいい」という人もいます。

 

私は「ルイ・ヴィトン」嫌いじゃないけど・・

京ちゃん

結局は、「好き」か「嫌い」かのどちらかなんですね。

 

お墓のデザインにも同じことが言えます。

 

「プロのデザイン」か?「素人のデザイン」か?というよりも、消費者が「好む」か「好まない」かが大きな問題なのです。

 

こうなると、お墓を購入する消費者側と、石材店の店主や営業マン、デザイン・設計担当者との相性が問題になってきます。

 

要は、あなたと相性や感性が合うかどうかを、先ず見極めることが重要なのです。

のじま

 

 

2.つくり手で大きく変わるデザイン墓石

つくり手で大きく変わるデザイン墓石

石材店が提案した見た目のデザインは気に入ったとしても、石の質や加工精度など、品質に問題はないかどうかも重要課題です。

 

デザイン墓石の場合、通常(おそらく90%以上)は、日本国内で加工されることはほとんどありません。

大部分が、中国の石材加工工場でつくられます。

 

えっ!そうなんですか?

京ちゃん

そして、当社のように中国の石材加工工場を指定して墓石の製作を依頼している石材店は極めて少なく、「石材商社にすべておまかせ」というのが大半です。

 

まり、中国のどこの石材加工工場でつくるかは、消費者はもちろんのこと、石材店も知らないというわけです。

のじま

そうだとしたら、あなたが「ここなら安心!」と信じてお墓を注文した石材店が、

 

たとえ、、、

 

  • 大手石材店であっても・・
  • 老舗石材店であっても・・・
  • お寺様から紹介された石材店であっても・・

 

墓石の品質の良し悪しとは何の関係もないということになります。

それは、石材店から注文を受けた石材商社が、中国のどこの石材加工工場に製作を依頼するかによって品質が大きく異なるからです。

 

「ルイ・ヴィトン」や「エルメス」などの有名ブランド品は、見た目の好みはともかくとして、とても丁寧につくられています。

 

これが、中国でつくられる「デザイン墓石」とは大きく違うところです。

 

 

3.国内加工と中国加工の技術力の違い

国内加工と中国加工の技術力の違い

ここでは、日本国内の石材加工工場の一流職人が手掛けた加工と、中国の石材加工工場の技術力の違いを見ていただきたいと思います。

 

デザイン墓石ではありませんが、和形墓石に多く見られる装飾加工の一つに「蓮華加工」があります。

 

蓮華加工?なんか聞いたことあります。

京ちゃん

蓮華加工のような複雑な加工は、誰でもができるわけではありません。

「やくもの職人」と呼ばれる特殊加工専門の職人が手掛けるのです。

のじま

.庵治型蓮華加工のスミ入れ

上の写真は、日本三大石材加工地の一つである、香川県高松市「庵治・牟礼(あじ・むれ)」のやくもの職人である、松原勲氏が蓮華加工のスミ入れ(下準備)をしているところです。

 

このスミ入れをもとに、一枚一枚の花弁を削り上げていき蓮華に仕上げていくのです。

 

松原勲氏作の庵治型上下蓮華加工

見事な「庵治型上下蓮華加工」ができ上がりましたよ。

一枚一枚の花弁が薄く反り返った蓮華加工は、まさに「匠の技」です。

 

すごいですね。これ!

京ちゃん

中国の石材加工工場で加工された蓮華加工

こちらは、中国の石材加工工場で加工された蓮華加工です。

 

花弁が厚く、全体にボテッとした感じです。

先ほどの国内加工の蓮華加工と比べると一目瞭然でしょ!。

 

何これ!?さっきのと全然違う・・

京ちゃん

この差は、技術力はもちろんのことですが、それ以前にモノづくりに対する根本的な「こだわり」の違いにあります。

 

今回は、明らかな出来栄えの違いをわかっていただききたく、日本と中国の「蓮華加工」の差を例に挙げましたが、デザイン墓石でも加工工場によって大きな差が生じます。

 

「日本だから」「中国だから」という問題だけではなく、加工工場によって製品の精度が大きく異なるということです。

「ここまでするか!」という工場もあれば、「これで十分でしょ!」という工場もあるのです。

 

それぞれの工場の経営方針や考え方に起因するところが大きいですね。

のじま

 

 

4.見た目だけがお墓のデザインではない

見た目だけがお墓のデザインではない

デザイン墓石というと見た目だけのデザインにとらわれがちですが、それだけでは本当の「デザイン」とは言えません。

 

そのためには、デザインの概念や本質を確認し、デザインすることの意味を理解しましょう。

 

なんか、よくわからないんですけど・・

京ちゃん

デザイン(design)とは、日本語で「設計」や「意匠」を意味します。

具体的には、モノの形や色・配置などの装飾を工夫したり、必要な機能や特性を検討し構成を考えたりすることです。

 

つまり、見た目のカッコよさだけではなく、墓石の構造や機能性も「デザイン」であるということです。

のじま

ますますわけがわからないよ~

京ちゃん

お墓だと、次のようなことが考えられます。

 

  • 車いすでもお参りができる「バリアフリー設計のお墓」にした。
  • 猛暑時の草むしりが不要の「雑草が生えないお墓」にしたい。
  • 大切なお骨を守るカロート(納骨室)に水が入らないお墓を選んだ。

 

これらも、すべて「デザイン」なのです。

 

こうして具体的に教えてもらうと、むしろ見た目より大事な気がしますね。

京ちゃん

はい!まさにその通りです。

京ちゃんも、少しはデザイン墓石を選ぶ観点が変わったみたいですね。

のじま

 

 

5.まとめ

満足のいくデザイン墓石ができるかどうかは、最終的にはやはり「人」。

 

和形墓石と違い、消費者の好みに合わせてカタチを考えていく「デザイン墓石」となると、なおさらのこと。

石材店の店主の考え方や経営方針、営業マンの人柄など、満足のいくデザイン墓石ができるかどうかは「人」次第です。

 

余談になりますが、私はこれまで200回を超える中国渡航歴がありますが、ホテルの部屋に飾られている絵が歪んでいることがよくあります。

 

過去に、二度や三度のことではありません。

 

1センチ程度の傾きは、ごく普通に見られる光景です。

ひどい場合は、数センチも傾いています。

 

おそらく、部屋の掃除をするスタッフも気にしないのでしょうし、その人たちの上司も、特にそのことを指摘することもないのでしょう。

 

そして、その部屋に泊まる宿泊者の中にも、この歪みが気になる人と気にならない人がいるはずです。

 

たとえば、この「歪みが気になる人が設計や加工をした墓石」と、「気にならない人が携わった墓石」とでは、出来栄えは同じでしょうか?

 

私、個人的には、墓石の出来栄えは大きく違うと思うのですが・・・

 

住宅でも墓石でも、ちょっとしたことで大きく変わります。

ただ、そのことを消費者がわからず、見抜けないだけです。

 

そう考えると、やはり、石材店のカタログや図面だけでデザイン墓石を選んではダメなのです。

 

「石材店選びが最も重要」ということになります。

 

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