理想の国産墓石「天山石」の価格と購入注意点

関西方面で国産墓石といえば、やはり「庵治石」「大島石」が有名です。

 

当社にも指名買いで来られるお客様も数多くいらっしゃいます。

 

そんな中で、近年脚光を浴びている石があります。

それが、九州・佐賀県産の「天山石（てんざんいし）」です。

 

庵治石や大島石と比べると、一般消費者にはまだまだ知名度は低いかもわかりませんが抜群の高品質を誇る石です。

 

今回の記事は、そんな天山石の魅力をご紹介するとともに、天山石でお墓を建てるにあたっての注意点をお伝えしたいと思います。

 

1.理想の墓石材3条件を兼ね備えた天山石

佐賀県唐津市七山の玉島川上流にて採掘される「天山石」。

 

江戸時代の初め、1602年～1608年にかけて築城された唐津城の城壁にも、この天山石が使われているのですが、墓石の材料として本格的に採掘が始まったのは1970年（昭和40年）代からなのです。

 

天山石は他の国産墓石材と比較しても透明度が高く、濃い深い青みを含んだ石目が特徴のみかげ石です。

 

極めて硬い石質と数ある国産墓石材の中でも「0.059」という、国産石材で3番目の低い吸水率を誇り、長い年月を経ても変色やざらつきなどの劣化がほとんどない、理想の墓石材として近年人気が高まっています。

 

お墓はお仏壇のように家の中にあるわけではありません。

風雨にさらされ、寒暖の差もある屋外に長い年月あり続けるのです。

 

それだけに、見た目の美しさだけではなく耐久性が求められます。

 

その耐久性に大きく関わってくるのが、硬さや水を吸いにくいかどうかです。

 

石は自然界の産物だけに、どの石も多少の水は吸います。

問題はその量（吸水率）や、含んだ水を吐き出しやすいかどうかです。

 

水による影響は、石の風化や変色につながるだけに、吸水率は低いに越したことはありません。

 

天山石は風雨や塩害にも強く、歳月を経ても劣化や風化・変色等はほとんど見られず、長い年月に渡り屋外にあり続ける「お墓」には最適の墓石材です。

 

• 硬い！
• 水を吸わない！
• 変色しない！

 

という、まさに、理想の墓石材3条件を兼ね備えた石なのです。

 

 

2.どこまでが「天山石」なの!?

本来ならば、「天山石」と呼ばれるのは、天山石材さんと田中直実石材さんの2社の採掘元から産出されるものだけのはず・・・

 

しかし、近年はちょっと様子が違っています。

 

同じく、佐賀県内で採石される「七山みかげ」や「富士みかげ」は、色目や石目がなんとなく天山石に似ているためなのか、「天山石」と称して販売している業者もあるようです。

プロが見れば区別はつきますが、おそらく一般消費者にはわからないでしょうね。

 

 

私たち石材店が日頃から使用する墓石用石材カタログにも、「七山みかげ、富士みかげ＝天山石」のごとく掲載されていますが、一般消費者にとっては極めてまぎらわしいことです。

 

価格も「七山みかげ」「富士みかげ」の方が安いので、他社との相見積もりとなった際に安く販売できるのは事実ですし、見積書にも「天山石」と書かれてあれば消費者はわかりません。

 

つまり、売り手側としては、七山みかげ、富士みかげで売るよりも、名前が売れている「天山石」として販売した方が売りやすいということです。

「七山みかげ」や「富士みかげ」も天山石に負けず劣らず良い石なだけに残念ですね。

 

 

3.天山石の墓石ならすべて良いのか？

「理想の墓石材3条件」という素晴らしい特徴を兼ね備えた天山石ですが、良い石だからといって良い墓石ができるわけではありません。

 

その最大の理由は、日本国内に流通している天山石の墓石の大半は中国の石材加工工場でつくられたものだからです。

 

「国産墓石なのに中国でつくるの？」という声が聞こえてきそうですが、これは事実であり、特に天山石に限ったことではありません。

大島石の墓石も大半が中国加工です！

日本全国のあらゆる石が大量に中国に送られ、墓石として完全加工され再び輸入されているのです。

 

日本で採れる石を、わざわざ中国で加工する目的はコストダウンです。

つまり安く売るためです。

 

それ以外の目的は何もありません。

 

じゃあ、中国で加工された天山石の墓石はきれいなのかと言うと、決してきれいとは言えません。

加工精度も磨き仕上げも、日本でつくられるものと天と地ほどの差があります。

 

それに加え、天山石は縦方向と横方向の石目が極端に違うため、「天目取り」という、石目を揃えてつくる加工方法でないとパッチワークのように見えてしまいます。

 

安くつくることだけを目的とした中国加工では、そんな手間のかかることはしませんし、日本でも「天目取り」で天山石の墓石を加工する工場はそう多くありません。

 

当社第一石材が扱う天山石の墓石は、日本三大石材加工地の一つである、香川県「庵治・牟礼」の一流石職人が手掛けた、正真正銘の純国産の天山石墓石だけです。

石目が揃うだけではなく、加工や磨きの精度も圧倒的な違いがあります。

 

当然のことながら、価格も中国加工とでは異なりますが、長い目で見ると決して高いお買い物ではないと思います。

 

 

4.まとめ

硬い！水を吸わない！変色しない！という素晴らしい特徴を兼ね備えた素材であっても、妥協を許さない高い技術力を以て加工してこそ、天山石の良さをすべて引き出した素晴らしい墓石となるのです。

 

そのあたりは、料理の世界とよく似ています。

 

天山石で、本当に満足できる墓石を建てたいと考えているのならば、良い料理人、すなわち「良い石材店」を見つけることが先決です。

 

「最近は中国の技術力も上がってきているので、中国加工の天山石墓石でもまったく問題ない」なんて、石材店の営業マンの言葉を信用してはダメですよ！

 

【実録映像】お客様インタビュー動画（00：04：40）

 

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