1.墓石業界独自の制度
墓石業界独自の制度「指定石材店制度」とは?
現在、多くの民営霊園では、「指定石材店制度」とよばれる、
墓所販売のためのシステムが採用されています。
一般の消費者の方々にとっては、あまり聞きなれない言葉だと思いますが、
この「指定石材店制度」とは、いったいどのような制度なのでしょうか?

それは、仮に皆様が、「○○霊園」という民営霊園を気に入られ、
そこで墓所を購入して、お墓を建てたいと思った場合には、
その「○○霊園」が指定した石材店のいずれかで、
お墓を建てなければならないという決まりのことです。
では、なぜ多くの民営霊園では、「指定石材店制度」が採用されているのでしょうか?
墓地や霊園をつくりたいからと思っても、誰もが勝手に経営することは出来ません。
墓地や霊園を造るには自治体の「経営許可」が必要となります。
しかし、日本の現在の法律では、営利法人が墓地の経営に携わることはできません。
つまり、私たち石材店が墓地・霊園を経営することはできないのです。
墓地の経営は、公営墓地(市営墓地など)を除き、
公益法人(宗教法人、財団法人など)にしか認められていません。
そして、霊園の開発や造成には、億単位の多額の費用が必要なことから、
経営主体である宗教法人(通常は寺院)や財団法人だけでは資金がまかなえず、
複数の業者(石材店など)から援助を受けて、開発がおこなわれることもあります。
また、宗教法人であるお寺の住職が、自ら霊園の販売や、
管理・運営業務をを行うこともできないため、
霊園開発後の管理や、運営面でも石材店のサポートが必要となります。
これらの理由により、その民営霊園に資金面や運営面等に
何らかのかたちで関わっている石材店が、「指定石材店」という権利を手にするのです。
【参考文献】「霊園ガイド・2011夏号」(株式会社六月書房発行)