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美しい花柄模様を彫刻したこだわりの和型オリジナルデザイン墓石

美しさと機能性にこだわった究極の和型オリジナルデザイン墓石
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他家とは違うオシャレなお墓が欲しいが、デザイン墓石までは考えていない。

できれば、和型を基調にしたモダンなお墓を建てたい。

 

このような考えをお持ちの方は少なくないはずです。

 

こんにちは。(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」資格の能島孝志です。

兵庫県神戸市で、“カロート(納骨室)に水が入らない特許構造墓石”『信頼棺®』を販売する、(株)第一石材の代表を務めさせていただいております。

能島

事実、当社にもこうした内容のご相談をたくさんいただきます。

父は和墓がいいと言っているが、母が今風のデザイン墓石を望んでいるというようなケースです。

 

私ども第一石材のショールームにも、オリジナルデザインの「和・モダン」タイプの墓石を展示してあります。

2021年10月に良いご縁を頂き嫁ぎ先がきまりました。

 

今回の記事は、その展示墓石を気に入っていただき、「全く同じお墓を!」とご注文をくださったお客様の建墓記録をご紹介させていただきます。

きっと、あなたのお墓づくりに役立つかと思います。

 

1.家もお墓も基礎工事が大切

当社、第一石材の墓石ショールームに展示してあった、和型のオリジナルデザイン墓石を気に入られたTK様。

そして、運よくご当選された神戸市立鵯越墓園内の墓所に、この墓石と全く同じカタチの墓石にてお墓の建立工事を承りました。

 

お墓のデザインに加え、TK様が当社を選ばれた理由は基礎工事です。

 

TK様は土木工事関係の会社で現役の責任者を務めておられ、公共工事をはじめ日々多くの工事に携わっておられるプロの方です。

そのような方に私ども第一石材を選んで頂けるのは光栄なことですが、現場の施工スタッフにとっては普段以上に緊張するものなのです。

 

当社では墓石全体のCAD図面の提示はもちろんのことですが、すべてのお施主様に基礎工事の仕様図面もお渡ししております。

 

基礎工事仕様設計図

こちらが、基礎工事の仕様設計図です。

この設計図をもとに現場では基礎工事を進めていきます。

 

神戸市立鵯越墓園にて墓地掘り方工事

先ずは基礎工事を行うため、墓所全体をユンボを使って掘り下げます。

 

墓地を40cm掘り込み

図面上では30㎝掘り下げる予定が40㎝近くになってしまいました。

より一層強固な基礎工事になるので特に問題はありません。

 

神戸市立鵯越墓園にて基礎工事用割り栗石敷設

墓所の掘削が終わると割栗石を入れランマーで転圧します。

 

神戸市立鵯越墓園にて基礎工事用砕石敷設

その上に採石を敷き、さらに転圧していきます。

 

神戸市立鵯越墓園にて基礎工事用鉄筋配筋

D10(直径1㎝)の鉄筋を20㎝間隔で配筋し、カロート(納骨室)と水抜き穴を設置する位置に開口部を確保します。

 

設計図通りに仕上がったことを確認し、生コン車待ちとなります。

 

神戸市立鵯越墓園に生コン車到着

生コン車が到着したところで、いよいよコンクリートを流し込みます。

 

神戸市立鵯越墓園・TK家墓所基礎工事用生コン配合表

 

参考までにコンクリートの配合表です。

ここでは、コンクリートの強度に関する詳しい説明はいたしませんが、お墓の基礎工事に使用するコンクリートとしては十分な強度です。

 

バイブレータを用い、コンクリートを締固め【神戸市立鵯越墓園】

バイブレーターを使ってコンクリートに高い周波数の衝撃を与えることにより、内部の空気を抜き、密度の高い基礎コンクリートに締め固めていきます。

 

TK家墓所基礎工事完成

表面をきれいに仕上げて建築レベルの基礎工事が完成しました。

 

石材用ボンド(接着剤)や免震施工を施したとしたとしても、肝心要の基礎工事がお粗末ならば、耐久性に優れたお墓とは言えません。

 

家もお墓も同じで、見た目のデザインも大切でしょうが、やはり、耐久性に優れていることが最も重要です。

 

この基礎工事は、コンクリート強度を最大限まで高めるため、このままの状態で1か月ほどの養生期間を経てから次の行程に進みます。

 

2.エフロ(白華現象)防止の下地基礎石工事

鉄筋コンクリートべた基礎工事を終えてから約1カ月が経ちました。

コンクリートもあらかた乾燥し十分な強度が確保できたかと思います。

 

通常ならば、この後に墓地を囲む外柵の設置工事に取り掛かるのですが、当社では、さらにもう一工程の下地基礎石工事を行います。

 

近年の神戸市を含む阪神間のお墓の外柵形状の特徴は、段差の少ないバリアフリータイプの入り口が主流となっています。

つまり、入口部分の床にはみかげ石の板を張ることになります。

 

お墓の外柵にみかげ石を張る工法として最も一般的なのが、モルタル(砂とセメントを混ぜたもの)による施工です。

 

モルタル使用による石張り施工

しかし、このモルタルによる石張り施工はエフロのリスクが生じます。

 

さて、このエフロとはいったいどのような現象なのでしょうか?

正しくは、エフロレッセンス(白華現象)と言います。

 

モルタルの中に含まれる成分である水酸化カルシウムが、石の隙間や地中から侵入した雨水や結露などにより溶けて、目地などの隙間から表面ににじみ出て、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムとなり、石の表面が白く変色したように見える現象です。

 

エフロが出た状態の墓石

この厄介なエフロ(白華現象)の発生を防ぐためには、モルタルと石との接触面に水分がないことが条件となります。

しかし、屋外で風雨にさらされ、気温の差で結露の発生も考えられる墓地では、モルタルと石の間に水分を発生させないというのは難しい問題です。

 

エフロの発生を抑えるのはモルタルを使用しないことです。

 

当社では、モルタルを使用しない石張り工法を採用しています。

 

基礎工事の段差の謎?

 

基礎工事に段差があるのに気が付かれましたか?

上の写真の↓で示した部分です。

 

通常のべた基礎ならば、フラットな状態なのに約5㎝の段差があります。

 

石張りをするための下地基礎石

この段差のついた低い部分にみかげ石(安価なもので十分)を用いた、石張りの下地用基礎石を水平レベルを出し設置していくのです。

 

バリアフリー部分の石張り用下地基礎石工事

バリアフリー部分の石張り用下地基礎石工事の完成です。

 

これで、後部のコンクリート部分の高さと一緒になりました。

この石の上に石材用接着剤を用いて石張りするのです。

 

モルタルを使用しませんので、エフロが発生することはありません。

 

3.中国の石材加工工場で墓石部材の製品検品

施工班が墓所で石張り用下地基礎石工事を行っている頃、私は部材の製作をお願いしている中国の石材加工工場にて、墓石・外柵・付属品等、すべての部材の製品検品のため出張です。

 

中国の石材加工工場で墓石の製品検品

石材店がお施主様からご注文を頂いたお墓をつくる際には、一般的には石材商社を介して国内・中国に製品を発注しますが、当社は石材商社を介していないため、私自身が中国に出向き、原石のチェックから加工精度に至るまで細かく検品をしています。

 

今回、TK様からご注文を頂いたお墓に使用しております石の種類は、中国・黒龍江省で産出される青みかげ石(関東では白みかげ石に分類される)で通称「黒龍石」と呼ばれてる石です。

四国・愛媛県産の銘石「大島石」に良く似た石目が特徴のため、関西では人気が高く、和・洋を問わず幅広く使用されています。

 

この通称「黒龍石」と呼ばれるものは数多くの種類があり、採掘されるエリアにより、色目や石目、品質も異なり、「G1704系」「G1716系」「GL系」など数多くの石種があります。

 

当社では、最も品質の高い「G1704系」の中からさらに品質を絞り込み、濃い色目で細かい石目のものを厳選して使用しているため、中国・福建省の中に数多くある石材加工工場の中でも、黒龍石系原石を最も多く保有している工場に製作を依頼しています。

 

外柵(巻石)も工場内で仮組みをして検品

外柵(巻石)も工場内で仮組みをしてきちんと検品をいたします。

 

中国での製品検品が無事終了しますと、部材を梱包し通関を終えて、日本へ向けて出荷の運びとなります。

 

日本に部材が到着したら、すぐに工事に取り掛かれるのではなく、その後には、フロアや外柵部分へのオリジナル模様彫刻や、墓石や霊標(墓誌)への文字彫刻が控えているのです。

 

これも、こだわりの和型デザイン墓石である所以です。

 

 

4.外柵の滑り止め加工と彫刻模様

近年、私どもの神戸市で建てるお墓の外柵はバリアフリーが主流です。

入口の段差を低くして、お参りをしやすくした構造です。

4-1.外柵フロア部の滑り止め加工

バリアフリーのフロア部分には歩きやすいように、玉砂利ではなく、みかげ石の石張り施工にて仕上げます。

 

そして、石張り部分からエフロ(白華現象)の発生を防ぐためにさきほどお話しした下地基礎石工事を施します。

このみかげ石の石張り部分には、墓所での転倒を防ぐために、石の表面に何らかの滑り止め加工を施すのが一般的です。

 

墓石外柵の滑り止め加工

「びしゃん」「バーナー」「サンドブラスト」など、さまざまな加工方法による滑り止めがありますが、
いずれも、ピカピカに磨いてある石張り部分に加工を施し、ザラザラの状態にして足元が滑るのを防ぐといったものです。

 

4-2.オシャレな彫刻模様の滑り止め加工

従来からの伝統的なカタチの和型墓石ではなく、おしゃれ感のある和型墓石を選ばれたTK様は滑り止め加工にもこだわりました。

 

私ども第一石材では、前述の一般的な滑り止め加工だけではなく、お客様のご要望に応じてオリジナル模様の彫刻を施した、おしゃれ感が漂う滑り止め加工も承っております。

 

TK様のお母様が花柄模様のデザインをご希望されましたので、桜・牡丹・椿・バラなどをご提案させていただきましたところ、「椿」がお好みとのことで以下の3点をご提案させていただきました。

デザインは、北海道を中心に活躍されている当社契約墓石デザイナー・福田和哉氏が手掛けるオリジナル墓石彫刻模様デザイン「Addによるものです。

 

オリジナル墓石彫刻模様デザイン「Add」

お好みの模様が決まれば、次は実際に彫刻をするための、各部材ごとの原寸大彫刻原稿を作成し彫刻専門工場に依頼いたします。

 

4-3.中国での模様彫刻と日本国内での模様彫刻の違い

原寸大彫刻原稿をもとに彫刻に取り掛かるのですが、これら模様の彫刻も、墓石の加工・製作と同様、中国での彫刻と日本国内での彫刻とがあるのです。

おそらく、このような模様の彫刻を中国の加工工場に依頼されている石材店も多いかと思います。

当社も10年程前までは、中国の加工工場に依頼しておりました。

 

ところが、2012年に墓碑建立のご注文を頂いたお客様から、日本の職人さんの手で加工をして欲しいというご依頼がありました。

 

そこで、日本石材三大加工地の一つである、香川県、庵治・牟礼の中でも有数の碑銘彫刻師に依頼し、当社初の国内加工の模様彫刻が完成しました。

 

胡蝶蘭の模様を彫刻したお墓

それが、胡蝶蘭の模様を国内彫刻したこのお墓です。

 

この胡蝶蘭の模様デザインを手掛けたのは、同じく当社の契約デザイナーで、広島県福山大学にてグラフィックデザインの講師を務める大塚勉氏です。

 

そして、家紋は、神奈川県を中心に活躍されておられる、オリジナル家紋デザイナー、沖のりこ氏の作「おしどり」の紋です。

 

この写真だけだと、中国での彫刻と日本での彫刻の違いが、よく分からないかと思いますので、以下の写真をご覧ください。

 

中国での彫刻と日本での彫刻の違い

上が、中国で彫刻した模様です。

花びらなど全体がベタッとした感じに見えませんか。

 

そして、下が庵治・牟礼の彫刻師が手掛けたものです。

掘りも深く花びら一枚一枚がくっきりと浮かび上がってくる感じです。

 

これらの2点は、当社の墓石ショールームに展示してありますので、実際のものを見ていただければ、その違いは一目瞭然です。

これを機会に当社では、少々価格は高くなりますが、すべて国内で模様彫刻をしております。

 

こうして、TK様のお墓にも素敵な模様を彫刻させていただきました。

 

お墓フロア部への彫刻模様

バリアフリー外柵のフロア部分に彫刻した「椿」の模様です。

 

霊標(墓誌)の表題部分にも椿の花

外柵の上り框部分には、椿に加えオーナメント模様を彫刻し、霊標(墓誌)の表題部分にも椿の花をあしらいました。

 

玉垣にも模様を彫刻

さらには、後ろの墓所との境の玉垣にも模様が彫刻されています。

ちょっとしたこだわりでお墓のイメージがガラッと変わります。

 

故人への想いとともに、お墓参りが楽しくなるかと思います。

 

5.バリアフリーフロア部分の石張り施工

エフロ(白華現象)防止の下地基礎石工事後の養生期間も終わり、外柵各部へのおしゃれな模様「Add」の彫刻も仕上り、今回はお墓の外柵(巻石)工事に取り掛かります。

 

バリアフリーフロア部分の石張り用基礎石工事

お墓の外柵の石張り工事

下地基礎用のみかげ石の上に石材用ボンド(接着剤)をつけ、厚さ5㎝のバリアフリーフロア部分の石を貼り合わせていきます。

 

フロア部石張りの接合部分にコーキング剤にて目地入れ

フロア部石張りの接合部分にコーキング剤にて目地入れをします。

 

上の写真の矢印(2カ所)のくり抜き部分は、
水抜きのために設けてあり、最後に玉砂利を入れます。

 

6.お墓の外柵(巻石)工事

フロア部の石張り施工が終わると、次は外柵本体の工事です。

 

巻石の内側にも牡丹の花柄を彫刻

巻石の内側にも牡丹の花柄が彫刻されています(画像↑)。

 

墓所全体を囲む巻石(延石)を据え付け

ステンレス製L字金具にて固定

さらに、墓所全体を囲む巻石(延石)を据え付けていき、各部材の接合部分には、ステンレス製L字金具にて固定いたします。

 

ご遺骨を納めるカロートを設置

巻石で囲んだ中央部分に、ご遺骨を納めるカロートを設置します。

 

墓所全体を囲む玉垣を設置

墓所全体を囲む玉垣を設置していきます。

お家で言うと「塀」のようなものです。

 

ベンチの台座

外柵入口の左側にベンチの台座を設置します。

ベンチが外れないようホゾ組みにするための丸い穴が開いています。

 

これで、TK様墓所の外柵(巻石)工事が完了いたしました。

 

次回の墓石据え付け工事をもって墓碑完成の運びとなります。

 

7.お墓・墓石本体据付工事

外柵工事も終わり、最後のお墓本体の据え付け工事です。

 

カロート(納骨室)の上部に石材用ボンド注入

クレーンで吊り上げた墓石最下部の台

カロート(納骨室)の上部に石材用ボンド(接着剤)を付け、クレーンで吊り上げた墓石最下部の台をゆっくり下していきます。

 

震度7に対応した墓石免震施工

墓石上台を設置

阪神・淡路大震災クラスの”震度7″に対応した墓石免震ゲル「安震はかもり®」を装着し、次の部材を組み上げていきます。

 

この際に使用する接着剤は、弾力性・対候性・接着力に優れ、変形追従性の特徴を持つ専用接着剤「安震アイバ」を使用します。

 

オリジナル丸スリン

墓石棹石を設置

慎重にスリンを下し、棹石(竿石)を設置します。

 

こだわりの霊標

水鉢台設置

最後に、霊標(墓誌)や水鉢などの付属品を配置して、
こだわりの和型デザイン墓石「和・モダン」の完成です。

 

8.こだわりの和型デザイン墓石の全容

こうして半年の月日を経て、こだわりの和型デザイン墓石が完成いたしました。

 

手書き文字の墓石

墓石の正面文字は、神戸の書家・千葉正幸氏直筆の文字を、日本三大石材加工地の一つである香川県「庵治・牟礼」の宮本力夫石彫石材様の匠の技にて彫刻させていただきました。

 

白や黒のペイントを施さなくてもくっきり見えるよう、深く力強く彫り上げられた文字は、コンピュータ文字を使用したものや、全自動字彫りロボットで彫刻したものとは一線を画しています。

 

オリジナル花立て・水鉢

柔らかな曲線を活かしたデザインが特徴のオリジナル花立てと水鉢。

 

オリジナルデザインのお墓の外柵

随所にオリジナルデザインの彫刻を施したベンチ付き外柵(巻石)です。

 

こだわりの和型デザイン墓石【神戸市立鵯越墓園】

メインに中国・黒龍江省の高級青みかげ石「G1704-K12」、アクセントにインド産高級黒みかげ石「Y1」を使用しております。

 

9.まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

こだわりのお墓を望まれるお施主様は、いろんなご要望を持っておられます。

 

しかし、和型のデザイン墓石の場合は通常のデザイン墓石と違って、何でもありというわけにはいきません。

和形墓石の基本形を残しつつ、バランス良くまとめていく必要があります。

 

そこが、石材店の腕の見せ所となってくるのです。

 

ちょっとした工夫で、お墓のイメージは大きく変わります。

 

 

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ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

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