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国産墓石にはこだわるが「中国加工」を選ぶのはなぜ?

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国産墓石にはこだわるが「中国加工」を選ぶのはなぜ?
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こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。

(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。

のじま

お墓を建てる際のこだわりで多いのが「石」へのこだわりです。

それも、国産の石じゃないとダメなのです。

 

  • とにかく日本の石でお墓を建てたい!
  • 国産の「大島石」が良いと聞いた。

 

といった感じです。

 

たしかに、墓石の素材となるのが石ですので、石の品質にこだわるのは一理あります。

 

しかし、採掘された石がそのまま墓石となるわけではありません。

一つひとつ人の手で加工され、はじめて墓石となるのです。

 

それなのに、なぜか「加工」に関してこだわる人は意外と少ないのです。

 

いったい、どうしてでしょうか?

 

その理由を、お墓づくりで悩んでいる、新くんと京ちゃんと一緒に探っていきたいと思います。

 

1.実は「国産墓石」は2種類ある!?

実は「国産墓石」は2種類ある

「国産墓石」と言っても、すべてが日本でつくられているわけではありません。

国産墓石の大半は中国の石材加工工場でつくられているのです。

 

ちょっと待って!

いきなり意味がわからないんですけど?

京ちゃん

失礼いたしました。

中国でつくられるのに、「国産墓石」って言われても意味がわからないですよね。

それでは、わかりやすく説明いたしましょう。

のじま

実は、「国産墓石」として販売されているものには次の2つがあります。

 

  1. 日本で採掘された石を日本で加工する「国内加工の国産墓石」。
  2. 日本で採掘された石を中国に送り、中国の石材加工工場で製品化される「中国加工の国産墓石」。

 

中国でつくられるのに「国産墓石」というのは、ちょっと納得いかないんですけど・・

新くん

たしかに、新くんの言っていることはよくわかります。

しかし、現在の日本の法律では、素材が「国産」であれば加工地が中国であっても「国産墓石」として販売しても問題ないのです。

のじま

そのため、あえて「中国加工」ということを消費者に告げず、単に「国産の大島石だから安心ですよ!」なんて営業トークで販売している石材店もあると聞きます。

 

それって、詐欺まがいの売り方じゃない!

京ちゃん

素材が国産なので詐欺ではないのですが、モラル的にはどうかと思います。

のじま

やはり、石は国産であっても、加工地は中国であることをきちんと告げるべきですね。

 

2.日本人特有の国産神話

日本人特有の国産神話

日本人はとにかく「国産」を好みます。

 

  • 食品
  • 家電製品
  • クルマ

 

など、国産を選んでさえおけば間違いないという考え方です。

いわゆる「国産神話」ですね。

 

だって、国産が安心なんだもん・・

京ちゃん

たしかに、食品も家電製品もクルマも、国産は安心で高品質であることはたしかです。

でも、墓石はクルマや家電製品などの工業製品ではありません。

自然の石を人の手で一つひとつつくり上げていくオーダーメイド品です。

 

それゆえに、墓石の加工を手掛ける石職人の技術力や石材加工工場の経営方針などで出来栄えが大きく違ってくるのです。

それに加え、国民性の違いも大きく影響してきます。

 

じゃあ、国産墓石であっても日本でつくるのと中国でつくるのとでは品質が違うってことですか?

新くん

はい、その通りです。

「国内加工の国産墓石」と「中国加工の国産墓石」とでは天と地ほどの差があります。

もちろん、日本の方が上ですよ!

のじま

たとえ最高級の素材であっても、料理人の腕が悪ければ美味しい料理にならないのと同じです。

 

国産を選んでおけば安心という「国産神話」でお墓を選ぶのなら、どこでつくるのかという「加工」にも目を向けるべきです。

 

3.「加工」に関する説明がない

「加工」に関する説明がない

ところで、新くんと京ちゃんは、石材店からどんな説明を受けたの?

 

「“大島石”を選んでおけば間違いない」って言われました。

京ちゃん

硬さと吸水率の低さで選ぶのなら“天山石”が良いって。

あとは、墓石のカタチについてです。

新くん

「加工」については?

国内加工と中国加工の違いについて石材店から説明はなかったですか?

のじま

特になかったけど・・・

京ちゃん

同じく特にないですけど、見積書にはたしか「中国加工」って書いてあったと思います。

新くん

なるほど・・

「中国加工」って記載してあるだけ、まだマシですね(笑)

のじま

このように、お墓に使用する石やカタチについてはいろんな説明を受けたようですが、加工については石材店から特に何も聞いていないという方が意外と多いのです。

それは、加工について詳しく説明をしない石材店が多いからです。

 

石材店から説明がなければ、はじめてお墓を買う一般消費者に違いがわかるはずがありません。

 

お墓の素材となる石の品質はもちろん重要ですが、その素材を「墓石」に仕上げる加工も同じくらい重要なことなのです。

 

もしかしたら、素材の良し悪しより「加工」の方が重要かもしませんね。

 

4.まとめ

国産墓石のお墓にこだわる消費者が「中国加工」を選ぶ理由は次の3つです。

 

  1. 「中国加工の国産墓石」の存在を知らない
  2. 日本の石さえ選んでおけば間違いないという「国産神話」
  3. そもそも石材店から「加工」に関する説明がない

 

あらゆるモノに関してうるさい日本人が、品質にこだわらないはずありません。

 

ただ、お墓の場合は誰しもがはじめての買い物だけに品質の違いがわからないのです。

 

おそらく、パッと見では「国内加工の国産墓石」も「中国加工の国産墓石」も同じように見えるでしょう。

違いがわかる人はほんのごくわずかでしょうね。

でも、それは建ててすぐのお墓を見たときに限ってのことです。

 

数年も経てば違いは歴然です。

特に磨きのツヤ持ちは顕著に現れます。

 

もちろん、価格の差はあります。

当然ですが、「国内加工の国産墓石」の方が値段は高いです。

しかし、極めて円安の時代においては、かつてのような価格的な魅力はありません。

 

価格の差より、むしろ品質の差の方が大きいと断言できます。

 

大量生産という「量」の部分では中国にかないませんが、「品質」においてはモノづくり日本がはるかに上だということです。

 

 

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