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墓地購入で後悔しないために知っておくべき「指定石材店制度」とは?

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墓地購入で後悔しないために知っておくべき「指定石材店制度」とは?
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こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。

(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。

のじま

いざお墓を建てるとなったときに、絶対に必要なのが「墓地」。

 

いくら家の庭が広いからといって、そこにお墓を建てることはできません。

法律で「墓地」として定められたところ以外にお墓を建てることはできないのです。

 

そのため、先ずは墓地を購入した後に墓石選びとなります。

 

ただ、墓地によっては、あらかじめ墓石を購入する(建てる)石材店が定められている場合があります。

つまり、あなたが望む石材店でお墓を建てることができない、ということです。

 

これが、「指定石材店制度」という、多くの消費者が知らない墓石業界独自の制度なのです。

 

私も、お墓の業界にいなければ、おそらくこのような制度は知らなかったでしょう。

 

この制度を知らずに安易に墓地を購入してしまうと、後々後悔することになるかもしれません。

 

いったいどんな制度なのか?お墓を建てるために墓地を探している京ちゃんと新くんを交えて詳しく解説していきます。

 

1.墓地の種類と「指定石材店制度」

墓地の種類と「指定石材店制度」

墓地は、私たち石材店や不動産開発業者などの営利法人が経営することはできません。

墓地の経営は、自治体もしくは、宗教法人、財団法人等の公益法人に限られています。

 

そして、墓地には運営母体や経営主体により、大きくは「公営墓地」「寺院墓地」「みなし墓地」「民営墓地」の4つに分かれます。

 

それでは、それぞれの墓地について見ていきましょう。

 

1-1.公営墓地

市区町村等の自治体が運営する墓地です。

 

私ども第一石材の地元である神戸市なら、「神戸市立墓園」があります。

 

自治体が運営しているので、多くの利益を上げることを目的としているわけではありません。

それゆえに、他の墓地と比べると墓地代(墓地使用料)や管理費が比較的安価に設定されています。

 

それに加え、何よりも安心なのが管理の永続性です。

 

つまり、自治体が破綻しない限り、墓園や霊園内の清掃や設備等の管理体制がなくなることはないということです。

 

ちゃんと管理費を払ってるんだから、そんなの当然じゃないの!?

京ちゃん

たしかに当然といえば当然なんですが、現実はそうではないのです。

民営霊園や宗教法人が運営する納骨堂の経営破綻が全国のあちらこちらで起こっています。

公営墓地ならそのような心配がありません。

のじま

そして、公営墓地は、宗教、宗旨・宗派、国籍を問わず申し込みができるのに加え、お墓の形やデザインに制約が少ないのも人気の理由です。

 

そして、最大の利点は「墓石を購入する(建てる)石材店を自由に選べる」という点です。

 

自分の墓地にお墓を建てるんだから、どこの石材店に頼もうが自由じゃないんですか!?

新くん

消費者の立場からすれば、たしかにその通りなんですが、そうはいかない墓地や霊園があるのです。

のじま

また、公営墓地は人気が高いため、都市部では抽選制で高倍率となっているところもあり、お骨を持っている方しか申し込みができないなど、様々な規定を設けていたりもします。

 

1-2.寺院墓地

「墓地」と聞いて、多くの方が思い浮かぶのが寺院墓地。

いわゆる、お寺の境内にある墓地ですね。

 

常にお寺のご住職がそばで見守ってくれるため、「供養」という観点から考えると安心感があるのは確かです。

 

ただし、お寺は宗教施設です。

たとえあなたが購入した墓地であっても、すべてが自由になるわけではありません。

 

  • 宗教、宗旨・宗派が限定される
  • 檀家にならなければならない
  • 墓石の形に制約がある

 

など、様々な規定が設けられています。

 

また、寺院墓地はお寺の私有地なので、管理上の理由等で出入りできる石材店が決められている場合がほとんどなので、事前に確認しておく必要があります。

 

これも、ある意味では「指定石材店制度」ですね。

のじま

1-3.みなし墓地

なんか聞き慣れない名前の墓地ですが、実は日本全国で最も多いのが「みなし墓地」なんです。

 

もしかしたら、あなたがお住いの近くにもあるかもしれません。

都市部の中心から少し離れた住宅地の一角にあったり、田んぼや畑の横とか、山のすそ野に多く見られる墓地です。

 

お墓は、法律で「墓地」と定められたところにしか建てることができないということは、先ほどお話いたしました。

 

その法律とは、戦後間もない1948年(昭和23年)5月31日に制定された「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」です。

でも、墓地はこの「墓埋法」が制定される以前から日本全国のあちらこちらに点在しています。

 

つまり、「みなし墓地」とは、法律によって定められた墓地ではないが、「墓地」として“みなし”ましょうということなのです。

 

「みなし墓地」は地域によって呼び方も様々です。

 

  • 村墓地
  • 共同墓地
  • 自治会墓地

 

など、様々な名称で呼ばれており、墓地の規定や管理もまちまちです。

 

なかには、清掃は当番制で、そこにお墓を持つ人たちが自分たちで行わないといけないという墓地もありますし、設備面でも水道すらないところも決して少なくありません。

 

そして、「みなし墓地」は誰でもが購入できるというわけではありません。

昔からその地域に住んでいる人だけに限定していたり、近隣の新興住宅地の住民も対象に含まれていたりと様々です。

 

いずれにしても、大規模な墓地増設とかは少ないので、更地ではなく空き区画を中心に募集をされているところがほとんどです。

 

墓地代に関しては、「みなし墓地」も公営墓地と同様に収益事業が最大の目的ではないので、比較的安価に設定されているところが多いようです。

 

宗教、宗旨・宗派も問わず、墓石の形も特に制約を設けていないところがほとんどですが、墓石を購入する(建てる)石材店に関しては、自治会等が定めた指定の石材店しかダメという墓地もありますので、事前に確認が必要です。

 

どうして、自治会墓地なのに「指定石材店制度」があるわけ?

京ちゃん

そこには様々な大人の事情があるのです。

たとえば、誰もお参りする人もなく荒れ放題になっている墓地を無縁改葬し、キレイに区画整理する業務を担ってもらった石材店への見返りとして指定石材店に指名しているケースなどです。

のじま

また、「みなし墓地」は古くからある墓地だけに、公営墓地や民営霊園のような設備や景観を期待するのは難しいでしょう。

 

どちらかというと、家からの距離を最重視して選ぶ墓地という感じですね。

 

1-4.民営霊園

誰しもが、テレビのCMや新聞の折込チラシなどで一度は目にしたことがある、「○○メモリーランド」「△△大霊苑」などの名称で墓地の使用者募集を行っているのが民営霊園です。

 

読んで字のごとく、民間が経営する墓地や霊園です。

 

ただし、民営と言っても、私たち石材店や不動産開発業者のような営利法人ではありません。

現行法律では、宗教法人や財団法人などの公益法人でないと墓地の経営はできません。

 

それに加え、霊園を開発するには、山を切り開き、道路をつくり、管理棟の建設など大規模な工事となるため、多額の資金を要します。

それも、億単位の資金です。

これを寺院などの宗教法人や財団法人だけでまかなうには困難な場合があります。

 

そこで、複数の石材店から資金援助を受けて、霊園を開発するというわけです。

 

また、いざ霊園が完成しても、宗教法人であるお寺の住職が自ら先頭に立って墓地の販売や霊園の管理業務を行うのは難しいでしょう。

その後も、販売面や管理面で石材店のサポートが必要となります。

 

こういった理由で、民営霊園の開発や完成後の販売・管理等に何らかの形で関わっている石材店が、こちらも見返りとして「指定石材店」という権利を手にするのです。

 

その結果、あなたがもし「A霊園」という民営霊園に墓地を購入した場合には、墓石を購入する(建てる)石材店は、A霊園が指定した「B石材店」「C石材店」「D石材店」のいずれかでしか購入する(建てる)ことができない、ということになります。

 

これが、一般消費者にはほとんど知られていない、業界独自の制度である「指定石材店制度」なのです。

 

なんか納得できないんですけど・・・

新くん

たしかに、消費者の立場からすれば納得できないかもしれませんが、あらかじめ家を建てる建設業者が決められている、建築条件付きの宅地みたいな感じです。

のじま

 

2.墓石価格が高額になる「指定石材店制度」

墓石価格が高額になる「指定石材店制度」

民営霊園の開発に資金提供をした石材店は、その見返りとして「指定石材店」の権利を手にします。

 

そうなると、その石材店の営業マンが指定石材店となった霊園内の墓地を販売すると、自動的に墓石も売れることになります。

要は、他の石材店との競合なしで墓石の契約を受注できるということです。

 

他社との競合や相見積もりがないのなら怖いものなしですよね。

 

そして、墓石の価格は通常の相場より高い設定になっています。

その理由は、霊園開発時の資金提供に加え、墓石を販売するごとに「墓石契約金額の○○%」という上納金的な手数料を霊園側に支払わなければならないからです。

 

たとえ、その価格がビックリするほどの高額であったとしても、その石材店でしか墓石を購入する(建てる)ことはできません。

 

これには例外はありません。「絶対」なのです。

それゆえに、民営霊園を購入する場合には、「何がなんでも、その霊園が気に入っている」というくらいの覚悟が必要だということです。

のじま

3.消費者は自由に石材店を選べない

消費者は自由に石材店を選べない

「指定石材店制度」が定められている民営霊園では、お墓を購入する(建てる)石材店は、あらかじめ霊園が指定した石材店に限られることは、すでにご理解いただけたかと思います。

 

指定石材店の数は霊園の規模等によって異なりますが、数社から、多いところでは二十数社に及ぶところもあります。

 

もし、あなたがその民営霊園で墓地を購入したとしたら、いかなる理由があっても指定石材店以外の石材店でお墓を購入する(建てる)ことはできません。

 

たとえ、

 

  • お寺の住職から紹介してもらった石材店がある
  • あなたの親戚が石材店を経営している

 

としても、例外はありません。

 

じゃあ、民営霊園に見学に行き、そこで墓地を購入した後で、その霊園の指定石材店の中から石材店を選べば良いんじゃない!

京ちゃん

現実的には、そう簡単にいかないのです。

のじま

 

あらかじめ石材店を指定から霊園に見学に行くか、石材店が発行したチラシを持参するなどすれば、指定石材店の中から業者を指定できますが、そうでなければ、自動的に担当する石材店が振り分けられる仕組みになっています。

 

もし、京ちゃんがいきなり霊園に見学に行ったとしたら、指定石材店の中から気に入った石材店を選べるのではなく、霊園を訪れたその瞬間に担当する石材店が霊園側の都合で決まってしまうということです。

のじま

これは、霊園開発時に資金提供したすべての石材店を差別なく公平に扱うための方策なのです。

 

たしかに、石材店に対しては公平かもわかりませんが、消費者に対しては極めて不公平な制度なんじゃない!?

新くん

そういう意見が多いので、「指定石材店制度」が問題になっているのです。

のじま

 

4.霊園内における指定石材店の序列

霊園内における指定石材店の序列

多くの民営霊園には、霊園の維持管理業務や事務作業を行うための管理棟があります。

一般的に、管理棟には霊園のスタッフが常駐しています。

 

また、民営霊園には、指定石材店の営業マンが待機するためのスペースが用意されている場合があります。

 

このスペースは、民営霊園によって異なりますが、管理棟内に別室があったり、霊園内にプレハブのような簡易な建物が設けられている場合もあります。

なかには、日除けテントやパラソルの下に、折りたたみ式の長机とパイプいすを置いてあるだけというところも見たことがあります。

 

ただし、必ずしもすべての指定石材店が霊園内に常駐して、墓地の案内や墓石の販売業務ができるとは限りません。

 

つまり、指定石材店の中にも序列があるのです。

 

その理由としては、

 

  • 霊園開発時の協賛金の額
  • 霊園開園に至るまでいかに貢献したか
  • 経営主体側とのコネクションの強さ

 

など、様々です。

 

これらの理由によって許可された指定石材店だけが霊園内にスタッフが常駐し、営業活動ができるのです。

その数は数社から、霊園によっては常駐できるのは1社だけというところもあります。

 

常駐している石材店が1社だけという霊園にお客様が見学に行かれた場合には、必然的にその石材店が担当することになります。

墓石の建立も、その石材店以外で建てることはできません。

こちらも例外はほぼ皆無です。

 

すごい業界ですね!

新くん

どんな業界にも大なり小なり、なんらかの裏があるものです。

のじま

 

このように、たとえ霊園の指定石材店であっても、

 

  • 霊園内に待機して営業活動を行っている石材店
  • 霊園外にてお客様を探し霊園に案内する石材店

 

という2種類の形態に分かれているのが一般的です。

 

こんな感じで、いっけん公平に思える指定石材店制度の中でも微妙なパワーバランスが働き、序列ができているのです。

 

「指定石材店制度」がある民営霊園(ほとんどはそうですが…)を「ちょっと見学してみたいなぁ!」と思ったときには、見学に行く前に、その霊園の指定石材店を事前に調べ、霊園見学より先に、その石材店に行かれることをおすすめいたします。

 

そして、「この石材店ならば!」と思うお店を見つけてから、その石材店に霊園を案内してもらうことです。

 

その後は、その霊園が気に入ればよし!

気に入らなければ、他の霊園を案内してもらうことも可能です。

もちろん、すべて断っても何ら問題はありません。

 

「霊園は気に入っているのに、石材店は気に入らない」ということにならないためには、こういった方法がベストです。

 

民営霊園の場合は、「霊園見学より、先ずは石材店選び」ということです。

のじま

5.営業マンの「ご見学ですか?」には要注意!

営業マンの「ご見学ですか?」には要注意!

過去に民営霊園の見学をされたことのある方なら、きっと経験があると思います。

 

お客様が霊園見学に訪れると、指定石材店が陣取った待機所や管理棟から霊園の資料を持った営業マンが現れ、「ご見学ですか?」などと声をかけてきます。

墓参者と霊園見学に来られた方とでは、パッと見た瞬間で区別がつくからです。

 

そして、「チラシはお持ちですか?」などと聞かれます。

 

何故このように尋ねるのかといいますと、『見学の際には必ずこのチラシをご持参下さい』と記載されたチラシやDM等を持参されたお客様が見学に来られた場合には、「そのお客様の担当は、自動的にチラシ等を発行した石材店となる」というふうに定めている民営霊園が数多く存在するからなのです。

 

このときに、お客様の方から石材店を指定したり、特定の石材店のチラシを持って行かなかった場合には、声をかけてきた担当者の石材店が自動的に見学者のお墓のすべてを担当することになります(これを仮に「A石材店」とします)。

 

この決定にはお客様側の意思は関係ありません。

極めて一方的に決定されてしまうのです。

 

一度、担当の石材店が決まってしまうと、そのお客様の墓石建立に関するすべてを「A石材店」が請け負うことになります。

 

墓石の価格やデザインなどが気に入らず、担当の石材店を変更したいと思っても、指定石材店制度が採用されている霊園では変更は認められません。

それどころか、「A石材店」と他の石材店を比較するために、相見積もりをとることも認められないのです。

 

お客様がどうしても「A石材店」ではお墓を建てたくないとなった場合には、その霊園にお墓を建てることは実質的に不可能になります。

 

「A石材店」と縁を切るためには、霊園そのものを変更しなければなりません。

しかし、墓地の購入は一般的な宅地などと違い、「使用権の取得」なので墓地を返還してもお金は戻ってきません。

これは、民営霊園に限らず、どんな墓地でも同じです。

 

とても不自然なことと思われるでしょうが、これが、民営霊園の大多数で行なわれている「指定石材店制度」の本当の現実の姿なのです。

 

「ご見学ですか?」と声をかけられたら要注意ということです。

のじま

6.「指定石材店制度」の問題点

「指定石材店制度」の問題点

この項では、消費者側から見た「指定石材店制度」が抱える問題点について考えてみましょう。

 

6-1.指定業者が明示されていない

どの民営霊園のホームページを見ても、指定石材店名の一覧が明示されているところはほとんどありません。

 

なかには、管理棟の入口や霊園内に指定石材店の社名が書かれたプレートや看板等を掲げているところもありますが、ほとんどの民営霊園では指定石材店名の明記はされておりません。。

 

という以前に、「指定石材店制度」なるものが存在することすら、一般の消費者には知らされていないのが現状です。

 

6-2.担当する石材店はすべて売り手の都合で決定

ほとんどの民営霊園では、見学に訪れたお客様を案内する担当石材店の順番等が、売り手側の都合で事前に決められています。

 

霊園内の待機所に、各石材店の営業マンが見学者が来園されるのを待ち構えていることは、すでにお話いたしました。

そして、見学者をどの石材店が担当するかは、霊園側の意向や石材店同士で取り決めた順番によって決定されます。

 

そこに消費者側の意思は、まったく反映されていません。

 

6-3.指定石材店の実力にバラツキがある

民営霊園の運営に参画している石材店の規模・力量・キャリア・実績にはバラつきがあります。

 

一つの民営霊園に参画している石材店は、数社から二十数社にもなります。

 

それらの石材店には、店主自らが石材の選定をし、お客様のご要望に応じて自社でデザインから設計までを行ない墓石を提供している、従業員が数人という小規模な会社もあれば、全国に店舗展開をしている大手石材店まで、その規模は様々です。

 

もちろん、それらの会社がつくる墓石の品質や構造、施工工法、営業マンの力量、そしてデザイン的センス等もバラバラです。

なのに、それらの石材店が同等の資格を有しているところに問題があるのです。

 

そのため、霊園によっては、担当する石材店によるデザイン力、提案力、技術力などの差が出ないようにするため、霊園側(実際は指定石材店内で協議して決定されている)が、墓石の仕様を統一しているケースもあります。

 

  • 墓石に使用する石種を限定
  • 「和型墓石」の形と外柵は統一
  • 「デザイン墓石」はA・B・Cの3種類に限定

 

などに統一することで、どこの指定石材店に当たっても、提供される墓石に差が生じないようにしているのです。

もちろん、どの指定石材店で購入しても価格は同じです。

 

こうすることにより、複雑なデザインでの設計依頼や、担当石材店の営業マンが知らないようなめずらしい石材での注文があったとしても、「霊園の規定で定められた墓石しか建てらません」と断るしかなく、個々の石材店や営業マンの力量を均等化できるのです。

 

消費者の要望どおりのお墓が建てられない民営霊園があるということです。

のじま

6-4.担当石材店はいかなる理由があっても変更できない

民営霊園のほとんどは、お客様側の意思で担当する石材店を変更することはできません。

 

また、他社と比較検討することも認められません。

 

売り手側の「順番」によって決まった担当石材店以外では、その霊園でお墓を建てることはできないのです。

 

  • 担当営業マンの態度が悪い
  • 知識が乏しい
  • 説明が不明瞭
  • 見積もり価格の内容が納得できない

 

などの理由で、消費者側が石材店を変更したいと希望しても認められません。

 

そればかりか、墓石の構造や施工工法の違い、墓石のデザインの優劣を他社と比較することすらできないのです。

 

なんか聞いてて腹が立ってきたわ!

いったい、どこを向いて商売しているわけ!?

京ちゃん

私もそう思います。

それゆえに、当社では現在民営霊園の取り扱いはしておりません。

のじま

 

7.消費者庁の「6つの原則」と指定石材店制度

消費者庁の「6つの原則」と指定石材店制度

2009年(平成21年)9月1日に、新しい省庁である消費者庁が発足しました。

これは、消費者の観点から政策全般を監視する組織の実現を目指して設置された組織です。

 

新組織の設立にあたっては、消費者の立場を尊重した指導・監督を行うために、以下の6つの原則が打ち出されました。

 

  1. 消費者にとって便利でわかりやすい
  2. 消費者がメリットを十分実感できる
  3. 迅速な対応
  4. 専門性の確保
  5. 透明性の確保
  6. 効率性の確保

 

この原則の注目ポイントは、企業側に対して、消費者側にとって利便性が高くメリットを十分に実感できる企業活動を目指すことを促そうとしている点でしょう。

 

消費者庁設置の必要性を訴えた当時の福田首相も、2008年(平成20年)1月18日の施政方針演説の中で、「これまでの生産者・供給者の立場からつくられた法律や制度、さらには行政や政治を、国民本位のものに改めなければなりません」と述べています。

つまり、これまで供給者側(企業側)の立場にたち、既得権益を優先するというかたちで政策が展開されてきたことを反省し、今後はより消費者側の視点に立ったやり方に転換していかなければならないということです。

 

あらゆるサービスの基本的な前提である、「消費者の視点に立つ」という観点から指定石材店制度というシステムを眺めた場合、この仕組みは果たして消費者のためになっていると言えるでしょうか?

 

  • 民営霊園の販売等に参画している指定石材店名の一覧を、見学者の目につく場所に掲示しないことは、消費者にとって「わかりやすい」でしょうか?
  • 一般消費者が霊園見学に訪れた際に、売り手側の都合で決められた順番で担当石材店が一方的に割り振られ、石材店の変更も他社との比較検討もできないという現実は、消費者が十分に「利益を享受している」と言えるでしょうか?
  • 透明性や建墓希望者にとっての効率性は確保されているでしょうか?

 

決してそうとは言えないと思うのです。

 

むしろ、消費者にとっては「不利益」となっている側面の方が多いのではないでしょうか?

 

8.「指定石材店制度」に関するトラブル事例

「指定石材店制度」に関するトラブル事例

民営霊園の「指定石材店制度」は、その制度の存在そのものが消費者に知られてない(あえて知らせていない?)ことから、何も知らずに霊園の見学に訪れた消費者の方々が、お墓を建てる際にトラブルにまきこまれることも少なくありません。

 

ここでは、そんなトラブルの実例を紹介いたします。

 

【事例1】石材店が不満だが変更できない!

霊園見学の際に、一方的に割り振られた担当石材店の社長と営業マンの接客態度が悪い。

時間の約束を守らないなどの不手際もあり、石材店を変更したい旨を申し出たら、「それは無理だ!どうしても嫌なら、もうここでお墓を建てることはできない」と担当石材店から一方的にに言われた。

どうしても納得できません。

加藤さん

これは、加藤さん(仮名・40代女性)が経験された事例です。

「指定石材店制度」についての知識がないまま(大半の方がないです)見学のためにふらっと霊園を訪れたところ、その「態度が悪い」石材店が担当に決められてしまったということです。

その後、加藤さんはその霊園にお墓を建立することをあきらめたそうです。

のじま

 

【事例2】霊園指定石材店の見積もりが高額でびっくり!

石材店に勤めている親戚がいるので、自分のお墓はその会社で建てようと考えていましたが、霊園の管理者から「指定業者以外は工事をしてはいけない」と言われた。

指定の石材店で見積もりをとったところ、とんでもなく高額なので驚いている。

渡辺さん

これは、ある民営霊園を見学されたという渡辺さん(仮名・50代男性)の事例です。

渡辺さんの場合、事前に親戚が勤める石材店でお墓の見積もりをしてもらっていたそうなのですが、霊園の指定石材店が見積もった金額は、その2倍近い金額だったとのことです。

なぜ金額にこんな開きがあるのか理解ができず、また、他の指定石材店との比較もできないので困り果てているそうです。

のじま

 

【事例3】自分の好きな「デザイン墓石」が建てられない!

オリジナルデザインのお墓を建てたいと考えていたが、一方的に担当になった霊園の指定石材店から、「お墓の形はカタログに載せている3種類の中からしか選べない」と言われた。

自分なりのお墓のイメージを伝えたが、「うちではできない」の一点張り。

他の指定石材店の中には、要望に応じてくれるところもあるようだが・・・

吉田さん

これは、主婦の吉田さん(仮名・50代女性)から寄せられた事例です。

なんでも、その石材店にはオリジナルデザインのお墓を提案したり、デザインや設計ができるスタッフがおらず、また、取り扱っている石材の種類も限られているため、吉田さんが希望する「デザイン墓石」には対応ができないと言われたそうです。

同じ霊園の中に入っている指定石材店の中には、「オリジナルデザイン墓石」の製作を得意としている石材店があることを後になって知りましたが、担当となった石材店の変更は一切認められず、事前に下調べをして行かなかったことを後悔しているということでした。

のじま

 

 

9.民営霊園でトラブルに遭わないために…

民営霊園でトラブルに遭わないために…

民営霊園に「指定石材店制度」があることはどうしようもありません。

 

「気に入らない」「納得できない」と言ったところで、法律に違反しているわけではないので訴えることもできません。

それでも「その民営霊園でお墓を建てたい」と言うのなら、可能な限りトラブルを回避に努めるしか方法はないのです。

 

そこで、「指定石材店制度」に関するトラブル回避の方法を挙げてみました。

 

(1)民営霊園が指定している石材店を事前にチェック

霊園見学へ行く前にインターネットや電話で問い合わせをするなどして、霊園の指定石材店を調べておきましょう。

意中の石材店があれば、先ずは霊園見学より先にその石材店に出向き、思った通りの石材店であれば、見学の際にその石材店に霊園へ同行をしてもらうか、霊園内で待ち合わせるようにしましょう。

 

(2)霊園見学の際に、名前・住所・電話番号などの個人情報を教えない

霊園見学へ行くと、対応した担当石材店の営業マンが、必ずと言っていいほど名前や住所等を専用の用紙に記入するよう求めてきます。

その際、安易に名前・住所等の個人情報を教えてしまうと同時に、その対応した営業マンの石材店が担当石材店として決定されてしまいます。

気に入った墓地を仮押さえ(仮予約)するのにも、名前・住所・電話番号等を記入する必要がありますので注意が必要です。

 

(3)おかしいと感じたら、とりあえずは霊園管理者側に相談する

霊園に参画している指定石材店各社の墓石の品質や工事内容、デザイン提案力、営業マンの力量等にはバラつきがあります。

担当石材店と商談を進めていく過程で、少しでもおかしいと感じたら、とりあえずは霊園側に相談して解決を図りましょう。

ただし、霊園側に相談をしても必ずしも石材店を変更してもらえるとは限りません。

 

なんか納得のいかないことばかりだけど、「指定石材店制度」について詳しく知ることができたのは大きな収穫だわ。

でも、家から少しくらい遠くても、やっぱり公営墓地にしようかなぁ・・

京ちゃん

もし、「指定石材店制度」のことを知らないまま墓地を購入していたら…と考えるとゾッとします。

新くん

二人とも、今日の話はそれなりに役に立ったようですね。

のじま

 

 

10.まとめ

どうして、多くの民営霊園では「指定石材店制度」が採用されているのでしょうか。

 

それには、霊園の開発や造成には億単位の多額の費用が必要なことから、経営主体である宗教法人(通常は寺院)や財団法人だけでは資金がまかなえず、複数の業者から援助を受けて開発がおこなわれることや、霊園開発後の管理や運営面においても、石材店のサポートが必要なことなどの理由があります。

 

そこで、先ずは「指定石材店制度」があることによる消費者側のメリットを考えてみましょう。

 

一つは、墓石の建立や施工工事等において担当の石材店との間に何か問題が生じたときに、当事者である担当石材店とともに、その石材店を指定した霊園側にも責任を問えるということです。

当事者のみによる話し合いではなく、霊園の経営主体側も巻き込んだ協議ができるのは、かなりのメリットかと思います。

 

次には、お墓建立後に発生する、ご納骨やご戒名の追加刻字等のアフターケア部分を円滑に進めるため、出入りの石材店を1社~数社に限定し、霊園の指定石材店としているからです。

実際に、お墓を建立してから20年、30年後に、ご納骨やリフォーム工事等を依頼する際に、そのお墓を施工した石材店と連絡が取れない状況やアフターケアに対応してくれない状況など、墓地の管理者側に迷惑が掛かったという事例も実際に時々起こっているようです。

そのため、霊園管理者としては、「ここならきちんと対応してくれる」という石材店を指定石材店として出入りさせているのです。

 

ただ、今回の記事にも書かせていただいたように、消費者側から石材店を選ぶ権利を奪っていることや、この制度の存在そのものが周知徹底されていないことによるマイナス面の方が大きいと言えるのではないでしょうか?

 

しかし、どうこう言ったところで民営霊園の「指定石材店制度」がなくなるわけではありません。

そうなると、やはり重要なのは、霊園の経営主体側や指定石材店は、お客様が真に満足できる霊園や墓石、そしてサービスを提供することです。

 

特に、指定石材店は「指定石材店制度」の上にあぐらをかくのではなく、お客様から「さすが霊園が指定しただけの石材店」と言われるようでなければなりません。

 

事実、民営霊園のすべてにトラブルが発生しているわけではありません。

 

たとえ、墓地代や墓石材が高額であっても、極めて人気の高い民営霊園も数多くあります。

 

どんな商売も同じですが、売り手側の考え方次第ということです。

 

【参考・引用文献】「霊園ガイド」(株式会社六月書房発行)

 

【実録映像】お客様インタビュー動画(00:04:40)

 

私たちに30分の時間をください!

私たちに30分の時間をください。失敗しないお墓選びの秘訣をお伝えいたします。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

しかし、この記事だけでは、あなたのお墓への疑問を解決するにはまだまだ情報量が足りません。

 

もし、あなたが、

 

  • 満足のいくお墓を建てたい
  • お墓づくりで絶対失敗したくない

 

と思われているのなら、私たちに30分だけ時間をください。

 

方法は簡単です。

当社にお電話をしていただき、「お墓無料相談」の予約をしていただくだけです。
└フリーダイヤル:0120-756-148(ナゴム・イシヤ)

 

スマホなら、下記の電話番号をプッシュしていただくだけです。

 

 

ご対応は、一般社団法人日本石材産業協会認定の「1級・お墓ディレクター」資格者である、私、能島孝志が承ります。

もちろん、相談は一切無料です。

 

私たちに30分のお時間をいただければ、あなたがお墓づくりで失敗する確率はかなり少なくなるはずです。

また、当社にご来店いただければ、あなたのお墓づくりの半分は成功へと近づくでしょう。

 

そして、あなたのお墓づくりを当社にお任せいただけるのなら、満足を超えた感動をご提供できると自負しております。

 

しかし、問い合わせをすれば、

 

  • 「売り込まれるんじゃないか?」
  • 「後からしつこく電話が掛かってくるんじゃないの?」

 

なんて、心配をされているのならご安心ください。

 

当社では、

しつこい営業は絶対にいたしません。
売り込み電話は絶対にいたしません。
自宅への押しかけ営業は絶対にいたしません。

 

安心してご相談ください。

 

「お墓無料相談」のご予約は、以下のフォームから、お電話・メールにてお申し込みください。

 

 

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