国産墓石を選んでも必ずしも良いお墓ができるとは限らない理由とは？

お墓を建てるとなったとき、やはり悩むのが墓石選びです。

 

今や、中国産の墓石が多くを占める時代ですが、

 

「やっぱり、国産の墓石の方が安心な気がする…」

 

こんなふうに考えてしまう人は決して少なくありません。

 

お墓を建てるのは、一生に一回あるかどうかの大きな買い物です。

 

それだけに、「安心」という観点から国産の墓石を選ぶという選択は決して間違っていないと思います。

ただ、「国産の墓石を選んでさえおけば間違いない！」という考えなら少々心配です。

 

つまり、国産墓石を選んでも、良いお墓になるとは限らないということです。

 

いったい、どういうことなのでしょう？

 

1.お墓の「国産」には2種類ある！？

日本人は極めて「Made in Japan」にこだわる民族です。

 

• クルマ
• 家電製品
• 食品

 

どんなものであっても、「国産」というだけでで、とりあえずは安心してしまうのです。

 

お墓も例外ではありません。

国産墓石というだけで、多くの消費者は「良いお墓」と思っています。

 

ところが、お墓の場合、「国産」には2種類あるのです。

 

国産が2種類？

なにやら、よく分からない表現ですよね。

 

では、詳しくご説明いたしましょう。

 

1-1.国内加工の国産墓石

まずは、「国内加工の国産墓石」からご説明させていただきます。

 

国内加工の国産墓石とは、“日本の石を日本国内でつくられるお墓”のことです。

 

その中には、自ら原石を仕入れ、自社でつくり上げる国産墓石もあれば、墓石加工を専門としている業者から仕入れ販売されている国産墓石もあります。

 

近年では、お墓を原石からすべて自社で加工している石材店は、全国的にも少なくなっており、特に都心部では皆無に等しい状態です。

では、いったいどこでつくられているのかというと、主に石材産地、いわゆるお墓に使用する石が採れる地域です。

 

有名どころでは、日本三大石材加工地と呼ばれる、

 

関東、茨城県の「真壁（まかべ）」。

東海、愛知県の「岡崎」。

そして、世界一高級な墓石材、庵治石が採石される、四国、香川県の「庵治・牟礼（あじ・むれ）」です。

 

また、その他の石材産地付近でも加工専門工場が点在しています。

 

これらが、国内加工の国産墓石です。

 

1-2.中国加工の国産墓石

次に、中国加工の国産墓石ですが、読んで字のごとく中国でつくられる国産墓石のことです。

 

中国加工なのに国産墓石???

 

一般消費者からすると、何やらよく分からない代物ですよね。

 

これは、日本国内で産出された石を中国に送り、中国の石材加工工場にて墓石として加工され、再び日本に輸入されるお墓のことなのです。

 

「中国でつくっているのに、どうして国産墓石なの？」

という言葉が帰ってきそうですが、実はこれも一応国産墓石なのです。

 

現在の日本の法律では、素材である石が国産ならば、加工地が中国であっても「国産」として販売しても問題ないのです。

 

それゆえに、中国加工の国産墓石を販売する石材店は、あえて消費者に中国加工と言う必要もなく、堂々と「国産墓石」として販売できるわけです。

 

「日本の石だから当然日本でつくられているはず！」と、思うかどうかは消費者の勝手ということになります。

 

そして、今やこれら中国加工の国産墓石が、国産墓石の大半を占めているというのが現状です。

 

2.国産墓石は国内加工と中国加工のどちらが良いのか？

日本国内でつくられる国産墓石と、中国の石材加工工場でつくられる国産墓石とでは、どちらの方が品質は良いのでしょうか？

 

これって愚問かもしれませんね。

 

人間ですから日本と中国の関係なく、人それぞれ技術力の違いはあるでしょうが、それを差し引いても間違いなく「日本」です。

 

これは、お墓に限ったことではありません。

日本のモノづくりが中国より劣るものって、ほとんどないかと思います。

 

ましてや、自然素材である石を、人の手で一つひとつつくり上げていくお墓となればなおさらのことです。

 

例えていうなら、日本料理と中華料理の繊細さの違いを見れば一目瞭然です。

 

では、なぜ日本で採れる石をわざわざ中国に送ってまで墓石に加工するのか？

また、なぜ中国加工の国産墓石が大多数を占めるのか？

 

一般消費者からすると、きっと不思議に思われることでしょう・・・

 

その理由は、単に安い値段でつくれるからです。

 

それ以外の理由は何もありません。

 

高品質を求めて中国でつくっているわけではありません。

日本国内に石職人がいないからでもありません。

 

コストダウンだけが目的です。

 

そして、値段が安い方が売れるからです。

 

3.国内加工の国産墓石ならすべて安心か？

国産墓石には2種類あることはご理解いただけたかと思います。

 

では、国内加工の国産墓石を選んでおけば問題ないのでしょうか？

ここは、気になるところかと思います。

 

日本全国の石材店の大半は、墓石加工専門の業者がつくられた墓石を仕入れ、消費者の方々にご提供しています。

 

これは、京都で作られた着物を呉服店が販売したり、堺で作られた包丁を金物店が販売するのと同じく、ごく一般的な商品の流通経路と同様です。

 

ちなみに当社がある神戸市から近い加工産地といえば、やはり香川県の「庵治・牟礼」が有名で、現在も200軒ほどの石材関連工場があります。

そして、数多くの石職人が墓石をはじめとする石材製品の加工に携わっています。

 

それらの石職人たちによってつくられたお墓が、すべて同じかというと、決してそうではありません。

 

妥協を許さず、とことんこだわってつくっている考え方の加工工場。

「まあ、この程度で良いだろう…」という加工工場。

 

…と、様々です。

 

「そりゃ当然ですよね！」

 

私ども第一石材がある神戸市で有名な食べ物といえば、多くの人が思い浮かべるのは、やはり「神戸ビーフ」ですよね。

じゃあ、神戸市内のどこのお店でステーキや焼き肉を食べても美味しいか？といえば、絶対そんなことはありません。

 

お店によって味も値段も違います。

 

「お墓も同じです！」

 

お墓は、石という自然素材を人の手で加工してつくり上げていくため、世の中に二つとして、すべてが同じというものはありません。

 

それだけに、どこの誰によってつくられたかによって製品の善し悪しが大きく異なるのです。

 

4.まとめ

今回は、国産墓石を選んでも必ずしも良いお墓ができるとは限らない理由についてお伝えいたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

 

やはり、最終的には誰があなたのお墓づくりを手掛けるかなのです。

 

とは言っても、一般消費者がそれを分かるはずがありません。

ということは、それぞれの石材店が、どこの誰が手がけた墓石を販売しているのかによって、使用する石材のランクや加工精度などに大きな差が出てくるということです。

 

つまり、石材店の経営方針や経営者のポリシーが、お墓の良し悪しに最も大きな影響を及ぼすといっても過言ではありません。

 

本当に安心できる高品質の国産墓石を望まれるのなら、「石材店選び」が最も重要だということです。

 

くれぐれも、「国産墓石を選びさえすれば安心」なんて、安易なお墓選びをしないでくださいね。

 

 

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