中国産墓石の評判と国産との品質の違いを徹底解説【2021年最新情報】
今や、多くのお墓が中国産であることは、消費者の方々も少しはご存じかと思います。
日本国内に流通しているおおよそ80%以上のお墓は、中国の石材加工工場でつくられているのです。
なんと、その中には、日本の石を中国に送り、中国で墓石として加工され再び輸入される「中国加工の国産墓石」と呼ばれているものも含まれています。
こんにちは。(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」の能島孝志です。
兵庫県神戸市で、“カロート(納骨室)に水が入らない特許構造墓石”『信頼棺®』を販売する、(株)第一石材の代表を務めさせていただいております。
のじま
中国で日本向けに本格的に墓石の加工が始まったのが1990年頃。
ちょうど、平成の初め頃ですね。
それが、今では日本で建てられる大半のお墓が中国加工となっています。
いったい、どのような経緯でそのようになったのでしょうか?
また、中国でつくられる墓石は「年々良くなっている」と言う石材店もあれば、逆に「悪くなっている」と言う石材店もあります。
いったい、どちらがホントなのでしょうか?
今回の記事は、そんな疑問を解消するため、中国産墓石の現状について徹底解説させていただきます。
もし、「お墓はどこの石材店で建てても大して変わらない。違うのは値段だけ!」なんて思われているのなら大きな間違いですよ。
目次
1.墓石の加工!日本から中国への移り変わり
元来、日本では石材店が自ら墓石の加工を行っていました。
採石業者から原石(石の塊)を仕入れ、自分の店で切って磨いて墓石をつくっていきます。
そのほとんどは家内工業でコツコツと行われていたものです。
それが、昭和40年代後半から50年代になると霊園ブームが押し寄せ、多くの人々がこぞってお墓を求めるようになりました。
そうなると、墓石業界の中でもコストダウンを目指すと同時に、墓石づくりを外注する傾向が強くなってきました。
自社でコツコツとつくっている時間がないわけですね。
そこで登場してきたのが、石材商社と呼ばれる卸売業者です。
元々は、墓石の材料となる原石を石材店に卸売りしていたのですが、海外の墓石製品を取り扱い始めたのです。
その最初の生産地となったのが韓国です。
その後しばらくは韓国での墓石加工は続きましたが、1988年(昭和63年)に開催されたソウルオリンピックを機に韓国の物価が急上昇し、墓石の価格が大きく跳ね上がりました。
価格の安さを売りにする海外製品だけに、安価でつくれないとなると何の魅力もありません。
そして、韓国に変わる加工地として白羽の矢が立ったのが中国です。
中国の中でも従来から石との関わり合いが強く、仏像をはじめとする様々な石製品づくりを行っていた中国南東部に位置する福建省の沿岸部です。
それが、ちょうど平成の初め頃です。
日本が技術供与をし、いよいよ中国での墓石加工が始まったのです。
それから今日まで30年以上にもわたり、数多くの墓石が中国で加工され日本に向けて輸出され続けているのです。
2.中国の石材加工従事者の大半は出稼ぎ労働者
「工員」と呼ばれる、中国の石材加工従事者のほとんどが内陸部からの出稼ぎ労働者です。
中国では、石材加工に従事する者を「工員」と言います。
なぜか「職人」ではないのです。
工員たちが、遠く離れた郷里に家族を残し、わざわざ福建省まで出て来て働くのは、石材加工の仕事がしたいわけではありません。
ただ単に、お金が必要なだけです。
平成の初め頃(1990年頃)といえば、中国も現在のような経済大国ではありません。
むしろ、貧しい部類に入るくらいの国だったかと思います。
それゆえ、工員たちもお金を稼ぐために、日本からの無理な注文に文句も言わず夜遅くまで頑張って働きました。
それに伴い、日々技術力も向上していったのです。
3.日本と中国の墓石価格の不自然な取り決め
日本国内で加工される墓石の価格は、
- 石の値段(単価)
- 石の量(墓石の大きさ)
- 墓石の形(加工の複雑さ)
この3つの要素で決められます。
高価な石を使用し、大きなお墓を建てれば、当然値段は高くなります。
そこに、複雑な装飾加工を加えれば、別途加工賃が必要となります。
逆に、安価な石でシンプルな形の小さなお墓にすれば安い値段でつくれます。
これって、お墓に限らず、他のものでも言えることですよね。
良い素材をたくさん使えば、どんなものであっても高い値段になります。
そこに手間暇が加われば、さらに価格に影響するのは当然のことです。
しかし、中国での墓石加工の価格設定はちょっと変わっています。
- 石の値段(単価)
- 石の量(墓石の大きさ)
大きくはこの2つだけです。
つまり、石の単価と量だけで墓石の価格が決まるということなのです。
極端に言えば、簡単な加工も難しい加工も、石の単価と量が同じなら値段は同じということですね。
これを業界専門用語で「丸才単価(まるざいたんか)」と言います。
こんな摩訶不思議な、日本と中国の価格の取り決めが、後に技術面にも影響してくるのです。
4.どんどんエスカレートする墓石のデザイン
日本と中国との墓石加工に関する価格設定の取り決めは、中国での墓石加工が始まった当初から「丸才単価」でした。
その当時のお墓の形といえば、どれもがほぼ同じ形です。
違うのは、石の種類とサイズくらいでしょう。
それゆえ、中国側としても、丸才単価であっても十分採算が取れたのです。
計算もしやすいですしね。
しかし、それからしばらくすると、自由な発想のもとにつくる「デザイン墓石」が登場しました。
簡単な加工も複雑な加工も値段は同じなわけですから、どんどん凝ったデザインにエスカレートしていくわけです。
これまで、四角い石を数段積み上げた形が主流であったものが、いたるところに装飾加工を施した墓石が数多くつくられるようになりました。
それでも、その当時の中国の工員たちは、文句も言わず厳しい短納期に間に合わすため残業は当たり前、時には徹夜で加工や検品をすることもめずらしくありませんでした。
すべてはお金のためです。
郷里で待つ家族のためにと頑張ったのです。
一生懸命、仕事に取り組むわけですから、日本の一流加工工場の技術には到底及びませんが、それなりに技術力も向上しました。
しかし、そんな状態はそう長くは続きませんでした・・・
5.日本人とのモノづくりに対する考え方の違い
元々、中国人の気質は、日本のように丁寧なモノづくりを志す国民性ではありません。
懐石料理と中華料理を比べてみれば一目瞭然かと思います。
そんな気質の工員が頑張ってきたのは、お金のためだけしかありません。
家族から遠く離れた地で雑居房に詰め込まれ、完全歩合制の安い賃金で丸一年間働き続けるのは、単にお金が必要だからです。
「日本人のために良い製品をつくってやろう!」なんて考えは、これっぽちもありません。
日本から注文が入った墓石が完成すると、工場の責任者の検品が待ち受けています。
そして、検品に合格してはじめて、賃金がもらえるという仕組みです。
この検品に合格するために、様々なごまかし加工が行われるようにもなったのです。
6.豊かになったことによる墓石の品質低下
当社第一石材は、めずらしく石材商社を介さず中国加工の墓石製品を仕入れている石材店です。
2000年頃から私が自ら中国に出向き、当時は2500とも3000とも言われた数の石材加工工場の中から技術レベルの高い工場を指定し、極めて信頼できる仲介業者を通じて加工を依頼してまいりました。
それから20年以上も中国という国を見てきて感じたのが、とても裕福になったということです。
裕福になることは別に悪いことではありません。
むしろ、良いことだと思います。
ただ、日本人にとって少々都合が悪いだけなのです。
裕福になったことで、工員たちはこれまでのように頑張らなくなってしまいました。
それにより、墓石加工の品質が低下したのです。
複雑な加工ならなおさらのことです。
そりゃ、簡単な加工も複雑な加工も値段は同じなわけですから、手間が掛かる加工になればなるほど「この程度で十分」となってしまうわけです。
つまり、裕福になってきたことで、日本と中国のおかしな墓石価格の取り決めに気づいたのです。
まんざら、その気持ちがわからないこともないですがね・・・
7.日本と中国の立場が逆転
墓石の加工に関して、日本はこれまで中国にさんざん無理難題を要求してきました。
- 短納期での注文
- 必要以上の複雑な装飾加工
- 運搬上の破損はすべて中国の責任
当時は、中国側もそれを甘んじて受け入れるしか仕方がありませんでした。
しかし、今はそうはいきません。
その最も大きな引き金になったのが、2010年のことです。
ついに日本が、GDPで中国に追い抜かれる日がやってきたのです。
中国が初めて日本のGDPを上回り、世界第二の経済大国になったわけです。
中国側から見れば、日本は「自分たちより下」ということです。
今までは、雲の上のような存在であった日本が格下になったことで、これまでのように、日本側からの要求をすんなりと聞いてくれなくなったのです。
極端な例を挙げると、「ここをこうして欲しい」と言っても、「これのどこが悪い」といった感じです。
こちら側の思い通りにしてもらうためには、別途加工賃を払い、なだめすかしてやってもらうしかありません。
8.石材加工は中国でも「3K」の職種
一時は、多くの出稼ぎ労働者が石材加工の行員として働いていました。
しかし、今では中国も裕福になったため、なかなか工員のなり手がいません。
家族と離れて出稼ぎなんてしなくても、郷里で仕事があるからです。
石材加工の仕事は、今や中国でも「3K」の業種なのです。
それゆえ、ここ10年ほどで工員の賃金は倍以上になり、待遇も大幅に改善されました。
今や、徹夜どころか残業すら、ほとんどありません。
また、工場側もこれまでのように、工員に厳しく指示が出来なくなりました。
辞められては困るからです。
そんな事情も、中国産墓石の品質に影響を及ぼしているのです。
9.現状で考えるベストな中国産墓石とは
中国での石材加工事情がこれまで通りにいかなくなったと嘆いたところで仕方ありません。
まさか、墓石から外柵までのすべてを国内加工というわけにもいきません。
現時点では、まだまだ中国と上手に付き合っていくしか方法はないのです。
では、消費者が石材店に中国産の墓石を注文するときには、どのような点に注意をすればよいのかを具体的に見ていくことにいたしましょう。
9-1.中国には安くて良いものはない
中国人は日本人のようにお人好しではありません。
大国だけに、自分の身は自分で守るしかないということを、身に染みて知っているからです。
それゆえ、信じることができるのはお金だけなのです。
中国には、数多くの石材加工工場があります。
- 値段は高いが技術力も優れている工場
- 値段は安いが品質も悪い工場
大まかには、この2つに分かれます。
間違っても、日本のように安くて品質の良いものなんてないことを知っておくべきです。
9-2.極端に値段の安い墓石には要注意
今や、複数の石材店での相見積もりは当たり前の時代です。
そして、多くの消費者が最も気になるのが、お墓の値段です。
売る側の石材店としても、なんとか契約に結びつけたいので、なるだけ安い金額で見積もり提示をしたいところです。
それには、元となる仕入れを安く抑える必要がありますので、石材商社の営業マン相手に価格交渉をするわけです。
そうなると、石材商社としても、最安値の中国の石材加工工場で製作するしか方法がありません。
当然のことですが、品質はご想像どおりです。
9-3.複雑な加工のデザイン墓石は避ける
日本と中国との昔からの取り決めで、簡単な形の墓石でも複雑な加工の墓石でも値段は同じであることは、すでにご承知のことかと思います。
しかし近年では、工場によって特別加工賃を取るところも、わずかながら出てきました。
特別加工賃と言っても、国内加工とは比較にならないほど微々たるものですが・・・
かと言って、過度の装飾加工を施した墓石を今の中国に依頼するのはリスクが高くなります。
特に機械を使って磨くことができない、アール加工を多用したデザインなどは、かなり危険です。
なにしろ、一生懸命頑張って良い製品をつくろうという考えの工員がいないのですから・・・
これは、石材店の役割ですが、「これくらいなら、なんとかつくれるだろう」と、あらかじめ判断できるデザインにしておく方が賢明です。
いかにシンプルでおしゃれなデザインの墓石を提案できるかが、石材店の腕の見せ所になるのです。
10.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ちょっと驚かれたかもしれませんが、これが現在の中国産墓石の現状なのです。
そんな中で、いかに高品質の墓石を消費者のもとに届けるかは、正に石材店次第ということになります。
10年ほど前のように、電話や口頭で石材商社に注文内容を伝え、後は丸投げといった方法は今では通用しなくなってきました。
お客様の要望を石材店がきちんと把握したうえで、こと細かく石材商社に指示を出し、密に打ち合わせをするか、当社のように、石材店自らが中国に出向き中国の石材加工工場に直接指示を出すかのどちらかです。
墓石は、天然素材である石を人の手で一つひとつ、つくり上げていくものだけに、品質の善し悪しに大きく差が出ます。
そして、工業製品のような規格品でないだけに、つくる人の人柄が顕著に製品に表れやすい商品です。
ましてや、遠く離れた異国の地でつくられる中国産墓石となると、消費者レベルではどうすることもできません。
お墓は一生に一回買うかどうかの大きな買い物ですし、失敗したからといって買い替えのきくものではありません。
中国産墓石で失敗しないためには、お墓づくりを託すに値する石材店かどうかをしっかりと見極めることが最も重要なのです。
それしか方法がない、と言っても過言ではありません。
『中国産墓石の品質のばらつきは流通システムと価格設定に原因がある 』
『お墓の良し悪しのカギは中国と石材店が握っているってどういうこと? 』
【実録映像】第一石材のご紹介とお客様の声(00:04:40)
私たちに30分の時間をください!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
しかし、この記事だけでは、あなたのお墓への疑問を解決するにはまだまだ情報量が足りません。
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