世界一価格の高い国産最高級墓石材「庵治石」の種類と特徴
今や日本国内に流通するお墓の8割以上は中国でつくられています。(中国加工の「国産墓石」も含む)
そんな中で、世界で最も高価な国産最高級墓石材として知られる庵治石ですが、すべてが最高級墓石材というわけではありません。
庵治石といっても、値段はピンからキリまで。
種類や等級によって、大きく価格が違ってきます。
そこで、今回の記事は、いくつかある庵治石の種類と特徴について解説いたします。
庵治石でお墓を建てようと考えている人の参考になれば幸いです。
1.「庵治石」ってどんな石?
庵治石は、香川県高松市の庵治町と牟礼(むれ)町の境にある、山全体が花崗岩の層でできている「八栗五剣山」から産出されます。
「墓石材のダイヤモンド」と称される庵治石も特段変わった石ではありません。
地質学的には、その他多くの墓石材と同様、花崗岩の一種なのです。
しかし、庵治石は、主成分である石英・長石・雲母などの構成鉱物の結晶の大きさが極めて小さく、それぞれの組織の結合もち密なたことにより、他の花崗岩より硬質な特性を持ちます。
そんな、庵治石はいったいいつから使われていたのでしょう?
古文書によると、今からおよそ1000年前の平安時代の後期から採石や加工が始まり、海を渡り京都まで運び出されていたようです。
そこから、今の時代まで、庵治石は常に大きな注目を集め続けてきました。
その庵治石も、石目の違いから「庵治石細目(あじいしこまめ)」、「庵治石中目(あじいしちゅうめ」、「庵治石中細目(あじいしちゅうこまめ)」の3種類に分類されます。
さらに、これらの庵治石は、40~50事業所(廃業・休業中を含む)ほどの採石丁場から採掘され、各丁場や採掘時期などによって、原石の状態や価格も大きく異なります。
2.「庵治石細目(あじいしこまめ)」
3種類の庵治石の中でも、最も高級なのが「庵治石細目」です。
しかし、庵治石細目もピンからキリまであり、価格も大きく異なります。
庵治石細目は原石の中に含まれる小さな黒雲母の数が多いため、磨くと「班(ふ)」と呼ばれる独特のまだら模様が現れるものもあります。
庵治石の最大の特徴である、この「班(ふ)」(又は「ぼたん」と呼ばれる)は、石に湿り気・潤いを与えたような二重のかすり模様で、世界中の石材の中でも類がなく、庵治石細目を中心とした、庵治石の最高級品だけに現れる現象です。
庵治石細目の美しさは、「班」が浮くというだけではなく、磨き上げた際の鮮やかな光沢が年月を経ても保ち続け、低い吸水率と極めて硬い石質のため、経年劣化が少ない耐久性にも優れた世界一の最高級墓石材として折り紙つきの素材です。
けれども、近年では、高値で販売するため、人工的にこの「斑」を付けたり、中国の石材加工工場でつくられた粗悪な庵治石の墓石も数多く存在します。
せっかく最高級の墓石をと選んだ庵治石細目の墓石が、このような粗悪品に当たらないとも限りません。
「庵治石細目」で墓石をお考えの際には、庵治石に精通した石材店に依頼することが大切です。
■比重:2.66
■吸水率:0.19%
■耐用強度:24.2㎏/㎡
3.「庵治石中目(あじいしちゅうめ」
「庵治石中目」も庵治石細目と同じく、石英・長石・雲母が主成分となっていますが、黒雲母の含有数が庵治石細目より少ないため、庵治石細目と比べると白っぽい印象を受けます。
また、白雲母もわずかに含んでいるため、銀粉を吹き付けたような輝き放つものもあります。
硬度や低吸水性など、庵治石の優れた性質は、庵治石細目と大差ありません。
庵治石中目の中でも、最高級品になりますと、庵治石細目に負けないくらい見事な「班(ふ)」が現れるものもあります。
白銀の上品な色目のコントラストが、庵治石細目とは一味違う優美な光沢と風合いをかもしだしています。
値段に関しては、庵治石細目と比べると少し安く、同じく国産銘石の一つである、愛媛県産「大島石」の特級材クラスと同等の価格帯ですので、高級墓石材に変わりありません。
しかし、この庵治石中目も採石される丁場により、見た目も品質もピンからキリまであります。
素晴らしい「班(ふ)」が浮き、変色や変質もしにくい良質なものから、建墓後わずか数年でサビが出るようなものまであります。
庵治石中目の墓石を購入する際にも、庵治石細目と同様に、庵治石をよく知り、産地と密接な関係を持つ石材店を選ぶことが重要です。
■比重:2.67
■吸水率:0.20%
■耐用強度:18.8㎏/㎡
4.「庵治石中細目(あじいしちゅうこまめ)」
「庵治石中細目」は、読んで字のごとく、石目も色合いも、庵治石細目と中目のちょうど中間の雰囲気を持つ石です。
庵治石細目と比べると、黒雲母の含有量が少ないため、庵治石中目とまではいきませんが、やや白っぽく見えます。
その中でも、「黒口(くろくち)」と呼ばれる黒っぽい色目のものと、「白口(しろくち)」と呼ばれる白っぽいものがあり、黒口には、庵治石細目には及びませんが「班(ふ)」が出ているものもあります。
逆に、白口は庵治石中目に近い雰囲気で、清楚で上品な風合いをかもし出しています。
しかし、庵治石細目・中目と比べ、近年では採石量が少ないため、墓石としての需要も少なくなっています。
硬度や吸水率も庵治石細目とほぼ変わらず、透明感のある繊細で優しい石質は庵治石ならでは高級感です。
■比重:2.67
■吸水率:0.20%
■耐用強度:20.0㎏/㎡
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
こんにちは。(一社)日本石材産業協会認定「1級お墓ディレクター」資格の能島孝志です。
兵庫県神戸市で、“カロート(納骨室)に水が入らない特許構造墓石”『信頼棺®』を販売する、(株)第一石材の代表を務めさせていただいております。
能島
庵治石は、墓石材としては他の石に類のない美しさと高品質に加え、希少性という点から世界一と評され、庵治石産地には数多くの有名彫刻家がアトリエをかまえています。
また、庵治石ならではの独特の存在感が四季折々の表情を見せてくれます。
日本の風土で育まれた庵治石は、まさに「日本人の心の石」でもあるのです。
当社、(株)第一石材では、ショールームに庵治石細目最高級品の墓石を展示していると共に、庵治石に関するあらゆる相談を受け付けております。
対応は「1級お墓ディレクター」の私、能島孝志がさせていただいております。
もちろん、相談は一切無料です。
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