お墓への納骨方法!「骨壺」「納骨袋」「直にまく」どれが正しいの?
こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。
(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。
のじま
お墓にお骨を納める際には次の3種類の方法があります。
- 骨壺のまま納める
- 綿素材の納骨袋に入れて納める
- お墓の中に直にお骨をまく
いったい、どの納骨方法が正しいのでしょう?
たしかに納骨の方法は大きく分けて3種類あります。
大切な家族のお骨だけに最も気になるところですよね。
それでは、詳しくご説明させていただきます。
きっと、あなたが知らない驚くべき事実もありますよ!
目次
1.納骨方法は地域性や宗教、宗旨・宗派によって異なる
結論から申し上げますと、どの納骨方法が正しいということはありません。
納骨方法は、地域によっても異なりますし、宗教、宗旨・宗派などによっても違ってきます。
また、同じ宗旨・宗派であっても、僧侶の考え方によっても違う場合もあります。
全国的にみると、お骨が入っている骨壺をそのまま安置する納骨方法が多いようです。
しかし、関西を中心とする近畿地方では、骨壺に入っているお骨を綿の布で作った「納骨袋」に移し替えてお墓の中に納める方法が多く用いられています。
これは、お骨を「大地の自然に還す」という考え方にもとづく納骨方法なのです。
同様に、お骨をお墓の中に直にまいて納めることもあります。
ちょっと乱暴な感じもしますが、こちらも立派な納骨方法なのです。
いずれの納骨方法も、どれが正しいというよりも、地域性や宗教観による長年の慣習で行われてきたものです。
私の考えとしては、それよりも、、、
- お施主様の正直な気持ちはどうなのか?
- どのように納骨してほしいのか?
そこが最も重要なのではないかと思います。
今の時代、個々の考え方を無視して、地域性や慣習ばかりを押し付けるのもちょっと強引な気がいたします。
2.骨壺のサイズや納骨室の構造も地域ごとに異なる
地域によって納骨方法が異なると共に、骨壺のサイズやお墓のカロート(納骨室)の構造も違います。
たとえば、関東地方の骨壺は7~8寸壺。
丸い部分の直径が21~24㎝の骨壺で、骨壺の中では最も大きなサイズです。
芸能人などの有名人の葬儀がテレビで映し出される際に、喪主が胸元に抱えている大きな骨壺です。
逆に、関西地方の骨壺は、4~5寸(直径12~15㎝)と小さめです。
この違いは、関東のように焼骨されたお骨をすべて骨壺に納めるか、関西のように、お骨の一部だけを骨壺に入れて持ち帰るかの違いです。
では、東西で骨壺のサイズが分かれるのかというと、そういうわけではありません。
岡山県や広島県なども、6寸(直径18㎝)位の骨壺を用いますし、高知県は関東と同じ7~8の骨壺です。
当然ながら、骨壺のサイズが異なれば、お墓の納骨室の広さや構造も異なってきます。
たとえば、関東サイズの大きな骨壺は関西のお墓には入りません。
そして、関西地方のお墓は、「お骨を大地の自然に還す」という考え方のもとに納骨するため、カロートの底は土の状態になっています。
関東・関西以外の地域も、お墓全体の形や納骨室の構造もそれぞれ違います。
やはり、骨壺のサイズや納骨室の構造も納骨の方法と同じく地域性があるようですね。
3.現代の社会構造を考えた納骨方法であるべき
納骨の方法には、
- 骨壺のまま納める
- 綿素材の納骨袋に入れて納める
- お墓の中に直にお骨をまく
これら、3種類の方法があることはすでにお話しいたしました。
いずれも、地域性やこれまでの慣習によるもののようです。
でも、、、
今の時代本当にそれで良いのでしょうか?
特に、関西地方の、お骨を「大地の自然に還す」という考え方のもとでの納骨方法です。
その昔は、土葬による埋葬のため、亡骸を永遠にそこから他の場所へ移すことなどないという前提でのお墓でした。
しかし、ひとところに一生涯定住するということがままならない現代社会においては、お墓の改葬(お引越し)も決してめずらしいことではありません。
それどころか、将来的にお墓を祀る者がいなくなり、お骨を別の施設に移すことも十分にあり得る時代です。
そう考えると、お骨を納骨袋に入れ替えて納骨したり、お墓の中に直にまくのは、今の時代に即した方法とは言い難いのではないでしょうか。
むしろ、どのお骨が誰のものかがわかるように、骨壺できちんと保管しておく方が論理的のように思えます。
また、それ以前に、お骨を「大地の自然に還す」と言いますが、実際にはそう簡単に土には還りません。
むしろ、「土には還らない」と考えた方がいいかもしれません。
土葬だと、亡骸が腐敗することにより、バクテリアの作用等によって長い年月を掛けて土に還るのですが、焼骨の場合はそう簡単にはいきません。
1000度前後の高温で火葬されたお骨は、セラミック(陶器)状になるため、数十年や百年程度では土に還りません。
遺跡から、はるか昔の陶器が発見されるくらいですから、どれだけの年月が掛かるのか想像がつきません。
当社の例ですが、お墓の建て替え工事のため、40年近く前に納骨されたお骨を出す機会がありました。
納骨方法は、お骨をお墓の納骨室の中の土の部分に直にまかれていました。
当然のことながら、お骨は土になど還っていません。
お施主様いわく、「ほぼ納骨当時と変わっていない」とのことです。
ましてや、どのお骨が誰のものかもわかりません。
「こんな状態なら、初めから骨壺のまま納骨していたら良かった」と悔やんでおられました。
4.お墓のカロート(納骨室)内の環境を考える
納骨の方法や骨壺のサイズ、そしてお墓のカロート(納骨室)の構造も地域ごとに異なることはご理解いただけたかと思います。
では、肝心の納骨室の中はいったいどうような状態になっているのでしょうか。
おそらくですが、お墓を開けて納骨室の中を除いて見たことがあるという人は、ほとんどいないでしょう。
見たことがないのなら、あまり見ない方がいいかもしれませんね。
実は、日本全国のほとんどの地域のお墓は、納骨室の中に水が入ってしまう構造なのです。
ひどい場合は、納骨室の中に水がたまりお骨がプカプカと浮いていることもあります。
また、水だけではなく、クモやムカデなどの虫のすみかになっていたり、ハチが巣を作っていたりすることもめずらしくありません。
多くの消費者はご存じないでしょうが、実際にこんな環境のところにお骨が納めされてあるのです。
もし、あなたの大切な家族のお骨が水びたしになっているとしたら、あなたは耐えられますか?
このような、お墓の水問題を解決すべく、当社第一石材が開発したのが、特許構造の“納骨室に水が入らないお墓”「信頼棺®」です。
「信頼棺®」は、特許登録(特許登録第6465491号)、実用新案登録(実用新案登録第3215973号)、商標登録(商標登録第5905643号)済みの、第一石材が知的財産権を保有する独自構造墓石につき、当社ならびに、「信頼棺®」フランチャイズ正規加盟店でしか取り扱いできません。
5.お墓への水の侵入問題に真剣に取り組まない墓石業界
お墓の中に水が入ることは、意外と一般消費者には知られていません。
そりゃあ、お墓参りの際に、お墓を開けていちいち中を確認する人などほとんどいないでしょうから、当然と言えば当然かもしれませんね。
しかし、私たち石材店は、お墓の中に水が入ることは誰でも知っています。
「誰でも」です!
ただ、消費者が知らないのならクレームになることもないので、これといった対策が施されないまま今日まで続いているのです。
また、お墓の中に水が入る問題については、石材店だけではなく僧侶までもが短絡的な意見を述べられているケースもあるようです。
このことについて、兵庫県豊岡市の「おおきた石材店」の代表である大北和彦さんがブログに書かれています。
おおきた石材店様は「信頼棺®」の正規加盟店様でもあります。
大北さんがネットで見かけた記事について、ご自身の考えを述べておられます。(以下引用)
仏事に関する質問を僧侶の方が答えるというページです。
「父の遺骨を納骨しようと思っているが、お墓の内部に雨水が侵入して骨壺が水没すると聞くが、何とかならないのか?」という質問に対して、何人かの僧侶の方のお答えはいくつかあったんですが、みなさん、おおよそ、「お墓に水は入る、入ってくるだろう」とのお答え。
で、その対処の仕方として、
- 骨壺に水が入ってきてしまうのは仕方ないので、納骨袋に移し替えましょう。
- 水が入ってきてしまうのはどうしようもないので、水が溜まらない骨壺に移しましょう。
- 土に還るように納骨袋に移し替えましょう。
- 骨壺の底に穴を開けたらどうですか?
というのが、主な回答でした。
はっきり言って、「そんな答えでいいんですか」と思いました。
全てのお答えが、基本、水が入ってきて、水没してしまう。
一旦は水の中に、ということを認めている、ってことですよね。
質問者の方は、「お父さんのお骨が水に浸かる、水没するなんて、我慢できない。何とかできないですか?」という問いに対して、その答えでいいんですか?
例えば、時期的に非常に不謹慎なことを書いてしまいますが、「水の事故などで亡くなった方のご遺族が果たしてそんなお答えで納得されるでしょうか?」という話です。
さて、あなたならこの回答で納得されますか?
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
納骨法は地域性や慣習などから異なるということをご理解いただけましたでしょうか。
でも、これからの時代、本当にそれだけで良いのでしょうか?
単に、地域性や慣習というだけで、一方的に納骨方法を決めてしまうのではなくて、お客様のおかれている状況や心情を考慮したうえで、最もベストな方法を提案することこそが石材店の存在意義ではないでしょうか。
そして、カロート(納骨室)の環境問題にも目を向けるべきです。
これまでは、消費者がこの事実を知らなかっただけであって、決して納得しているわけではないのです。
「臭い物に蓋をする」といった業界体質にも問題がありそうですね。
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
しかし、この記事だけでは、あなたのお墓への疑問を解決するにはまだまだ情報量が足りません。
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