中国で加工され輸入される墓石の品質低下と解決策
こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。
(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。
のじま
「モノづくり」というものは、時間の経過とともに品質が良くなっていくのが普通です。
クルマも家電製品もしかりです。
数十年前のものと現在のものと比べると、品質や性能は飛躍的に進歩しています。
パソコンなどのコンピューター機器に関しては、まさに日進月歩です。
そんな中で、昔と比べて品質が低下しているものがあるのです。
それは、中国で加工され、輸入される墓石です。
「中国で採れる石」という意味ではありません。
「中国の石材加工工場でつくられる墓石」ということです。
中国といえば、世界最大の墓石加工産地だけに、その品質が低下しているとなると厄介な問題です。
そこで今回は、これまで200回以上にわたり自ら中国に出向き、現地の石材加工事情を知り尽くした、日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」資格を有する能島孝志が、中国で加工される墓石が品質低下に至った理由と解決策についてお伝えしたいと思います。
これから、お墓・墓石の購入を考えている方には必見の内容です。
目次
1.中国での墓石加工の歴史
お墓づくりと言えば、石材店自らが原石を加工してつくっていると思っている方が意外に多いのです。
たしかに、今でも「自社加工」で墓石づくりをしている石材店もわずかながらあります。
しかし、都市部においては、ほとんどないと言ってもいいくらいの状況です。
今や、なんと、日本全国に流通している墓石の80%以上が中国の石材加工工場でつくられています。
中国で墓石加工が始まったのは1990年(平成の初め)頃からです。
当初は、中国国内で採れる石を中心に墓石づくりが始まりました。
その後、インド、ヨーロッパ、南アフリカなど、世界中の石が中国に集まり墓石として加工され、再び世界各国に送り出されています。
今では、日本で採石される石も中国に送られ、現地の石材加工工場で墓石として数多くつくられているのです。
そして、これらは日本国内において、堂々と「国産墓石」として販売されてます。
もちろん、現時点では法的にも問題ありません。(私自身はなんか納得できませんが…)
2.中国で墓石を加工する目的
今や墓石だけに限らず、多くのものが中国でつくられています。
その理由は、「価格」「値段」です。
特に墓石の場合は、それ以外の理由は何もありません。
もちろん、日本より中国の方が技術力が上というわけではありません。
ただただ、安価でつくることだけを目的に、平成の初め頃から中国での墓石加工がスタートしたわけです。
しかし、当時の中国は人件費も安かったため、日本側と中国側とで取り決めた価格設定は極めて「どんぶり勘定」的なものでした。
それが、令和の時代となった今でも残っている、“簡単な加工も複雑な加工も石の量が同じなら値段は同じ”という、「丸材(まるざい)単価」という墓石業界独自の価格設定です。
ちょうどその頃、日本では、四角い石を数段積み重ねた従来からの「和型墓石」と呼ばれるお墓だけでなく、自由な発想のもとにつくられる「デザイン墓石」と称されるお墓が登場した時期でもあります。
形に関係なく価格が同じならばと、多くの石材店が「これでもか!」というほどの凝ったデザインの墓石を中国に発注し続けました。
その時は、特に疑問を持つこともなくです・・・
3.中国の石材加工従事者の事情
中国の石材加工工場は、主に中国南東部に位置する福建省沿岸部に集中しており、そこで働く「工員」と呼ばれる石材加工従事者は、貧しい内陸部からの出稼ぎ労働者が大半を占めています。
なぜか、「職人」とは呼ばれていないのです?
彼らは、遠く離れた郷里に妻や子どもを残し、単身で福建省に出て来るわけです。
賃金は、出来高払いの完全歩合制で契約期間は1年。
一部屋に複数人での宿舎生活という、決して良い条件と言えるものではありません。
しかも、簡単な加工も、時間が掛かる難しい加工も賃金は同じなのです。
それでも、旧正月(春節)には郷里に少しでも多くのお金を持って帰るため、文句も言わず働いていました。
残業などは当たり前、お盆やお彼岸前の繁忙期になると、日本からの無理な短納期の要望に、徹夜をしてでも応えていました。
4.中国の石材加工の推移
そんな中国の石材加工事情に大きな変化が訪れました。
それは、急速な経済発展です。
GDP(国内総生産)においても、2010年には日本を抜いて世界第2位の経済大国となりました。
2019年9月30日の中国の東方新報発表によると、中国の2018年のGDP(国内総生産)が1952年と比べて「175倍」に達したとのことです。
175倍とは、まさに「中国の奇跡」と称されるゆえんの数字です。
つまりは、裕福になったということです。
そうなると、当然のことながら、労働環境にも変化が訪れてきます。
わざわざ、郷里から遠く離れた地に単身で出稼ぎに行かなくても、地元でいくらでも仕事にありつけるのです。
方や、石材加工は「3K(きつい、汚い、危険)」職種です。
それに加え、いまだに出来高払いの完全歩合制なわけですから、決して良い労働条件とは言えません。
こうした中国経済の急成長によって、石材加工工場の行員の数が激減しているのが実情です。
特にベテラン工の減少が大きく影響しています。
それによって、墓石製品へのクレームも急増しています。
- 磨きの光沢不足
- 石の表面に薬品を塗ってツヤを出す
- 黒タマ・白タマをバレないように隠す
等々です。
賃金が出来高払いのため、少しでも仕事量を増やすために、手抜きやごまかしを行うのです。
5.中国加工墓石の品質低下の解決策
ここまでは、中国でつくられる墓石製品の品質低下の原因についてお伝えしてきましたが、だからといって「じゃあ、日本でつくる国産墓石しよう!」なんて簡単な問題ではありません。
なにしろ、日本国内の80%以上のお墓は、中国でつくられているのですから・・・
何とかして、解決策を探る必要があります。
というわけで、この項では、あなたのお墓が中国産墓石の品質低下の影響を少しでも受けないようにするための方策についてお伝えさせていただきます。
(1)国民性の違い
まずは、国民性の違いを理解しておく必要があります。
特に「モノづくり」においては、日本と中国とでは大きく違います。
とことんこだわる日本人と、使えればそれで良しという中国人の違いです。
例えるならば、日本料理と中華料理のような感じです。
つまり、中国加工の墓石に、日本の一流職人が手掛ける墓石を求めるのは無理があるということです。
ただし、「best」は無理でも「better」なら決して不可能ではありません。
(2)中国には「安くて良いモノ」はない
長く続くデフレ社会の影響もあり、日本人はとかく「安くて良いモノ」を求めがちです。
それは、日本には安くて良いモノがあるからです。
しかし、中国には「安くて良いモノ」なんて存在しません。
日本人と違って、中国人はお金に極めてシビアな民族です。
代価に見合ったものしかつくりません。
墓石もしかりです。
ひと口に中国加工の墓石といっても、数多くの石材加工工場があります。
当然のことながら、価格も品質もピンからキリまであります。
それらの、どの工場でつくるかで、製品の良し悪しが大きく違ってきます。
要は、安過ぎる中国加工の墓石は要注意ということです。
(3)複雑な加工は危険
石材加工においては、日本と中国との間に「丸材単価」というものが存在します。
今でこそ、かなり複雑な加工については、別途加工賃を要求するようになりました。
しかし、まだまだ多くの部分では、簡単な加工も複雑な加工も石の量さえ同じなら価格は同じという「丸材単価」という取り決めの中で、取り引きが行われています。
ひと昔目の貧しい頃の中国だったら、それでも文句も言わず工員たちは仕事をしてきましたが、今やそんなわけにはいきません。
「1日でできるものも、3日掛かるものも賃金は同じ」なんて、今の中国では通用しなくなってしまったのです。
そのため、複雑な加工になればなるほど、製品制度や磨きが悪くなります。
いわゆる、手抜きです。「ばかばかしくて、やってらんない!」というわけです。
できる限り品質に影響が出ないようにするためには、シンプルなデザインに留めておくことが重要です。
6.まとめ
今回は、中国加工の墓石の品質低下と、解決策についてお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
結論を申し上げますと、消費者が高品質の中国加工の墓石を手に入れるのは、これまで以上に難しくなったということです。
消費者自らが中国に行って墓石の加工を依頼することなんてあり得ませんし、行ったところで目利きもできないでしょう。
また、石材店のほとんどが石材商社経由で中国加工の墓石の仕入れを行っている関係上、お客様の墓石が中国のどこの石材加工工場でつくられるかは、石材店であっても知る由もありません。
そんな中で、一生に一度買うかどうかという大きな買い物である、お墓選びをしないといけないのですから、簡単なことではありません。
当社では、中国で加工される墓石のあらゆる問題を解決するために、2000年頃から私自らが年に数回中国に出向き、石材加工工場を厳選し、原石の選定から完成に至るまでの製品管理を自社で行うというお墓づくりを続けてまいりました。
ここ数年は、新型コロナの影響で中国へ行くことはできていませんが、長い間培ってきた人間関係のお陰もあり、現在は現地スタッフの協力を得ながら、オンラインにて様々な対応を行っています。
そのため当社では、世間で騒がれているほど、中国加工の墓石の品質低下の影響は受けていません。
もちろん、
- 値段の安い工場は使わない
- 一切値切らない
- 短納期の発注は行わない
- 複雑な加工は極力避ける
- 必要な特別加工賃は別途支払う
など、常に品質低下につながるリスク回避に努めております。
しいては、それがお客様のお墓になるわけですから・・・
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
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