なぜ!お墓の中に水が入る(たまる)のか?原因と解決方法を徹底解説
こんにちは。兵庫県神戸市兵庫区にある株式会社第一石材の能島です。
(一社)日本石材産業協会認定の「1級お墓ディレクター」です。
のじま
今回の記事は、
- 全国のほとんどの地域のお墓は水が入る
- お墓のカロートの中に水や虫が入る原因
このような内容について解説いたします。
- ✔お墓の中に水が入るのは業界では仕方がないこと
- ✔消費者が知らないので水が入るお墓はなくならない
- ✔水が入る構造のお墓を選ばないようにするしか方法はない
近年、全国のあちらこちらで頻繁に降るゲリラ豪雨の影響でしょうか、当社にお墓の水問題に関するトラブル相談が多く寄せられます。
- お墓の中に水が入る
- お墓の中に水がたまっている
といった内容ですね。
お墓の中に水が入ってしまう原因について丁寧にご説明するのですが、今一つ納得がいかない方が多いのです。
まぁ、納得できなくて当然かもしれませんが・・
そこで、今回の記事は、お墓の中に「水が入る」「水がたまる」原因と解決方法についてお伝えしたいと思います。
目次
1.全国のほとんどのお墓は水が入ります
実は、お墓のカロート(納骨室)の中に水が入るのは、特にめずらしいことではありません。
日本全国のほとんどの地域の墓石は、納骨室の中に水が入ってしまう構造なのです。
当社、第一石材の地元である兵庫県神戸市を含め、近畿地方全域で多く用いられる「神戸型」と呼ばれる和型墓石も水が入ります。
また、「大阪型」も「京都型」も「岡山型」の墓石も水が入ります。
ただ、消費者の方々が知らないだけです。
それホントですか?
新くん
知っているとすれば、ご自身でお墓を開けて中を覗かれたか、何かでお墓の中を見る機会があったのかのいずれかでしょう。
とにかく、ほとんどのお墓はカロートの中に水が入るのです。
ひどい場合は水がたまって骨壺がひっくり返り、お骨がプカプカと浮いていることもめずらしくありません。
また、水だけではなく、クモやムカデなどの虫のすみかになっていたり、ハチが巣を作っていることもあります。
多くのご先祖様はこのような環境の中で眠っているのです。
それって、あんまりじゃない!
京ちゃん
そうなんです。
あんまりなんです。
2.お墓のカロートに水が入る理由
古いお墓だから水が入るってわけではありません。
建てたばかりのお墓であっても水は入ります。
お墓を建てて間もないのに、どうして水が入るわけ?
新くん
たしかに、そうですよね。
消費者もそこが納得できないのです。
お墓を建ててもらった石材店に相談しても、
- 多少の水は入ります
- 水は入っても時間が経てば抜けます
- お骨を土に還すためには水が必要です
など、イマイチ納得のいかない回答ばかり・・
大切な家族のお骨を納めているお客様の立場で考えれば、ごもっともだと思います。
いずれも後付けの言い訳であり、売り手側の都合でしかありません。
要は、墓石の構造上どうしようもないということです。
なにそれ!?ありえない…
京ちゃん
恥ずかしながら、私もずっと同じようなことを言ってきましたので、偉そうなことは言えませんが・・
そこには、墓石業界の大人の事情があるのです。
(1)お墓への納骨は1回限りではない
亡骸を土葬にしていたころのお墓は、それぞれ一人ずつのお墓でした。
しかし、今や日本の火葬率は99.9%。
そして、お墓の形態も個人のお墓ではなく、複数の人のお骨を納める家族単位のお墓です。
つまり、納骨は1回限りではないということです。
家族の誰かのお骨を納めてから、何年か何十年か後に再び納骨をする必要があるのです。
そのため、接着剤やシーリング材で完全に固定してしまうことができません。
それに加え、納骨作業が比較的簡単に行えるという点も考えておく必要があります。
納骨の度にクレーン車や重機が必要な構造では、お客様への費用負担がとんでもない金額になります。
お墓の納骨室を簡単に開けることができる構造ゆえ、水や虫も簡単に入ってしまうのです。
(2)コストと運搬上の問題
ご存知の通り、墓石は重い石でつくられています。
石の比重は種類によって多少違いますが、だいたい2.5~3くらいです。
水の2.5~3倍の重さがあるのです。
1リットルのペットボトルは1キロですが、石なら同じ量で2.5~3キロもあるということです。
また、お墓は、いくつもの石を積み上げたり組み合わせてできています。
彫刻作品にみられるような、ひとかたまりの無垢材を削り出してつくられているのではありません。
その理由は、コストと運搬上の問題からです。
無垢材を削り出してつくるとなると材料費が高くつき、それはそのまま販売価格に影響します。
また、重い石を墓地まで運ぶという運搬上の問題もあります。
複数の材料を組み合わせてつくるわけですから、当然ながら接合部分ができてしまい水や虫が入るのです。
このような事情から、お墓の中に水や虫が入ってしまうのです・・
ずいぶんな大人の事情だこと!
京ちゃん
返す言葉もございません・・・
3.なぜ改善されないのか?
お墓のカロートに水や虫が入ってしまう理由についてご説明しましたが、なぜ、これまでの長きにわたり改善されなかったのでしょうか?
その理由は、ほとんどの消費者が知らないからです。
また、近年のような情報化社会ではなかったので、お客様から特に文句を言われることもほとんどありません。
納骨日の前日までにお客様のお墓を開けてみて、水がたまっていればくみ出しておくのです。
たまに聞かれたときには「お骨を土に還すためには水が必要」など、後付けの理由でお客様を納得させているのです。
しかし実際には、火葬されたお骨は、そう簡単に土に還らないのですがねぇ・・
なんか、悪意を感じますね…
新くん
いえ、決して悪意があるわけではないのです。
そうするしか方法がなかっただけなのです。
たぶん、ほとんどの石材店がそうだと思います。
私自身も長年の慣習からか、お墓は「こんなもの」「仕方がないこと」程度に考えていました。
のじま
あるお客様との出会いがあるまでは・・・
4.水が入らないお墓はないのか!?
カロートに水が入らないお墓をつくりたいんだけど…
富士さん
ある日、一人の男性のお客様からのお申し出です。
富士さん(仮名)は、亡くなられたお父様のためのお墓建立を考えておられました。
いやぁ…
多少の水はどうしても入ってしまうんですよ。
のじま
案の定、私はお決まりの回答です。
それじゃダメなんです!
富士さん
でも、富士さんは納得してくださいません。
何軒かの石材店に相談されたようですが、これといった提案はしてもらえなかったようです。
何度も首を横に振られます。
お母様が親戚のお墓の納骨式で、お骨がプカプカと浮いているのを目の当たりにしたとのことです。
いろいろとお話しを伺っていると、お墓に水が入ることを「仕方ない」「やむを得ない」で済ませてきた自分が恥ずかしくなりました。
そして、富士さんには宿題をいただき、ようやく納骨室に水が入らないお墓が完成したのです。
そこからさらに改良を進め、「信頼棺®(しんらいかん)」の名称で商標登録をし、独自構造として特許登録、ならびに実用新案登録となりました。
のじま
富士さんと出会えたから、「信頼棺®」ができたわけね!
京ちゃん
まさしく、その通りです。
「信頼棺®」と従来の墓石と比べると、
- 納骨作業は少し手間が掛かります。
- 加工・施工も少し複雑になります。
- 石の使用量も若干増えますので価格も少し高くなります。
でも、お墓が雨漏りすることはありません。
虫が住み着いたり、ハチが巣を作ることもありません。
「信頼棺®」は、和型墓石、洋型墓石、デザイン墓石にかかわらず、あらゆる形のお墓に対応可能です。
また、新しく建てるお墓だけではなく、今すでにあるお墓へのリフォームにも対応しています。
ただし、「信頼棺®」は特許・実用新案登録の独自構造につき、どこの石材店でもが取り扱えるわけではありません。
当社、もしくは「信頼棺®」正規取扱店までご相談ください。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
最後に、今回の記事「なぜ!お墓の中に水が入る(たまる)のか?原因と解決方法を徹底解説」の重要ポイントをまとめます。
- ✅お墓の中に水が入るのは業界では仕方がないこと
- ✅消費者が知らないので水が入るお墓はなくならない
- ✅水が入る構造のお墓を選ばないようにするしか方法はない
お問い合わせをくださった方々のお墓にだけ、たまたま水がたまっていたのではありません。
今も販売され続けている、全国のほとんどの地域のお墓はカロートに水が入ってしまう構造なのです。
石材店としては、これまで通りのお墓の方が作業も楽で売りやすいかもしれません。
でも、お客様のことを第一に考えると答えは違ってきます。
今では、この「お客様本位」の考えに賛同してくださった、ごくわずかの全国の仲間たちのおかげで、“納骨室に水が入らないお墓”「信頼棺®」はフランチャイズ化することに成功しました。
まだまだ、全国各地までいきわたっておりませんが、雨漏りしないお墓をお考えの方は、「信頼棺®」取扱店までお問い合わせください。
すべては残されたご家族のためであり、ご先祖様のためのお墓なのです。
【実録映像】第一石材のご紹介とお客様の声(00:04:40)
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